活動日誌−活動日誌

【17.05.04】 今日の「しんぶん赤旗」から、昨日の憲法記念日に関連して3題

1、5・3憲法集会での志位委員長の挨拶

変えるべきは憲法でなく、憲法を蔑ろにした政治
皆さん、今日は。日本共産党の志位和夫です。心からの連帯の挨拶を送ります。
日本国憲法施行から70年。一部から「70年たつのに憲法を変えていないのはおかしい」という声が聞こえてきます。しかし、70年間、変える必要がなかったというのは、日本国憲法がいかに立派な、進んだ憲法であるかを証明するものではないでしょうか。変えるべきは憲法ではなく、憲法をないがしろにした政治ではないでしょうか。

安保法制=戦争法発動に強く抗議――対話と交渉による解決を働きかけよ
その最たるものは、安保法制=「戦争法」です。
北朝鮮の核・ミサイル開発は断じて容認できません。同時に、その解決の方法は、外交的解決しかありません。破滅を招く軍事力行使は絶対にやってはなりません。
この点で、この機に乗じて、安倍政権が、安保法制=「戦争法」を初めて発動し、米艦防護を実施したことは、きわめて重大です。それは地域の軍事対軍事の緊張をさらに加速するものです。さらに万一、トランプ政権が軍事攻撃に踏み切った場合、自衛隊が自動的に参戦することになります。日本がなすべきは、米国追随の軍事的対応ではなく、憲法9条をもつ国として、対話と交渉による解決を働きかけることではないでしょうか。憲法違反の安保法制=「戦争法」を廃止しようではありませんか。

「共謀罪」法案を必ず廃案に――憲法19条に反する違憲立法であることは明瞭
さらに「共謀罪」法案です。
その最大の問題は、何を考え、何を合意したか――内心を処罰するということにあります。政府は、「実行準備行為が行われて初めて処罰するもので、内心を処罰するものではない」と弁解します。しかし、「実行準備行為というが、花見と犯行の下見をどう区別するのか」と問われて、窮した政府は「ビールと弁当を持っていたら花見、地図と双眼鏡を持っていたら犯行の下見」と答弁しました。内心を処罰するという本質をごまかそうとするから、こういう荒唐無稽な答弁になっていくのです。内心の自由を保障した憲法19条に反する違憲立法であることは、いまや明瞭ではありませんか。
自由な社会を窒息させ、モノ言えぬ監視社会をつくる「共謀罪」法案を、必ず廃案に追い込もうではありませんか。

沖縄への強権――憲法の「適用外」におく無法を許してはならない
さらに沖縄への強権です。
安倍政権が、名護市辺野古の新基地建設に向けた護岸工事に着手したことは、断じて許すことはできません。
沖縄が、日本国憲法が保障した民主主義、地方自治、法治主義、そして個人の尊厳の「適用外」とされている。これは日本という国のあり方が問われる大問題ではないでしょうか。「決してあきらめない」という断固たる決意で頑張っている沖縄県民に連帯した闘いを全国で起こそうではありませんか。

野党と市民の共闘を発展させ、憲法の先駆的輝きを生かした新しい日本を
きょうは4野党・1会派の代表がそろいました。野党と市民の共闘を発展させ、総選挙に勝ち、安倍政権を倒し、日本国憲法の先駆的な輝きを生かした新しい日本をつくろうではありませんか。

2、安倍首相の9条改定発言を批判

日本共産党の志位委員長は3日、東京都内で開かれた憲法集会の会場で、記者団から、安倍首相が一部メディアで、「自衛隊を合憲化することが使命」だとして、2020年の施行を目指し憲法9条改定に取り組むと表明したことへの受け止めを問われ、次のように答えました。

