活動日誌-活動日誌

【18.03.20】 三重県がん対策推進計画「第4期三重県がん対策戦略プラン」(中間案)への意見(パブコメ)に対する県の考え方が公表されました。

4人から38件だったそうです。私の25件を紹介します。

少し長くなりますがお付き合いください。

1、 全体的な意見
私は、昨年9月に胃がんのステージ4の宣告を受けたものです。手術ができず、現在、3週間に1日通院して、薬物療法を行っています。(第6クール目です。)この「戦略プラン」は、全体的にもっとがん患者の意見を入れて、分り易くするべきです。
【県の考え方】
三重県がん対策推進計画は、三重県がん対策推進協議会および三重県がん対策戦略プラン策定検討部会において協議されており、がん経験者の方も委員として出席いただいています。今後も、引き続きさまざまな意見を踏まえ、がん対策に取り組んでいきます。

2、プラン、計画の推進、推進体制
「三重県がん対策推進協議会」について、協議会は何処にあり、主体・構成はどうなっているのか。会議の内容は公開されていますか。さまざまな主体で取り組むがん対策です。県民、医療機関、行政等の役割を明確化にした一覧表を作成し、推進の状況が一目で分かるようにして下さい。「三重県がん対策推進協議会」の活躍に期待します。
【県の考え方】
三重県がん対策推進協議会は、三重県がん対策推進条例の規定に基づき、県が設置しています。会議の概要は県ホームページで公開しています。いただいたご意見については、国が示す予定のロードマップの内容を踏まえ、検討を進めます。

3、現状
「年齢調整死亡率」について、もっと分り易い説明をお願いします。単位は率ではなく10万人に対する人数になる訳ですね。
【県の考え方】
いただいたご意見を踏まえ、記載を修正しました。

4、罹患、登録の推進、医療
「地域がん登録事業」の状況は。三重県に現在がんで苦しんでいる方がどれ位いるか分るんですか。登録事業者数、がん登録の人数、がん登録の推進はどの様に行われていますか。他県の状況はどうなっていますか。法律については勉強中ですが、個人の了解のもとでの全数登録をすべきではないでしょうか。
【県の考え方】
三重県地域がん登録事業は平成23 年度から実施しており、報告書は県ホームページで公開しています。地域がん登録事業は全都道府県で実施されていましたが、平成28 年1月に施行されたがん登録等の推進に関する法律により、平成28 年症例からは、全ての病院と指定された診療所は全国がん登録によりがん情報を届出することとなりました。

5、 評価、全体目標、表中
① 「苦痛の軽減、生活の質の向上」と「緩和ケア研修を修了した医師の数」にはどの様な関
連があるのですか。②支援でセンター等への相談・情報提供の件数はどれ位ですか。
【県の考え方】
①がん患者等の苦痛の軽減のため、がんの診療に携わる全ての医療従事者が基本的な緩和ケアについて正しく理解し、緩和ケアに関する知識や技術、態度を修得することを目的に、緩和ケア研修を実施しています。②三重県がん相談支援センターの平成28 年度における相談・情報提供件数は400 件です。その他、ホームページやがんサロン等において情報提供を行っています。

6、評価、分野別目標
①「予防」、「早期発見」、「予後」は評価が良かった。②「がん医療」では悪かった様ですが、原因の分析はどうなっていますか。
【県の考え方】
「予防」「早期発見」「予後」については、県民、医療機関や行政等のさまざまな主体が役割に応じた取組を進めたことによるものです。「がん医療」については、人的要因等、各医療機関の事情による部分も大きいため、引き続き連携して取り組んでいきます。

7、医療の達成状況
「がん医療」と「治療」の違いはどうなっていますか。病院別項目別の一覧表を作成し公開できませんか。
【県の考え方】
医療には、単に治療のみならず、疾病の予防のための措置及びリハビリテーションを含みます。平成30 年度から、がん診療連携体制の見直しを行ったため、いただいたご意見を踏まえ、取組状況についての公表方法について検討を進めます。

8、 基本的な考え方
「がんによる死亡者数の減少を実現するためには,がんに罹患する人を減らす事が重要です。」余りにも幼稚すぎる文言ではありませんか。①予防で避けられるがんを防ぐとは。科学的根拠に基くがん検診とは。②医療でチーム医療はどれ位行われ、費用はどうなりますか。③地域共生で「がんと診断された時からの緩和ケアの推進」「がん患者の治療と仕事の両立」共に簡単に書かれていますが、不可能に近いのではありませんか。 (以下に、詳細の意見をお尋ねして行きます。)
【県の考え方】
①予防で避けられるがんとは、喫煙防止や生活習慣の改善、肝炎対策等により避けられるがんのことです。科学的根拠に基づくがん検診とは、厚生労働省が定める「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」に基づくがん検診です。詳細は、本文をご参照ください。②提供される医療は病期や病態等に応じて異なるため、費用も異なります。③「がんと診断された時からの緩和ケアの推進」「がん患者の治療と仕事の両立」はがん対策において重要と考えており、現在も取組を推進しているところです。

