活動日誌−活動日誌

【17.06.29】 朝日・毎日・中日の三紙としんぶん赤旗が要求

安倍首相は稲田防衛大臣を罷免せよ

稲田防衛相 首相は直ちに罷免せよ (朝日社説)
耳を疑う発言が、また稲田防衛相から飛び出した。
おととい夕方、東京都議選の自民党公認候補の応援演説で、「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と語ったのだ。
憲法15条は「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」と定めている。
その趣旨も踏まえ、公職選挙法は、公務員がその地位を利用して選挙運動をすることを禁じている。
また、自衛隊法と同法施行令では、自衛隊員の政治的行為が制限され、地方自治体の議員選挙などで特定候補を支持することが禁じられている。隊員ではないが、自衛隊を指揮監督する防衛相が「防衛省、自衛隊として」投票を呼びかけることが、隊員の目にどう映るのか。
有権者には、閣僚の地位を利用した選挙運動としか見えない。防衛省・自衛隊が組織ぐるみで特定候補を支援していると受け止められても仕方がない。
行政機関はその権限を、あくまで国民全体のために使うよう与えられている。まして実力組織である自衛隊は、とりわけ高い中立性が求められる。
閣僚が選挙応援に立つこと自体はよくある。だがその場合、閣僚の職責の重さをふまえ、言動には気を配るべきものだ。そんな「常識」すら、稲田氏には通用しないのか。
信じられないのは、稲田氏をかばう安倍政権の姿勢だ。
菅官房長官はきのうの記者会見で「今後とも誠実に職務を果たして頂きたい」と擁護した。だが稲田氏の問題発言は他にも枚挙にいとまがない。
南スーダンの国連平和維持活動について、現地部隊の日報にも記されていた「戦闘」を「衝突」と言い換え、「憲法9条上の問題になる言葉は使うべきではない」と述べた。
森友学園の問題でも、代理人弁護士を務めた事実を否定したが、翌日に撤回。「自分の記憶に自信があったので確認せず答弁した」と語った。
憲法や国会を軽視した、閣僚としてあるまじき発言だ。
稲田氏は今回も「誤解を招きかねない」と撤回したが、語った事実は消えないし、そもそも誤解を生む余地などない。
一連の言動は政権全体の問題でもある。とりわけ政治思想や歴史認識が近い稲田氏を、一貫して重用してきた安倍首相の責任は重大だ。
首相は稲田氏を直ちに罷免すべきだ。それが任命権者の責任の取り方である。

稲田氏「自衛隊としてお願い」 自覚の乏しさにあきれる(毎日社説) 
防衛相としての立場を自覚しているとは思えない。
稲田防衛相が東京都議選の自民党候補の応援集会で「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いをしたい」と演説で述べた。
自衛隊を率いる防衛相が組織ぐるみで特定候補を支援するかのような発言である。
行政の中立性をゆがめ、自衛隊の政治利用が疑われる不適切な内容だ。後に撤回したが、それで済む問題ではない。
自衛隊は約23万人を擁する実力組織である。国防や災害派遣は国民から負託された任務であり、憲法の規定に準拠して、自衛隊員は「国民全体の奉仕者」とされる。
だからこそ自衛隊法61条は国民の信頼が確保できるよう、自衛隊員の政治的行為を、選挙権の行使を除いて制限しているのだ。
稲田氏は法律を扱う弁護士でもある。しかし、自衛隊を統括する閣僚として、こうした自明の法的規範を理解していると言えるだろうか。
「防衛相」という地位を明確にして「自衛隊としてお願いしたい」と支援を求めれば、自衛隊の政治利用だと指摘されるのは当然だろう。
稲田氏の発言は、公務員の地位を利用した選挙運動を禁止する公職選挙法136条の2に抵触するおそれもある。公務員には特別職の国家公務員である閣僚も含まれる。
自衛隊は命令系統が明確だ。その責任者が自衛隊法に抵触する政治的行為を促すようなことは厳に慎むべきだ。自衛隊の信用も傷つける。
稲田氏にはこれまでも問題視される言動があった。自衛隊が派遣された南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)を巡って「武力衝突はあったが、法的な意味での戦闘行為ではない」と強弁し、批判された。
学校法人「森友学園」の弁護士活動では国会答弁で否定しながら後に撤回した。それでも「虚偽の答弁をした認識はない」と釈明し続けた。
稲田氏は今回の発言を「誤解を招きかねない」と撤回したが、自発的ではなく菅官房長官に促された結果だったという。
こうした稲田氏を安倍首相は一貫して擁護してきた。その姿勢が、無責任な閣僚の発言がとまらない要因になっているのではないか。