志位委員長の一問一答
―安倍首相が2020年の施行に向けて憲法改定をめざすと表明しましたが、受け止めをお聞かせください。
志位 これはきわめて重大な表明です。とりわけ憲法9条を改定して自衛隊について書き込むという中身になっています。
首相は「自衛隊を合憲化することが使命」と言っていますが、まず、こうなると、自衛隊について違憲と考えているのかという疑問がでてきます。違憲だからこそ「合憲化する」ということになるわけで、根本的に自衛隊に対する憲法的立脚点が問われる発言です。
ただ、一番の危険は、憲法9条に自衛隊について書き込んだとたんに、海外での武力行使が文字通り無制限になる大変に重大な改悪になっていくということです。絶対に許さない闘いを大いに強めたいと思います。

―安倍首相は、憲法上、立場が明確でない自衛隊を明文化したいだけだと説明するのではないでしょうか。
志位 自衛隊の存在をただ追認するだけにはならないんですよ。戦後、政府は、憲法9条2項によって、日本は戦力を持てないが、「必要最小限の自衛の措置は持てる」と言って自衛隊を合憲とする論を立ててきました。そしてこのことからくる必然的な帰結として、海外派兵、集団的自衛権、武力行使を目的とする国連軍への参加はできないとしてきました。
この政府の立場は、安保法制=「戦争法」によって大幅に変更され、集団的自衛権を「合憲化」するという立憲主義の破壊が行われました。しかしそれでも、海外での武力行使が全面的に可能になったわけではありません。安保法制の審議の際にも、首相は「アフガニスタン戦争やイラク戦争のような武力行使を目的にした戦闘に自衛隊を出すことは決してない」ということを繰り返しました。アフガン戦争やイラク戦争のように、安保法制でいう「存立危機事態」でも説明のつかないような戦争の場合、武力行使の目的をもって、海外に武装した部隊を派兵することは、安保法制のもとでもできないということが建前なのです。
ところが憲法9条に自衛隊を書き込んでしまうと、そのとたんに、全く自由に、何の制約もなく、海外での武力行使が出来るようになる。ここに一番の危険があります。
安倍首相は、「自衛隊の存在を憲法に書くだけだ」と言うでしょうが、それはたんに自衛隊の存在を追認するにとどまらない。憲法に自衛隊の存在を書いたとたんに海外での武力行使が文字通り無制限となる。ここにことの本質があるのです。

―安倍首相が憲法問題でこういう発言をしたことはどういう動機からだと考えますか。
志位 安倍首相には、大変なおごりを感じますね。しかし、国民世論との関係では、どの世論調査をみても憲法9条を変えるべきではないが6割前後と多数です。首相が憲法9条を変えるといってもそうやすやすとはいかない。必ず阻止します。

―次期衆院選において、4野党は安倍政権の憲法改定を争点とする事になりますか。
志位 野党4党では憲法についてはそれぞれの立場がありますが、「安倍政権のもとでの憲法改悪に反対する」ことは党首間で繰り返し合意しています。
安倍政権は安保法制=「戦争法」を強行し、立憲主義を壊す暴挙を行いました。この政権のもとでの憲法改悪などもってのほかだという点で4党は一致しています。4野党はこの点を押し出して選挙を闘うことになると思います。
それから、先月の4野党の書記局長・幹事長会談で、「共謀罪」法案の廃案、「森友」疑惑の徹底究明、辺野古新基地でも民意を踏みにじる政府の姿勢に反対する、そして次期総選挙の選挙協力の具体化を加速することを合意したことは大変に重要です。総選挙にむけた選挙協力の体制をできるだけ早くつくっていきたい。

3、NHK「憲法記念日特集」での小池書記局長の発言

(ちょっと長いですが、小池書記局長の発言部分だけ)

施行70年を迎え―憲法に背く政治でなく、先駆的値打ちが全面的に生きる政治に
冒頭、各党が憲法に対する基本的立場をフリップに書いて発言。小池氏は「憲法の全条項を守り、憲法を生かす政治へ」とフリップに書き、発言しました。
小池 安倍首相は“憲法は国の理想を示す”とおっしゃっているんですが、理想はずっと棚上げにされてきたと思います。
憲法9条という、世界で最も進んだ恒久平和主義の条項も、あるいは個人の尊厳、両性の平等、生存権の保障といった30条にわたる豊かな人権規定も、自民党政治のもとでないがしろにされてきました。民意を無視した沖縄での新基地建設強行のように、地方自治も踏みにじられてきたと思います。施行から70年で続いてきたのは、憲法に背く政治だといわざるをえません。
いまの日本に必要なのは、この憲法を変えることではない。憲法が目指した政治を実現することだと思います。憲法の先駆的な値打ちが全面的に生きるような日本に改革していくことが必要だと思います。