9、予防
数値目標について(全体的に)。数値目標の一覧表を作成し、項目を明らかにすれば、トレースもし易く、一般の人でも分りやすくなるのではないでしょうか。
(個別に)数値目標について。肥満の人の割合が、何故29%に上がるのですか。
がん検診受診率で、子宮頸がんの検診目標は下がる事になりますが、一律50%とせずに、部位の検診別にきめ細かく設定すべきですではないでしょうか。
小・中学校におけるがん教育の実施回数について、76校とする意味は。(500校以上あるのにこの程度で良いのか。)すべての学校で実施してください。
【県の考え方】
いただいたご意見を踏まえ、巻末に一覧表を掲載しました。当該項目は、「三重の健康づくり基本計画(平成25~34 年度)」に準じて設定しており、平成23 年度の35.2%を基準に設定した目標値です。なお、平成28 年度の調査では、40 歳代では29.8%と高くなっています。がん検診の受診率は累計ではなく毎年度変動するため、国の基本計画と同様の目標値を設定しました。がん教育の実施方法は、外部講師により実施する他、養護教諭や
学校医等が実施する方法もあります。本計画における目標値は、外部講師に要請して行うがん教育の実施回数です。なお、がん教育は、平成33 年度からの中学校における全面実施に向け、中学校学習指導要領に盛り込まれました。

10、予防
生活習慣の改善について、「高濃度の塩分摂取は胃がんの発症原因」とありますが、データはあるのでしょうか。あれば、掲載して下さい。
【県の考え方】
国立がん研究センターが作成している「科学的根拠に基づくがん予防」によると、食塩摂取量の多い男性のグループでは胃がんのリスクが高いことが報告されています。
(参考)科学的根拠に基づくがん予防 https://ganjoho.jp/public/pre_scr/cause_prevention/evidence_based.html

11、予防
早期発見のメリットは、是非、具体的・計画的に、広く住民に訴えて下さい。
【県の考え方】
市町やがん診療連携拠点病院等の関係機関と連携し、がん検診の重要性に関する普及啓発を進めます。

12、医療
「がん治療を外来で受ける患者は増加していく」とあるが、これは日本の医療制度の問題(保険点数)と病院の経営上の問題で退院の強制(追い出し)があるのではないでしょうか。
【県の考え方】
がんに対する化学療法は、これまで、副作用に対するケアのため、主に入院治療で行われてきましたが、副作用をコントロールする薬剤が開発され、がん患者は家事や仕事など普段の生活を続けながらでも外来で治療が可能となってきました。がん患者自身の生活の質を高めるため、近年では、治療の場は入院から外来通院へと移行しています。

13、医療
「ゲノム医療」の県下での状況はどうなっていますか。
【県の考え方】
三重大学医学部附属病院において、人材育成が進められています。また、現在、国においてがんゲノム医療提供体制について検討が行われており、それらの動向を踏まえ、県におけるゲノム医療の体制について検討を進めます。

14、医療
「三重医療安心ネットワーク」について、構成はどうなっていますか。数値目標における登録患者数について、22,400人はどの様な数字なのでしょうか。
【県の考え方】
三重医療安心ネットワークは、平成28 年度末現在、開示病院17施設、閲覧施設256 施設で構成されています。目標値は、平成28年度末現在の登録患者数14,069 人から、年間1,400 人の増加を目指して設定しています。
(参考)三重医療安心ネットワーク
http://www.medic.mie-u.ac.jp/ca-center/anshin/index.html

15、医療
「免疫療法」の県下での状況について、どの病院でどの様な「免疫療法」が行われているのか一覧表を公開できないでしょうか。(保険適用の有無も)
【県の考え方】
免疫療法については、有効性が科学的に証明されていない治療法もあるため、適切な情報提供のあり方について検討を進めます。

16、共生
「がんと診断された時からの緩和ケアの推進」「緩和ケアは、がんと診断された段階から、がん治療と一緒に受けるべき医療」この意識改革は、数値目標にもあるが、研修で行えるのでしょうか。
【県の考え方】
「がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会の開催指針」に、がん診療に携わる医師が緩和ケアついての基本的な知識を習得し、がんと診断された時から適切に緩和ケアが提供されるようにすることを目的とすると記載されており、この趣旨に基づき緩和ケア研修会は開催されています。また、三重県がん診療連携協議会緩和ケア部会を中心に、PDCAサイクル確保の体制を構築し、緩和ケア水準の向上を図っています。

