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【18.03.29】 27日の佐川氏の証人喚問、各紙が批判

中日社説(3月28日) 佐川氏喚問 膨らむ疑問、募る不信

疑問は膨らむばかりである。
きのう衆参両院で、財務省の佐川前理財局長に対する証人喚問が行われた。
森友学園との国有地取引をめぐり、財務省が決裁文書を改ざんした当時の国会答弁を、佐川氏は一手に引き受けていた。
改ざんはなぜ行われたのか。誰が誰の指示でやったのか。
問題の核心部分を問われると、佐川氏はことごとく証言を拒み、真相解明は全くと言っていいほど進まなかった。
議院証言法は、刑事訴追の恐れがあることを理由に証言を拒否することを認めている。
だが今回の公文書改ざんは、国会を欺き、国民の知る権利を侵した重大疑惑である。
佐川氏は「当時の担当局長として責任はひとえに私にある」と謝罪した。ならばその責任を果たす道として、知っていることを率直に国民に説明すべきではなかったか。
4時間余に及んだ喚問で、佐川氏は改ざんの事実を知っていたのかなど、自らの関与について、捜査対象になっていることを理由に説明を拒み続けた。
一方で、改ざんに安倍首相や麻生財務相、首相官邸の関係者、財務省幹部らの指示はなかったと断言した。
学園への国有地の貸し付け・売却についても、首相や妻昭恵氏の「影響があったとは全く考えていない」と言い切った。
なぜ、そう断じられるのか。
自らが改ざんにどう関わったかは一切語らぬまま、首相や麻生氏の関与は全否定する。学園との土地取引が行われたのは、佐川氏が理財局長に就任する前で直接の当事者ではないのに、首相や昭恵氏の指示や関与はなかったと一蹴する。
およそ不自然で、説得力を欠く証言と言うほかない。
自民党幹部のひとりが「首相らの関与がなかったことが明白になった」と語るなど、幕引きを探る動きもあるが、とんでもない話だ。疑問だらけに終わった佐川氏の喚問は、問題の深さをいっそう印象づけた。
失われた政治と行政の信頼を取り戻すには、二つの疑問を徹底的に解明する必要がある。
首相や昭恵氏の名前を決裁文書から何故削ったのか。そして、学園に破格の安値で国有地を売却したのは何故なのか。
佐川氏の喚問は第一歩に過ぎない。前任の理財局長だった迫田氏や昭恵氏、昭恵氏と財務省を仲介した政府職員らの国会招致は欠かせない。
行政監視の機能を果たし、民主主義を立て直せるか。与野党ともに問われている。

朝日社説(2月28日) 疑惑の本質をとらえよ 佐川氏証人喚問

証言拒否で真相解明には至らなかった。佐川前国税庁長官の証人喚問。疑惑の本質は格安での国有地売却だ。国会は追及の手を緩めてはならない。
学校法人「森友学園」への国有地売却問題を整理すると、大きく分けて二つの論点がある。
まず第一に、売却の経緯だ。国民の貴重な財産である国有地がなぜ森友学園に、それも8億円も値引きされて売却されたのか。売却の過程に、学園理事長らが親密さを強調していた安倍首相や夫人の昭恵氏らの政治的関与はなかったのか、という疑惑である。
直接の関与がなかったとしても官僚側による忖度がなかったのかどうかも、重要な論点だ。
文書改ざんは認める
第二に、公文書である決裁文書を財務省がなぜ改竄したのか、である。その動機が売却の経緯を隠蔽するためだとしたら、これら二つの論点は不可分のものとして追及されなければならない。
きのうの証人喚問で主に追及されたのは、第二の論点である文書改ざんへの佐川氏の関与である。
財務省はこれまでの調査で、改ざんは昨年2月から4月にかけて行われたとしている。森友学園への国有地売却が国会で問題視された直後だ。当時、国有地を管理する理財局長が佐川氏だった。
佐川氏は「書き換えはあった。担当局長としてひとえに私に責任がある」と改竄の事実は認めたが、安倍首相や官邸側などからの改竄の指示を否定。改ざんの目的や経緯、自身がいつどのように関わったかなどについては「捜査の対象であり、刑事訴追の恐れがある」として証言を拒否した。
また、佐川氏が過去に国会で、森友側との交渉記録や面会記録を廃棄済みと答弁したことについては「規則について申し上げただけだった」と釈明した。
国政調査の権能軽視
きのうの証人喚問で真相が解明されたとは到底言えないが、佐川氏の証言からは、看過できない重要な問題が浮かび上がる。
改竄が刑事訴追の対象になる「犯罪」であることに加え、国権の最高機関で、全国民を代表する国会を欺いた、ということだ。
国会には当初、改竄後の決裁文書が提示され、この誤った文書を基に一年近くにわたって議論が交わされていたことになる。おびただしい時間の浪費だ。
佐川氏が廃棄済みと答弁していた交渉記録なども残されていた。佐川氏は証言で「国会対応に丁寧さを欠いていたのは間違いない」と陳謝したが、国会に対する偽りの答弁にほかならない。
その後、答弁修正の機会はあったはずだが佐川氏はそうしなかった。当時、国会対応に追われ「休むことができず、全くそういう余裕がなかった」と釈明したが、それで済ますわけにはいかない。
官僚による国会答弁は国会が有する国政調査の権能を重んじ、真実を述べることが前提だ。虚偽の文書や発言に基づいて予算案や法案、内政、外交の重要事項を審議することになれば、判断を誤る。
佐川氏の理財局長としての振る舞いは、国会の国政調査機能を軽視する重大な行為だ。安倍政権の政治責任も免れまい。
きのうの証人喚問では売却経緯についても真相解明には至らなかった。国会は引き続き国政調査権を駆使して真相に迫ってほしい。
昭恵氏に加え、首相夫人付き職員だった谷査恵子氏、佐川氏の前任の理財局長である迫田元国税庁長官らの証人喚問を求めたい。
自民党の丸川参院議員は佐川氏に決裁文書改竄について「安倍首相からの指示はありませんでしたね」「昭恵夫人からの指示はございませんでしたね」と尋ねた。
首相夫妻の指示がないことを印象づける狙いがあるようにも聞こえた。念押しするような質問の仕方で、真相に迫り、国民の理解を得られるだろうか。
報道各社の世論調査によると、内閣支持率は軒並み30%台に急落している。国民は安倍政権や支える自民党に厳しい目を向けていることを忘れてはならない。
幕引きは許されない
野党側にも注文がある。一人あたりの質問時間が短く、真相に迫りきれなかったからだ。「一強多弱」の弊害である。野党間で質問事項を調整したり、質問者を絞るなどの工夫が必要だろう。
佐川氏は証言拒否を連発する一方、首相夫妻ら政権側の関与は否定し、すべての責任を一身に背負おうとしているのではないか。
しかし、疑惑の本質は、公平、公正であるべき行政判断が、政治の影響で歪められたか否か、である。それを解明するのは国政調査権を有する国会の責任だ。トカゲの尻尾切りで幕引きを許すようなことがあってはならない。