立憲主義を考える―憲法解釈を一内閣で覆す暴走、自民改憲案は撤回を
小池 保岡さんがおっしゃったとおりで、立憲主義の基本は権力の暴走から基本的人権を守るということじゃないですか。そのために、憲法は最高法規と定められているし、憲法擁護義務がわれわれ国会議員も大臣もみんなあるわけです。だから、歴代政府が積み重ねてきた憲法解釈を一内閣の閣議決定でひっくり返した、集団的自衛権行使容認の閣議決定は、立憲主義を脅かすということじゃありませんか。「戦争法」=安保法制もしかりであります。
それから、あの自民党の改憲草案はなんなんですか。あれはまさに基本的人権の制約ということがちりばめられている。「公益及び公の秩序」の名で人権制約ができるようになっています。あとで議論になりますけど、緊急事態条項もしかりであります。
結局、立憲主義が大事だと保岡さんがおっしゃるのであれば、私はあの自民党の改憲草案は撤回すべきだと思いますよ。それから、「戦争法」=安保法制は廃止をして立憲主義を回復する。これが出発点だと思います。
持ち出す政府見解の中身は「集団的自衛権は行使できない」というもの
小池 憲法の原則ですから、そこは一致しているのは間違いないと思うんです。ただ、なんでこの立憲主義ということにこれだけ注目が集まったのか。
一つは、やっぱり安保法制だと思うんです。安全保障政策に対する考え方の違いを超えて、最高法規である憲法が数の力で踏みにじられていいのかという怒りですよ。だから、あれだけ、反対の世論が広がったと思うんです。そこは、与党はしっかり受け止めるべきですよ。
もう一つは、あの自民党の改憲草案です。先ほど、“野党との交渉の材料だ”と(発言されましたが)、そんなことないでしょう。公式な提案として出されているわけですよ。あれを読めば、まさに近代の憲法の大原則がひっくり返るようなもので、「憲法」といえませんよ。基本的人権は制約できる、97条の「基本的人権は侵すことのできない永久の権利」を削除しているわけですよ。ああいう時代錯誤的な、本当に近代の憲法をひっくり返すような提案をしているから、これだけ立憲主義ということに注目が集まっている。権力の暴走から基本的人権を守り抜く、個人の人権を守るという原則があるんだったら、僕はやっぱりあの(自民党改憲案の)提案は撤回してほしいと思います。
小池 自衛隊は憲法違反ですよ。
小池 自衛隊は憲法9条の文言から照らせば相いれない存在であるのは、憲法学的にもはっきりしています。
小池 立場が違いますよ。ただ、そうであっても、やはり海外での戦争はしないということを一貫してやってきた。昭和47年見解は、集団的自衛権は行使できないという政府見解じゃないですか。それを使って合憲だというのはおかしい。

「緊急事態条項」―三権分立の切り捨てで独裁政治に百害あって一利なし
小池 (保岡氏は)“自民党改憲案にいつまでもこだわるな”とおっしゃるんですけど、昨年7月に安倍首相は、“これをベースにする”とおっしゃっていますから、こだわらざるをえない。
これをみると、首相が国会に諮らずに「緊急事態」を宣言できるわけですね。法律と同等の政令を内閣が出せる。これは三権分立の停止ですよ。内閣に権力を集中して、基本的人権を制約する、これは独裁政治につながります。だから、(衆院憲法審査会で行われた今年3月の)参考人質疑でも、3人の参考人全員が危険性を指摘しているんです。
実際に、東日本大震災の自治体の首長アンケートでも、「緊急事態条項」がなかったから人命救助に支障をきたしたとお答えになった首長さんは一人もいないんですね。岩手県の釜石市長は“一刻を争う現場に権限を委譲すべきだ”と。確かにそうだと思うんです。災害時に重要なのは、中央政府に権限を集中することではなくて、情報も権限も思い切って現場におろすことが一番大事であって、私は国の権限を強めることは百害あって一利なしだと思います。

