活動日誌−活動日誌

【17.12.21】 生活保護費削減方針、当事者の声切々、最低限を支えているか 。

生活保護費削減方針 当事者切々、生活ぎりぎり、早く死ねか 国会内で抗議集会(しんぶん赤旗)

 安倍政権が1基約1000億円もする「イージス・アショア」の2基導入を閣議決定する一方で、2018年10月から「生活扶助」や「母子加算」など生活保護費全体で160億円の削減を厚生労働省が決定したことに対し、当事者や支援者らは19日、方針の撤回を求める緊急集会を国会内で開きました。
 約160人が参加し、抗議の声をあげました。「もうひとつの生活保護基準部会」実行委員会の主催。
 「生活保護問題対策全国会議」代表幹事の尾藤廣喜弁護士は「当事者の意見をまったく聞かず、生活実態も見ていない。勝手に考えた数字を操作しただけの提案だ。引き下げは絶対に認められない」と強調しました。
 (今回の計算式は、所得を10階層に区分し、「最低の10分の1の所得層」の金額と比較して、生活保護利用者層が高すぎると言っています。本来ならこの、「最低の10分の1の所得層」の方も生活保護を利用を利用できる層です。日本では、捕捉率が世界に比べて格段に低いという問題があります。これを逆手に利用した政府のやり方です。)(星野註)
 生活保護を利用し、小学生から高校生の子どもを単身で育てている女性は「毎日、何を食べたらいいのかばかり考えている。子どもは『これは靴なの?』というほど擦り切れたものを履いている。子どもに毎日切りつめないと生活できないと考えさせるのはおかしい」と声を振り絞りました。
 脳性まひのため電動車いすで生活する男性(45)は削減方針について「障害者や病気の人は早く死んでくれといわんばかりだ」と語りました。
 病気を抱え、生活保護を利用し就職活動中という女性は「本当にぎりぎりの生活。明日が来なければいいと思いながらの生活で、生きているといえるのか」と訴えました。
 日本共産党、立憲民主党の国会議員が参加。共産党からは高橋衆院議員、田村副委員長・参院議員が出席し、田村氏が挨拶しました。

中日社説 生活保護減額 最低限を支えているか 

 生活保護のうち食費・光熱費などに充てる生活扶助は来年度から段階的に減額される。利用者の生活を支えられるのか。そもそも基準の決め方が実態に合っているのか、疑問が残ったままの改定だ。
 「もうこれが限界ではないか」 保護基準の見直しを検討していた厚生労働省の審議会委員から、その手法に対しこんな声が続いた。保護基準の決め方を根本的に考え直す時機が来ている。
 制度は憲法25条の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障するためのものだ。5年ごとに基準を見直している。
 まず最低限度の生活を支える基準を決め、給付額を定めるのが自然な考え方である。だが、現状では一般の消費動向など相対的な比較で基準の増減を決めている。1980年代からこの手法だ。
 比較するのは低所得層の消費動向である。この中には本来、保護を受けられる状態の人も多い。制度を利用できる人のうち、実際に利用している人の割合は2割程度といわれる。そうなると保護基準の方が高くなる場合が多く、いきおい引き下げられることになる。
低 所得者への経済支援は別途必要だが、前回の基準見直しで生活扶助は平均6・5%減額された。(*)各地で訴訟にもなっている。
 経済が成長し賃金が上がる時代では消費の伸びに合わせて基準も上げられた。今は賃金は上がらず消費も縮んでいる。家族の形やライフスタイルも多様化した。社会経済情勢の変化に対応できていないのではないか。
 審議会は現在可能な手法で検討を重ねたが、限界も表明した。見直し案を盛り込んだ報告書は、最低限度基準の必要性を指摘し年次計画を立てて手法を検討することを厚労省に強く求めた。
 実は前回見直しの際の報告書も同じ指摘をしている。この間、厚労省に検討する姿勢は見えない。
 確かに妙案はないようだ。ただ、例えば戦後間もなくは、食費や被服費など個々の費用を積み上げて必要額を決めていた。(*)今回の審議会の議論でも、新手法の試案なども提供された。複数の手法を使って基準を決めることはできないものだろうか。
 今は約164万世帯が保護を利用し高齢世帯は53%を占める。今後も無年金・低年金で制度を利用する高齢者は増えるだろう。
 安倍政権は、格差是正や貧困の連鎖を断つ政策を柱に掲げる。ならば「最低限度」を定める検討を正面から取り組むべきだ。
 (*)中日新聞には、生活扶助相当CPI(消費者物価指数)のプロがいる。前回(今)の下げの時には大活躍された。「生活保護削減なための物価偽装を糾す!」という本も出された。森永卓郎氏との対談も載っている。報道も頑張って欲しい。(星野註) 

▲ このページの先頭にもどる

トップページに戻る
以前の活動日誌はこちらからご覧いただけます
RSSフィード(更新情報)