活動日誌−活動日誌

【17.11.03】 きょうは「文化の日」です。

赤旗は、「自由と平和を愛し、文化をすすめる」原点を訴え、11月3日を「明治の日」に変えようとする動き(余り知られていないのではないか)に反対

日本国憲法公布(1946年)にちなんで、48年に「自由と平和を愛し、文化をすすめる」日として制定されました(祝日法第2条)。この原点に立ち返ることが、今ほど求められるときはありません。
今年6月、国会で「文化芸術振興基本法」が16年ぶりに全会一致で改正され、「文化芸術基本法」になりました。その前文で「我が国の文化芸術の振興を図るためには、文化芸術の礎たる表現の自由の重要性を深く認識し」と、初めて「表現の自由」が明記されたことには大きな意義があります。
日本共産党は、改正案提出をすすめた超党派の文化芸術振興議員連盟の協議で、憲法21条の「表現の自由」やユネスコの「芸術家の地位に関する勧告」をふまえ、「表現の自由」の明記をくり返し主張し、それが実を結びました。
他方、立憲主義を破壊する安倍政権の暴走のもとで「表現の自由」が脅かされ、芸術・文化の創造活動に影を落としています。
先の通常国会で、国民の思想や内心の自由を侵害する「共謀罪」法が強行されました。これにたいして日本ペンクラブや日本劇作家協会、日本映画監督協会をはじめ、多くの芸術団体や芸術家・文化人が批判の声を上げました。国連人権理事会からも「表現の自由に過度の制限をされる可能性がある」(ジョセフ・ケナタッチ特別報告者)と指摘されています。
2013年に強行された特定秘密保護法も、国民の言論・報道の自由や「知る権利」を脅かすものです。「ジャーナリストとその情報源に刑罰を科す危険性にさらしている」(デビッド・ケイ国連人権理事会特別報告者)という批判が寄せられています。
近年、各地の美術館や公民館などの公共施設で、創作物の発表を正当な理由なく拒否するなど「表現の自由」への侵害が相次いでいることも重大です。今年4月には群馬県立近代美術館で朝鮮人強制連行追悼碑をモチーフにした作品が撤去を強いられました。
こうした動きは芸術・文化の自由な創造活動を萎縮させるだけです。憲法違反の特定秘密保護法や「共謀罪」法を廃止し、文化芸術基本法が明記した「表現の自由」を守り、生かしていくたたかいはいっそう重要になっています。
「文化の日」をめぐって見過ごせないのは、改憲右翼団体「日本会議」などが、明治天皇の誕生日を祝った戦前の「明治節」にならって、11月3日を「明治の日」に変えようとしていることです。明治維新から150年にあたる来年をその節目と位置づけています。昨年の「明治の日推進協議会」の集会で、自民党の古屋圭司衆院議員は「明治の時代こそ大切だったとすべての日本人が振り返る日にしたい」と述べました。
戦前の「明治節」は、学校で子どもたちに「亜細亜の東日出づるところ 聖の君の現れまして」で始まる歌を斉唱させ、天皇絶対の大日本帝国憲法をあがめ、教育勅語を守れと徹底する日でした。
「明治節」の復活は、日本国憲法の国民主権の原則とは相いれません。日本共産党は「文化の日」を「明治の日」に変える企てに反対し、広範な市民や文化人・学者の方々と力をあわせます。

毎日新聞は、文化の日の改称運動を「復古主義と重なる危うさ」と  

今日は文化の日。
現行憲法が71年前に公布された日でもある。
戦前の11月3日は「明治節」と呼ばれる祝日だった。明治天皇の誕生日に由来する。
戦後に名称が変わったのは、新憲法制定時の首相、吉田茂がこの日を公布日に選んだためだ。公布から半年後の5月3日が自動的に憲法の施行日になり、両日はともに憲法を母体とする祝日になった。
ところが、数年前から11月3日を「明治の日」に改称させるための政治活動が目立ち始めた。2011年に結成された明治の日推進協議会には、右派団体「日本会議」系の人びとが数多く名を連ねている。
見過ごせないのは、安倍首相と思想・信条が近い政治家が積極的に運動を後押ししていることだ。
稲田元防衛相は先週末に開かれた関連のシンポジウムに対し「私も明治の日創設の法律化に向け、同志の皆様と手を携えて全力を尽くします」とのメッセージを寄せた。
古屋圭司衆院議運委員長(自民)も主要な応援メンバーだ。昨年は代表して明治の日実現を求める60万筆余りの署名簿を受け取っている。
なぜ彼らはこれほどまで明治の日の制定にこだわるのか。
推進協議会は、祝日法が文化の日の意義として示している「自由・平和・文化」について「特定の一日とあえて結びつける必要があるのか」と疑問を投げかけている。
ただ、それ以上に活動を支えるのは現行憲法に対する拒絶感だ。すなわち憲法は占領軍による「押しつけ」だから、憲法と密接な文化の日も葬り去りたいのではないか。
憲法改正による戦後レジームからの脱却を訴えてきた安倍首相らの考え方と根っこは同じであろう。明治時代への漠としたノスタルジーや戦前回帰の感覚がそこに連なる。
衆院選で勝利した首相の最終目標が改憲であることは間違いない。しかも、来年は明治維新から150年の節目であるため、首相は「明治の精神」に学ぶ機運と改憲を絡めて盛り上げようとする可能性がある。
時代の変化に憲法を適合させることは大事だ。しかし、明治の日制定運動につきまとう復古主義的な発想から出発する限り、まともな憲法議論にはなり得ないだろう。

