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【17.04.11】 1昨年、各都道府県、市町村の作った人口ビジョンは何だったのか。今日の朝日と毎日が人口問題に言及。

日本の総人口は2015年の1億2709万人から50年後(2065年)には8808万人に減る。2012年1月の推計では、2010年の人口1億2806万人が2060年に8700万人だった。

【朝日社説】新人口推計 政策にどう生かすか
日本の人口減少の速さや高齢化の進行度合いが、これまでの見通しより少し緩やかになる。
厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が、そんな新たな人口推計を公表した。
30〜40歳代の女性が、5年前の前回推計時の予測より、実際には多く子どもを産んでいる実態を踏まえたという。
だが、足元の出生率の改善を織り込んでも、日本の総人口は2015年の1億2709万人から50年後には8808万人に減る。総人口に占める65歳以上の割合も、26・6%から38・4%に上昇する。
日本が深刻な人口減少、超高齢社会に直面している現実に変わりはない。
厚労省は、30〜40歳代の出産増加について、保育の受け皿の整備など子育て支援策の充実が下支えになったとみる。
たしかにそうした側面はあるだろう。ただ、出生率の動きは景気の動向に連動する傾向がある。前回の推計後、景気がおおむね回復基調だったことを考えると、楽観はできない。
むしろ、20歳代の出生率は前回推計を下回り、晩産化の傾向は続いている。結婚したくても出来ない若者も少なくなく、50歳まで一度も結婚しない人の割合は上昇が見込まれている。
子育て支援にしても、働く女性の増加に保育所などの整備が追いつかず、待機児童ゼロの目標達成は先送りされた。
若者の雇用の安定と、子どもを生み、育てやすい環境の整備は、引き続き喫緊の課題だ。
もっとも、出生率が改善を続けても、効果が表れるのはずっと先だ。「団塊ジュニア」がすでに40歳代になり、親となる世代が今後は少なくなって、出生数自体も減る。人口減に合わせた社会の仕組みの見直しにも取り組まねばならない。
現役世代によって支えられている年金制度は給付減が避けられない。一方で、高齢期には医療や介護の必要度が増す。サービスの確保、負担の分かち合いなど、制度を安定させるための議論は待ったなしだ。
働き手を増やすには、女性や高齢者も働き易い職場づくりをはじめ、働き方改革の検討と実行が大切だ。海外からの人材受け入れのあり方も大きな課題になるだろう。
これからの政策と行動で、未来は変えることができる。だが人口減を目の前の危機ととらえず、対策を怠ってきた結果が、日本の現状でもある。
将来の日本の姿から何を学び、どう生かすのか。新人口推計を有効に役立てたい。

【毎日社説】日本の人口、50年後は8800万人 質量共に対策が足りない 
日本の人口は2065年に8808万人になる。国立社会保障・人口問題研究所が公表した将来推計によると、50年間で人口3割減というかつてない急坂を下ることになる。
安倍政権は「50年後も人口1億人を維持」を目標に、非正規雇用の改善、待機児童解消などに取り組んでいる。出生率だけ見ると5年前に公表された推計値より若干改善したが、長期的には焼け石に水だ。
特に深刻なのは、現役世代(15〜64歳)が4割も減ることである。支え手が先細りすると年金や医療制度が危うくなり、経済にも大きな影響をもたらすことが危惧される。
8800万人というのは1950年代と同じ水準だ。当時は現役世代10人以上が高齢者1人を支えていた。農業や自営業もまだ多く、多世代が同居して育児や介護を家族内で担っていた。老後の生活保障(年金)も要らなかった。
ところが、2065年には現役世代1・3人が高齢者1人を支える「肩車型」になる。独居の高齢者も大幅に増え、年金や介護サービスが今以上に必要になる。それを急減する現役世代が担うのである。
何をおいても、少子化対策にもっと力を入れなければならない。
生涯未婚の人は急速に増えていく見通しだ。結婚や出産をしたくても経済的に苦しくて諦めている人は多い。子育てや子供の教育にかかる負担の軽減は最重要課題だ。
政府は「働き方改革」に取り組んでいるが、非正規雇用の待遇改善に向けた政策はまだまだ足りない。現役世代に重点を置いた社会保障への大転換が求められる。
人口減少社会への備えも同時に進めなければならない。
高齢になっても心身ともに健康な人は増えている。「高齢者」は65歳以上を指すが、65歳を過ぎても働ける人や経済的に余裕のある人は「支える側」に回ってもらうべきだろう。年齢で一律に区切るのではなく、必要性に応じた社会保障制度にするための改革が重要だ。
働き手不足への対策としては、女性が出産後も安心して働き続けられる職場環境の整備、男性の育児参加をもっと進めるべきである。外国人労働者の受け入れについても本格的な検討が必要だろう。

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