憲法と教育の無償化―改憲することなく予算措置でできる
小池 教育の無償化はわれわれは政策でも掲げております。やはり、幼児教育から高等教育まですべて無償化をするということは、国民の強い願いでもあるし、いま教育費負担、本当に深刻ですから、教育無償化すべきだ。
ただ、憲法は26条では「義務教育は、これを無償とする」と書いているわけで、それ以外は無償にしてはいけないとは書いていないわけですから、別に憲法を変えることなく、予算措置と法律をもってできる。逆に憲法を変えなければできないというふうにしてしまうと、これは課題を先送りすることになると思います。無償化は必要だと思いますが、改憲は必要ないと思います。

なぜ改憲ができなかったか―憲法への国民の強い支持があった
小池 自民党さんにお伺いしたいのですが、憲法が施行されて70年、自民党は結党以来、改憲を主張されてきているわけですね。しかし結党以来、改憲を主張しながらなぜ、これは実現できなかったとお考えなのか聞きたいと思うんです。
やはり、改憲のターゲットは9条だと思いますし、9条については国民の強い支持があると思います。憲法施行70周年の記念式で大島理森衆院議長が「今日の平和と繁栄の礎には、新しい日本の進むべき道を示した憲法の崇高な理念があった」と(述べています)。私もその通りだと思うんですね。やっぱりそういったものに対する国民の強い支持があって改憲できなかったと私どもは思いますが、なぜ党是である改憲が60年以上できなかったのか。

憲法9条の削除―なんの制約もなく海外での武力行使が可能に
小池 北朝鮮の核開発、ミサイル開発は断じて許せませんし、これは本当に大きな脅威となっていると思います。しかし、軍事的な挑発に軍事で対応する軍事対軍事の悪循環は避けるべきだ。
集団的自衛権行使容認の安保法制ができて、海外で、戦闘地域で、アメリカとともに武力行使ができるようになったけれども、安倍政権は9条が「まだ邪魔だ」というわけですね。これが典型的だと思ったのは、稲田防衛大臣が南スーダンでの戦闘が行われていることについて、「憲法9条上の言葉である戦闘は使うべきでないから衝突と使った」と(答弁しました)。やっぱり、憲法9条が制約になっているということだと思うんですよ。
自民党改憲案は、9条2項を削除して「国防軍」にする。そうなると、もうなんの制約もなく、海外での武力行使が可能になっていくじゃないですか。これは、憲法の恒久平和主義、憲法の大原則とまったく相いれないと思います。私は、9条に自衛隊を書き込むというのは、単に自衛隊の存在を認めるということにとどまらない、海外での武力行使を無制限でできるようにしてしまうという危険を指摘したいと思います。

野党と市民の力で「改憲3分の2議席」を崩すために頑張りたい
小池 7割近くの国民が改憲の議論は深まっていないと(回答しています)。当然だと思いますよ。
やはり憲法審査会の議論をみても、与党は改憲項目の絞り込みを狙ったんだと思いますが、思惑通り進んでいないじゃないですか。今日の議論を聞いても、憲法を変えなきゃいけないという議論に私は聞こえないですね、どこを変えるんだと、まったくはっきりしないですよ。
そういう意味でいえば、これは憲法審査会の議論を重ねれば重ねるほど、改憲の必要はないんじゃないかとなっていく。むしろ現実の政治の方を変えなければいけないんじゃないかと。これがやっぱり当然だと思います。先ほど、(保岡氏は)“3分の2がとれなかったから絶望的だった”とおっしゃいました。ますます、野党と市民が力を合わせて「(改憲勢力)3分の2」を崩していかないといけないということを、今日の議論を通じて本当にしみじみ感じましたので、頑張りたいと思います。

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