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【17.12.13】 リニア中央新幹線工事に入札不正

リニア不正受注 巨大事業の裏で何があったか 読売12月13日

巨大プロジェクトが、不正の温床になっているのだろうか。
東京地検特捜部が、大手ゼネコン「大林組」の本社を捜索した。リニア中央新幹線の建設工事を巡る偽計業務妨害容疑だ。発注元のJR東海の業務を受注調整で妨害した疑いが持たれている。
対象は、名古屋市内の非常口建設工事の入札だ。大林組など3社の共同企業体(JV)が約90億円で受注した。大林組は、他の入札参加企業に「うちに取らせてほしい」などと要請したとされる。
あえて高い見積額を提示して、大林組の受注に協力した参加企業もあったとみられる。
事実だとすれば、企業倫理にもとるやり取りである。大林組は、入札参加企業に受注希望を伝えたことは認めているものの、「受注調整まではしていない」と、容疑を否定しているという。
事件の全容解明のため、特捜部には徹底捜査が求められる。
リニア中央新幹線は、東京―大阪間を1時間余りで結ぶ事業だ。総工費は9兆円に上る。JR東海は2027年に東京―名古屋間の先行開業を目指している。
工事契約は、JR東海と建設会社間で結ばれている。公契約関係競売入札妨害ではなく、偽計業務妨害の容疑で特捜部が捜索したのは、民間契約であるためだ。
公共工事でなくても、不正な受注調整は、法令順守の観点から許されない。公正な競争が妨げられれば、工事価格が跳ね上がる。最終的には、運賃面で利用者の負担増につながりかねない。
大林組では07年に、大阪府枚方市発注の建設工事で顧問らが競売入札妨害罪で起訴されるなど、事件が相次ぎ、社長が辞任した。
反省を踏まえ、定款に「入札の公正、公平を阻害する行為を一切行わない」と盛り込んだ。果たして徹底されていたのか。
リニア工事で契約済みの22件の工事のうち、大林組を含む4大ゼネコンのJVが計15件を受注している。各JVが3〜4件ずつ受注しているのは、不自然に映る。
20年東京五輪に伴う建設需要が一服した後も、リニアの建設工事は続く。ゼネコン各社にとって、魅力的な事業であることは間違いない。捜査は、今後の契約に対する警鐘だとも言えよう。
JR東海の担当者が、工事費の情報を漏らした疑いも浮上している。JR東海は、適正な契約だったかどうかを調査する社内委員会を設置した。事業主体として、捜査にも積極的に協力すべきだ。

日本共産党は、今世紀最大の自然環境、生活環境の破壊となるなどのことから、リニア中央新幹線建設に反対しています。

【リニア中央新幹線工事に入札不正か】
東京地検特捜部が「偽計業務妨害」容疑で、大手ゼネコン「大林組」の本社などを家宅捜索した。「大林組」はJR東海から、共同企業体(JV)で受注している。
【「大林組」、受注調整か】
「大林組」が競合他社と個別に受注調整した疑いがあるとみて調べている。
民間業者が発注する事業で、複数の業者が事前に話し合い、受注予定者を決める談合行為は独禁法違反に問われる。
JR東海は、これまでに22件の工事をゼネコン各社と契約している。
「大林組」の共同企業体(JV)(戸田建設、JR東海建設と組む)は、4件を受注しており、他の工事では清水建設、鹿島建設、大成建設といった大手のJV等が受注している。
【JR東海側 漏洩か】
発注元のJR東海社員が、工事費用に関する情報を大林組側に漏らした疑いのある事が分った。特捜部は、大林組が情報を基に入札に参加した結果、各社で競争した場合よりも高値で契約になった可能性があるとみている。


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