17、共生
「地域の医療機関や在宅でも、切れ目なく提供される」とあるが、誰が主となって行い、万が一の場合、責任は何処にあるのでしょうか。
【県の考え方】
提供される緩和ケアは病期・病態や患者の意向等に応じて異なるため、緩和ケアが切れ目なく提供されるよう各医療機関等の連携を推進します。

18、共生
「地域緩和ケアネットワーク」の具体的な活動はどうなっていますか。
【県の考え方】
地域緩和ケアネットワークは、七栗記念病院を中心に、公開講座や研修会等を実施し、緩和ケアの提供体制の充実を図っています。

19、共生
「緩和ケア病棟」(8施設174床)の利用状況はどうなっているのか。「緩和ケア病棟」の充実の為に、数値目標(P57)に入れるべきではないでしょうか。
【県の考え方】
緩和ケア病棟の利用状況は、施設により異なります。緩和ケア病棟の機能やあり方について、国の議論をふまえ、検討を進めます。

20、共生
数値目標の中で、病院名を明らかにして、推進すべきではないでしょうか。
【県の考え方】
平成30 年度から、がん診療連携体制の見直しを行ったため、いただいたご意見を踏まえ、取組状況についての公表方法について検討を進めます。

21、共生
三重県がん相談支援センターなどの「相談員」の身分や待遇、資格などは、どうなっていますか。
【県の考え方】
身分や待遇は雇用形態により異なります。資格は特に定められていませんが、国立がん研究センター主催の「相談支援センター相談員基礎研修(3)」や、三重県がん診療連携協議会がん相談支援部会の開催する研修会の受講等により資質の向上を図っています。

22、共生
「患者必携 がんと向き合うために 三重県の療養情報」良い冊子です。誰もが手に出来るようにして下さい。
【県の考え方】
冊子は、三重県がん相談支援センターのホームページで公開している他、三重県がん相談支援センターで配布しています。

23、共生
交流の場の提供「がんサロン」について、ボランティア任せ良いのでしょうか。市町の行政が深く関わるべきではないでしょうか。
数値目標において、場所を明確にして下さい。
【県の考え方】
数値目標として設定しているがんサロンは、県が委託している三重県がん相談支援センターにより運営されるものです。場所は、地域医療構想区域(桑員、三泗、鈴亀、津、伊賀、松阪、伊勢志摩、東紀州)の8か所です。

24、共生
在宅医療の推進について。「地域社会における『がんとの共生』が重要に」「在宅医療の充実」「在宅緩和ケアを提供できる診療所、看護ステーションの充実」そんなに病院から追い出したいのですか。病院での満足のいく治療を最優先にすべきではないでしょうか。
「三重県のがん患者の在宅死亡率は全国平均より高い」とあるが、数値目標で全国平均以上とあるのは可笑しいではないか。
「がん末期患者のうち40―64歳までの人は介護給付が可能」とあるが、三重県での実態はどうなっているか。
【県の考え方】
提供される医療は病期・病態や患者の意向等に応じて異なるため、それぞれの状況において必要な医療を受けられる体制の整備が必要です。いただいたご意見を踏まえ、目標値を「全国平均以上」から、平成28 年度において全国で最も高い神奈川県の「21.0%」に修正しました。三重県における40 歳から64 歳までの要介護(要支援)認定者数は、平成29 年10 月末現在で1,989 人です。なお、40 歳から64歳までに介護給付が受けられる疾病は、加齢に起因する疾病(特定疾病)であり、末期がんのほか関節リウマチ等があります。

25、共生
就労支援等について。「就労可能年齢のがん患者数は増加」「がん患者又は『がん経験者』として長期生存し、社会で活躍しているものも多く」とあるが、なぜ働かなければならないのか。
「がん経験者」の定義はどうなっているのか。
治療を最優先にして労働を強要してはなら無い。(活躍の美談化は避けるべきです。)数値目標の1922社の根拠は何処にありますか。
【県の考え方】
病気や病態により、状況は異なりますが、就労を希望するがん患者が継続して就労できるよう、がん患者の治療と仕事の両立は今後のがん対策において重要と考えます。がん経験者は、がんと診断されたすべての方で、治療中や経過観察中の方等を含みます。目標値は、年間240 社の増加を目指して設定しています。

(以上25項目です。)

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