中日新聞は、憲法公布71年と「平和」を訴える

71年前の今日、日本国憲法が公布された。それが今や自民党の9条改憲論で揺さぶられる。平和主義がこの憲法の大価値観であることを確かめたい。
日本国憲法では国民の権利などを定めた第3章の前、第2章に戦争放棄が置かれている。
天皇が第1章であるから、日本国憲法の特徴をよく表した順に書かれていると説明されることが多い。だが、憲法学者の杉原泰雄一橋大学名誉教授は違う解釈をしている。なぜ権利より戦争放棄が先なのか。杉原氏が子ども向けに書いた「憲法読本」(岩波ジュニア新書)でこう説明する。
「戦争は国民を殺す」
<伝統的には、軍隊と戦争は、外国の侵略から国家の独立と国民の基本的人権を守るための手段だと考えられてきました>
<明治憲法下の戦争は、一般の国民にも他の諸民族にもたいへんな損害と苦痛をあたえました。そして、とくに広島と長崎の経験は、戦争が国家の独立と国民の基本的人権を守るものではなく、国民を皆殺しとするものに変質したことをはっきりと示すものでした>
太平洋戦争だけでも、死者・行方不明者は300万人を超え、沖縄では県民の3分の1が殺された。広島・長崎での犠牲は言うまでもない。アジア諸国の犠牲も…。
戦争をしては人権を守るどころか、人命や財産まで根こそぎ奪われてしまう。平和なしには基本的人権の保障もありえない。そんな思想が憲法にあるというわけだ。
一つの見方、解釈である。しかし、深い悔悟を経て自然に出てくる見方であり、さらに将来への約束でもあるだろう。
このことは憲法前文からも読み取れる。平和主義が大きな価値観として書かれているからだ。短い文章の中に「平和」の文字が次々と現れる。
前文に「平和」の星々が
<日本国民は、恒久の平和を念願し…><平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して…><われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しよう…><平和のうちに生存する権利を有する>
かつ前文は民主主義や国民主権、平和主義を「子孫のために」や「恒久の」「永遠に」などの言葉を尽くし、将来にわたり保障されることを誓う。人類普遍の原理に基づくから、「これに反する一切の憲法(中略)を排除する」とも明確に述べている。
だから、この原理に反する憲法改正論は当然、許されない。平和主義もまた、それを打ち壊してはならないと考える。
他国の憲法にも変えられない部分は当然存在する。例えば、ドイツ憲法はナチスの反省から国民主権と人権の改正は行えないし、フランス憲法では共和国制の改変はできないなどと書き込んでいる。
日本国憲法でも基本的人権については「侵すことのできない永久の権利」と記す。平和主義も前文を読む限り同等であろう。つまり原理として書かれているのではないか。
自民党は9条に「自衛隊明記」の改憲論を打ち出している。まだ具体案が見えないが、単なる明記で済むのか。戦力不保持と交戦権否認との矛盾が問われ、論争が再燃しよう。何せ違憲とされる「集団的自衛権行使」ができる自衛隊に変質している。
それだけでない。憲法に書かれる機関は、天皇、内閣、国会、裁判所、会計検査院である。そこに自衛隊が加われば格上げは必至で防衛費は膨らむだろう。
今や核兵器保有論者さえも存在する。周辺国の脅威を喧伝すれば、なおさら日本が軍拡路線を進み出し、軍事大国への道になりはしないか。それは憲法が許容する世界ではあるまい。平和主義からの逸脱であろう。「自衛隊明記」の先には戦争が待ってはいないか、それを強く懸念する。
今はやはり憲法前文が掲げる原点に立ち返って考えるべきときなのではなかろうか。
吉田茂内閣で憲法担当大臣だった金森徳次郎は、70年前の憲法施行日に東京新聞(現在の中日新聞東京本社)の紙面で、日本国憲法の本質を寄稿している。名古屋市出身で旧制愛知一中から東京帝大、大蔵省を経て法制局長官。戦時中は失職したが終戦後、貴族院議員に勅任された人物である。
必要なのは皆の英知
<今後の政治は天から降ってくる政治ではなく国民が自分の考えで組み立ててゆく政治である。国民が愚かであれば愚かな政治ができ、わがままならわがままな政治ができるのであって、国民はいわば種まきをする立場にあるのであるから、悪い種をまいて、収穫のときに驚くようなことがあってはならない>
一人一人の英知がいるときだ。

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