防衛相発言 不問に付せぬ政治利用(中日社説)
 撤回すれば済むという話でもあるまい。稲田防衛相が東京都議選の応援で「防衛省・自衛隊として」自民党候補を支援するよう呼び掛けた。行政の中立性を逸脱する触法行為にほかならない。
法律に従って「政治的中立」を順守している防衛省職員、自衛隊員にとっては、迷惑極まりない発言だったのではないか。
稲田氏は東京都板橋区で開かれた都議選の自民党候補を応援する集会で演説し「ぜひ当選、お願いしたい。防衛省・自衛隊、防衛相、自民党としてもお願いしたい」と呼び掛けた。
板橋区の隣の練馬区には、陸上自衛隊の東部方面総監部や第一師団が置かれており、多くの隊員らが勤務する。その存在感を背景に自民党候補の当選に向けた支援を防衛省・自衛隊の組織として働き掛けているかのような発言だ。
自衛隊を政治利用し、行政の政治的中立性を著しく逸脱する不問に付せない発言である。
後に、稲田氏本人が認めたように「防衛省・自衛隊に限らず、政府機関は政治的に中立で、特定の候補を応援するのはありえない」のは当然であり、それらは法律にも明記されている。
弁護士出身である稲田氏がそんな基礎的知識を欠いたまま、自衛隊を率いていたとしたら、驚きを超え、危うさすら感じる。
軍隊や軍人は政治に関与せず、文民の統制に服するのが、近代国家の要諦だ。自衛隊は軍隊でないが、火力を有する実力組織である以上、政治に関与しないのは当然である。防衛相として不適格で、安倍首相は罷免すべきだ。
にもかかわらず、政権中枢はなぜ、稲田氏をかばうのか。首相に関係が近いからか、稲田氏辞任が他の閣僚の進退にも波及し、政権の体力を奪うと恐れるからか。
安倍首相は国会演説で、自衛隊員らをたたえるため、起立して拍手するよう議員に促したことがある。自衛隊の存在を憲法に明記する憲法改正を提唱し、これに謝意を表明した自衛隊最高幹部の政治的発言を不問に付したこともある。
稲田氏発言の背景に、自衛隊重視の姿勢を吹聴して支持を広げたり、民主主義の基本原理や手続きへの理解を欠く政権の体質があるとしたら根は深い。
憲法15条は「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」と定める。防衛省・自衛隊を含めてすべての公務員を、自民党だけのために政治利用すべきではない。

稲田氏、自衛隊発言 実力組織を選挙利用する異常(しんぶん赤旗主張) 

稲田防衛相が憲法や法律をわきまえず、常識さえ持ち合わせていないことを示す異常な発言を行いました。東京都議選(7月2日投票)の自民党候補を応援する演説で「防衛省・自衛隊としてお願いしたい」と呼び掛けたのです。憲法15条の行政の中立性や、自衛隊法61条の隊員の政治活動の制限などに反することはもちろん、民主主義社会の在り方からも許されない暴言です。自衛隊という実力組織が特定政党の支援に動き出せば、危険な社会になるのは明らかです。稲田氏は防衛大臣を即刻辞任すべきであり、安倍首相の任命責任は重大です。
稲田氏は27日夜、都内の自衛隊駐屯地近くで開かれた自民党都議選候補の集会で「当選をお願いしたい。防衛省・自衛隊、防衛相、自民党としてもお願いしたい」と訴えました。文字通り、稲田氏を先頭に防衛省と自衛隊が組織を挙げて自民党候補者を支援することを表明したものです。
武力を持った実力組織である自衛隊が特定政党の為に挙げて選挙の支援に乗り出す事は、国民主権や民主主義にとって危険極まる事です。そんな最低限の事すら理解しない稲田氏が自衛隊を指揮・監督する防衛相の職にいること自体が大問題です。
稲田氏は27日深夜になって「誤解を招きかねず、撤回したい」と弁明しつつ、「これからもしっかりと職務を全うしたい」と述べ、辞任を否定しました。菅官房長官も28日の記者会見で稲田氏をかばいだてしました。
憲法15条は、「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」と規定しています。公職選挙法は、公務員が「その地位を利用して選挙運動をすることができない」(136条の2)と定めています。
自衛隊員も、自衛隊法で政治的行為が厳しく制限され(61条)、同法施行令で「地方公共団体の議会の議員」選挙において「特定の候補者を支持」するため「公私の影響力を利用する」ことが禁じられています。(86条・87条)
稲田氏が発言を撤回すれば済む話では決してありません。
そもそも稲田氏は、南スーダンPKO(国連平和維持活動)に派兵されていた陸上自衛隊部隊の「日報」隠しや、学校法人「森友学園」疑惑をめぐり、問題発言を繰り返し、野党が辞任要求を突きつけてきた閣僚の一人です。
「日報」問題では、稲田氏が陸自内で「廃棄」されたと述べていた「日報」のデータが陸自内で保管されていたことが判明し、虚偽答弁だった疑いは深まっています。「森友学園」との関係でも、顧問弁護士だったことがあるのに国会で否定する虚偽の答弁をし、撤回・謝罪に追い込まれています。資格のなさは明白です。
稲田氏を防衛相に据えてきた首相の責任が厳しく問われます。
首相自身、憲法に自衛隊の「意義と役割」を明記する自民党改憲案を秋の臨時国会に提出するという憲法擁護尊重義務(憲法99条)に反する発言をしたことに無反省です。憲法を敵視する安倍政権の異常な体質が稲田氏らの暴言の大本にあることは明らかです。
 安倍暴走政治を許さない都議選での審判がいよいよ重要です。

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