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【17.01.04】 核兵器廃絶の闘い

今年は正念場「ヒバクシャ国際署名」を

 国連総会は昨年末、113カ国の圧倒的多数の賛成で、核兵器を禁止し、廃絶する条約の交渉を今年の3月と6〜7月に行う事を決議しました(反対35、棄権13)。
 安倍政権は、今回の国連決議に反対しましたが、日本共産党は、この画期的な動きを、心から歓迎し、その実現のために尽力します。
 核兵器禁止条約がどのようなものになるかは、今後の議論にかかっています。しかし、国際社会が核兵器を禁止、すなわち「違法化」することは、「核兵器のない世界」の実現への重要な一歩となることは疑いありません。
 これまでも大量破壊兵器である生物・化学兵器は、国連でその使用を「非難」する決議が採択され(1966年)、それにもとづく条約がつくられ、廃絶されてきました。生物兵器条約は75年、化学兵器条約は97年に発効しました。最も残虐な大量破壊兵器である核兵器を禁止し、廃絶する条約づくりに、人類はようやく踏み出そうとしています。
 「核保有国」はこうした動きにたいして、これまで以上に反発を強めています。米英ロ仏中の「核保有5大国」は昨年9月、共同声明を発表し、段階的(ステップ・バイ・ステップ)アプローチが、「核兵器のない世界を達成する唯一の現実的なやり方」だと主張して、核兵器禁止条約の動きに反対しました。今回の国連決議にも米英ロ仏は反対し、中国は棄権しました。「核保有国」と「核の傘」に頼る同盟国は、3月からの交渉をボイコットすると言われています。
 しかし、核兵器固執勢力が交渉を拒否しても、禁止条約で核兵器に「悪の烙印」が押されれば、「必要な兵器だ」と正当化することはできなくなります。核兵器を使うことを前提にした政策には、大きな制約が課されるでしょう。アメリカは北大西洋条約機構(NATO)など同盟国に書簡(昨年10月17日)を送り、決議に反対するよう求めました。前例のない行動であり、いかに核兵器禁止条約を恐れているかが示されています。
 ここまで核兵器固執勢力を追い込んできたのは、核兵器禁止条約を求め、核兵器の非人道性を追及してきた非同盟諸国を中心とする非核保有国政府の努力、そして、その土台となった市民社会―世界の市民の世論と運動―です。
 とりわけ広島、長崎の実相を訴え、核兵器の非人道性、残虐性を告発してきた被爆者を先頭にした、日本の反核平和運動は大きな役割をはたしてきました。それだけに核兵器禁止条約の交渉には、反核平和運動など市民の代表も参加することになっています。
 世界の反核平和運動には新たな力が生まれています。世界で数億を目標にした「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」(「ヒバクシャ国際署名」)へ支持と共同も広がっています。
 「核兵器のない世界」へ、世界が前進しようとしているとき、安倍政権は、今回の国連決議に反対するなど、これに逆行する態度をとっています。被爆国の政府として、恥ずべき姿です。この姿勢を変えさせることは、日本の運動の国際的責務です。2017年は内外ともに反核平和運動にとって正念場と言えるでしょう。

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