赤旗主張(3月28日)  佐川氏証人喚問 真相解明へ昭恵氏らの喚問を

 大阪の学校法人、森友学園への国有地格安払い下げが発覚した当時の財務省理財局長で、決裁文書など公文書改竄でも当事者とされる佐川前国税庁長官の国会での証人喚問を聞きました。国会で「森友」関係の資料は廃棄したなどと答弁した佐川氏が、改竄にも直接かかわった疑いは濃厚です。佐川氏は「刑事訴追の恐れがある」ことなどを理由に、肝心な部分では説明を拒みました。佐川氏を引き続き追及するとともに、開設予定の小学校の「名誉校長」だった、安倍首相の妻の昭恵氏や関係者も喚問し、疑惑を解明することが求められます。
「森友」問題での証人喚問は、昨年2月に問題が発覚した直後の、籠池「森友」前理事長以来です。しかしその後は与党が、昭恵氏や関係者の喚問を拒否し、佐川氏も昨年夏、国税庁長官に栄転した後は記者会見も国会答弁もせず、辞任しました。首相は発覚直後、「私や妻が関与していれば首相も国会議員もやめる」と答弁しました。国会で答弁した佐川氏がそれを意識して「森友」との交渉資料などを隠し、決裁文書を改竄したとみられて当然です。
問われているのは、国民共有の「知的資源」である公文書を改竄までして国会に提出し、国会と国民を愚ろうしたのは、「だれが」「何のために」に行ったのかということと、もともと8億円を超す異常な値引きはなぜ行われたのかということです。
佐川氏は証人喚問で、公文書改竄については「刑事訴追の恐れ」を理由に証言を拒否しながら、首相や麻生財務相からの指示はないと言い切りました。しかし太田充現理財局長は、財務省が安倍首相らの答弁を気にしていたなどと答え、同省は改竄への官邸の関与も否定しません。佐川氏は財務省内の調査は知らないと逃げましたが、偽証や証言拒否は議院証言法で罪に問われる犯罪です。
佐川氏が、決裁文書で「特例」などと書かれている「森友」への国有地貸し付けや売却について、首相や昭恵氏の関与はなかったのかと追及されて、「当時は理財局にいなかった。発覚後勉強した」などと誤魔化したのは重大です。改竄前の文書などに照らせば、昭恵氏の動向が伝えられるたびに貸し付けや売却の流れが進んでいます。昭恵氏が籠池氏らと建設予定地を視察し、「いい土地だから、前に進めてください」と発言したことが伝えられた1カ月後には、近畿財務局が協力すると連絡しています。昭恵氏が「名誉校長」に就任し、昭恵氏付きの政府職員が財務省に問い合わせた後、値引きや売却についての動きが一気に進展します。首相は昭恵氏の関与を否定しますが、それなら本人の口で語ってもらうしかありません。
国会が国政調査権を活用し、昭恵氏らの証人喚問など、真相を徹底究明することが必要です。
昭恵氏らの証人喚問を拒み、国民の共有財産である国有地売却の真相を隠し、公文書まで改竄して国会などに提出した安倍政権の責任は重大です。立法府を愚弄した内閣は総辞職すべきです。
いよいよ疑惑が深まった「森友」への国有地格安払い下げや公文書改竄を解明するとともに、安倍内閣の責任明確化が不可欠です。

2つの疑問(公文書の改竄と8億円の値引)に答えていない。徹底究明で安倍内閣の総辞職・解散総選挙を。

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