活動日誌−活動日誌
【17.05.26】 「第４０回市町村議会 議員研修会in神戸」報告−１
記念講演 「自然災害への備え」―事前復興政策と受援力を考える
西堀 喜久夫 愛知大学大学院文学研究科、地域政策学部教授
これまでの自然災害対策は、日常の対策と起こった時の対応が不十分でした。そうした状況を改善していくために、災害を想定し現実的な対応力を高めていく「事前復興」の考え方とその方法、地域や自治体ができることとできないことを明確にする「受援力」の考え方と方法を提案。
（１） 地震災害―自然と人間社会
自然災害は、自然の変動によって人間社会が物理的に打撃を受け、人的・経済的社会的に損失を受ける事。
自然災害の被害者は社会的弱者・経済的弱者に集中、被災社会の社会的、経済的力を弱める。
大災害となるかどうかは、社会のあり方に規定されている。
歴史的経験から教訓を引き出しながら、防災・減災、起こった場合への備えをしていくことが重要。
（２） 東日本大震災地域連携と広域支援の発展
阪神・淡路大震災 ボランティア元年、東日本大震災 水平支援元年
災害発生後の対応の時期分類とその期間
Ａ．緊急対応期 a 救命・救助期 被災直後〜３日 b 避難期 ３〜７日 c 安否確認期 ８日〜１ヵ月
Ｂ．緊急援助期 １ヵ月〜３ヵ月
Ｃ．仮説復旧期 ３ヵ月〜半年
Ｄ．復興準備期 半年〜１年
Ｅ．復興推進期 １年〜
（３） 事前復興計画
事前復興とは、日頃の地域のまちづくり運動とまちづくり計画の中にあり、その総合されたものが自治体の事前復興計画である。
�� 被災後に進める復興対策の手順や進め方を事前に講じておく
�� 復興における将来目標像を事前に設定しておく
�� 被災後の復興計画の困難さを考えると、事前に復興まちづくりを準備しておくことこそ、究極の事前復興である。（中林一樹明大教授）
（４） 政府の地域強靭化計画の取組
国土強靭化基本法（２０１３年１２月）
【意図】国の責任、脆弱性評価、７２時間以内の対応に集中
【特徴】脆弱性評価とリスクシナリオ、減災、７２時間対応
（５） 豊橋市地域強靭化計画の事例紹介
�� 地域強靭化計画の策定組織
�� 検討委員会の運営
�� 策定された豊橋市地域強靭化計画のポイント
a) 災害対応の基本目標（生命を最大限守る、重要な機能の維持、２次災害を発生させない、迅速な復旧・復興）
b) 強靭化を進める上での留意事項（６点）
c) 事前に備えるべき目標（８点）
d) 起きてはならない最悪の事態（リスクシナリオ）と対応施策
e) 達成時期の明示
（６） 地域防災計画と地域強靭化計画との関係、及び事前復興政策との関係
この計画づくりを活用しながら充実させていくことが事前復興政策に繋がっていく
（７） 自治体の自立性を高める受援力を磨く
�� 「受援力」の意味する事
支援を受ける体制を被災地が整えていなければ、せっかくの支援も効果が減殺されてしまう
自立している自治体とは、自らできる事と支援を受けることを明確にしている事、そしてその内容を行政・市民が具体的に認識している事。
�� 「受援力」を高める
a) 災害対策本部の中に応援受け入れ本部ないし担当者を置く
b) 受援シートを作成し、受援計画を立てる
c) コミュニティや団体でも受援計画をつくる
【疑問点等】
１、 何故、計画がつくられていないのか
２、 観光客の対応は
３、 ワークショップを
４、 福祉避難所
５、 地域のインフラ関連企業は
６、 支援は押しかけていく、市長に職員派遣はできるのか
７、 議会は何をするのか
今後検討していきたい。
