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【17.12.19】 医療と介護の改訂がほぼまとまった様だ。これで良いのか。中日と毎日が社説で。

中日 医療と介護 在宅支える安心高めよ 

国民が来年度に使う医療と介護の費用の大枠が決まった。実質的な増額改定は国民の負担が増える分、充実したサービスの提供が求められる。特に、自宅で暮らす安心を高める体制強化が必要だ。
医療費と介護費は国民が払う保険料や税、窓口負担で賄われている。診療報酬は医療を提供した医療機関へ、介護報酬は介護サービスを提供した介護事業者へ払われる。多岐にわたる個々のサービスの価格は国が決める公定価格だ。
その価格表である診療報酬は2年ごと、介護報酬は3年ごとに見直される。今回は6年ごとの同時改定の年だ。
改定率は、1年間に使う医療費約42兆円、介護費約10兆円をどれくらい増減させるかを示す。
診療報酬は薬の価格である「薬価」はマイナス改定だが、治療費や入院費など「本体」はプラス0・55%と前回に続き増やした。薬価は実際に取引されている市場価格に合わせる引き下げで妥当だろう。患者の薬代も下がる。
本体は医療関係者の人件費にも充てられるため、日本医師会などはプラスを求めていた。賃上げは安倍政権が経済界にも求めている。医療界にも配慮するのなら医師以外の医療従事者にも確実に配分をしてほしい。
介護報酬は、プラス0・54%と微増で決着した。前回、3年前の改定では大幅にカットされ、小規模事業者の倒産が相次ぎ、問題化した。
人口の多い団塊世代が75歳を迎える2025年には、介護ニーズが飛躍的に高まる。介護費も倍増が予想される。深刻なのは介護人材の不足で、約38万人が不足すると見込まれる。微増の改定で今後人材確保ができるのか、不安が残る。
政権は「人づくり革命」で消費税増税分を使い介護人材の賃上げを盛り込んだが、十分とはいえない。医療から介護へ財源のシフトも考えねばならない。
医療と介護の具体的なサービスメニューや価格は今後決まる。財務省は、介護事業者の利益は中小企業平均と比べやや高いと報酬の削減を求めている。厚労省は生活援助や通所介護を削減する方向だ。優良な介護事業者を追い詰めないか慎重に検討すべきだ。
一方で、在宅での医療を担う訪問看護サービスの拡充や、利用者の主治医と介護職員との連携、認知症の人向けサービスの強化などを検討している。必要なサービスが行き届く改定が不可欠である。

毎日 医療・介護の報酬は微増 持続可能な制度のために

医療・介護・障害福祉サービスの2018年の報酬改定率がいずれも微増になることが決まった。
今回は6年に1度の3報酬の同時改定に当たる。財務省は膨張する社会保障費の圧縮を主張し大幅のマイナス改定を求めたが、医師会などの意向を受けた自民党が反発した。
結局、医療は薬価を大幅に引き下げる一方で、医師の技術料など本体部分を0・55%アップすることになった。介護は0・54%、障害福祉も0・47%のプラス改定で決着した。
人口の多い団塊世代が75歳を超える2025年は目前だ。今のうちに医療・介護の体制や連携を強化しなければならない。経営が苦しい病院は多く、勤務医も疲弊している。プラス改定はそうした事情を反映したものと言えるだろう。
ただ、75歳以上の人口の増加に伴い、今後も医療や介護を必要とする人は増えていく。専門性の高い病院が軽症の患者の対応に追われ、介護で対応できる人まで医療が抱え込んでいる現状を改める必要がある。
現在は医療機関が検査や投薬をするほど収入が増える「出来高払い」が診療報酬の基本だ。過剰な検査や投薬が医療費を膨張させているだけでなく、多くの薬を服用することによる副作用の弊害も指摘される。
高齢になると複数の慢性疾患を持つ人が増える。こうしたケースでは1人の患者に複数の治療をしても一定額の報酬にする「定額払い」を基本とすべきだ。必要に応じて専門的な医療を受けられる制度へ転換しなければならない。
患者が自由に病院を選んで診療を受けられる「フリーアクセス」が日本の医療の特徴で、その恩恵を評価する患者は多い。しかし、いつでも、どの病院へも患者が訪れることが勤務医の疲弊を招き、過剰な医療の温床にもなっている。フリーアクセスの制限についても検討は避けられないだろう。
そのためには信頼できる「かかりつけ医」を増やすことが何よりも必要だ。訪問看護や介護との連携を密にして、地域で安心して暮らし続けられるようにしなければならない。
個々の診療や介護サービスの報酬の配分を決める議論が年明けから本格化する。制度の持続可能性を高めるため、大胆な改革が必要だ。

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