活動日誌−活動日誌

【16.09.16】 毎月第3金曜日の夕方5時半より30分間、日本共産党の桑名駅前での「戦争法」廃止の宣伝行動。

「戦争法」廃止とアメリカの話と共謀罪

1、戦争法が成立して来週19日で1年です。
戦争法(安保法制)で拡大された自衛隊の新たな任務について全面的に訓練を開始しています。南スーダンPKO(国連平和維持活動)に11月から派遣予定の陸上自衛隊部隊に新任務として付与を検討している「駆けつけ警護」や「宿営地共同防護」の訓練に続き、集団的自衛権の行使や「戦闘地域」での米軍への兵站などを想定した日米共同演習も狙っています。海外での武力行使を禁じた憲法9条を踏みにじる戦争法を本格的な運用段階に移行させ、日本を「戦争する国」にする重大なたくらみであり、絶対に許されません。
国民多数の反対の声を無視して昨年9月に成立が強行された戦争法は今年3月に施行されました。しかし、安倍政権は、戦争法に基づく新任務の付与や訓練については、国民の批判を恐れ、7月の参院選での争点化を避けるため、先送りしてきました。一方で、実際の運用に向け、武器使用の手順を定めた「部隊行動基準」の作成などをひそかに進めてきました。国民だましの姑息なやり方です。
稲田防衛相の発表を受け、南スーダンPKOに11月に第11次隊として派遣予定の陸自部隊(青森市駐屯の第9師団第5普通科連隊が主体)が早速、離れた場所で武装集団に襲撃された他国軍などを救出する「駆けつけ警護」や、他国軍と共に宿営地を守る「宿営地共同防護」を想定した訓練を始めました。戦争法に基づくこれらの新任務では、従来のPKO法では不可能だった「任務遂行のための武器使用」などが認められています。内戦状態にある南スーダンへの派遣で実際にこうした新任務が付与されれば、自衛隊員が戦後初めて「殺し、殺される」という深刻な事態が起こりかねません。
歴代政権が違憲としてきた集団的自衛権の行使や「戦闘地域」での米軍への兵站などを想定した日米共同演習も重大です。10月から始まる日米共同統合実動演習「キーン・ソード」などでの実施が検討されています。
戦争法に基づく集団的自衛権の行使とは、日本が武力攻撃を受けていないのに、時の政権の判断次第で、同盟国の米国などと戦争している第三国の攻撃を排除するため、日本が武力を行使するものです。米国がイラク戦争のような先制攻撃の戦争を起こした際、日本が集団的自衛権を発動して自衛隊を出動させ、侵略国の一員となるところに本質的危険があります。
米軍への兵站も、従来の「周辺事態法」にあった地理的制約をなくし、地球規模で弾薬の提供や武器の輸送などができるようになります。歴代政府が「他国の武力行使と一体化する」として禁じてきた「戦闘地域」での活動も可能にします。自衛隊が兵站中に攻撃され、戦闘になる―。こうした事態を現実にしてはなりません。
政府は、戦争法に基づく米軍への兵站を実施可能にするため、日米物品役務相互提供協定(ACSA)の改定を狙っています。早期に米政府とACSA改定案を締結し、9月召集予定の臨時国会に承認案を提出する構えです。
憲法9条に違反する戦争法の相次ぐ具体化と発動を許さず、廃止を求めるたたかいをさらに大きくする必要があります。

2、アメリカで、こういう話があります。
40%。イラクやアフガニスタンなどから帰還した元米兵で自殺を考えたことがある人の数です。退役軍人や家族でつくる「全米イラク・アフガニスタン帰還兵」(IAVA)が報告書(5月)で明らかにしています
前年より9ポイントの増加。軍務で精神に障害を受けた人は58%にも。同団体の創立者ポール・リックホフ氏は「メンタルヘルスという難問」が「退役軍人の生活の全ての面で影響を与えている」
7月に米テキサス州で警察官5人が狙撃され、死亡した事件がありました。その容疑者もアフガン帰還兵。PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状がありました。同僚の兵士が半分にちぎれて吹き飛ばされ、悪夢を見るようになった―。容疑者がそう医師に訴えていたと米メディアは伝えます
米軍は世界中で戦争を繰り広げてきました。それが現地の人々だけでなく、自国の兵士をいかに傷つけてきたか。背筋が寒くなります
人ごとではありません。11月から南スーダンPKO(国連平和維持活動)に陸上自衛隊第9師団(青森市)を中心とする部隊が派兵されます。安倍政権は同部隊に安保法制=戦争法に基づく新任務を与え、「殺し殺される」戦地に投げ込もうとしています
「わが子を戦場に送り出したい親がどこにいるか」。本紙日曜版(18日号)は青森ルポで自衛隊員の母親の悲痛な声を伝えています。経済的理由で大学進学を諦め入隊した息子。「自衛隊さ、やらねばよかった」。戦争法廃止は急務です。手遅れになる前に。

3、共謀罪法案 人権侵害の本質は変わらない
自民党政権がこれまで3度国会に提出し、そのたび人権侵害との国民の批判を浴びて廃案となってきた共謀罪について、安倍政権が、またも法律化を図り9月召集の臨時国会に4度目となる法案提出をする構えです。思想・信条の自由など人権を侵害する共謀罪法案の提出中止を強く求めます。
安倍政権は、今度は装いを変え、共謀罪の名称を「テロ等組織犯罪準備罪」とし、対象も「組織的犯罪集団」に限るとしています。しかし、以前から批判が集中していた対象犯罪については、前と同じ600を超えたままです。
共謀罪の本質は、犯罪が行われなくても「犯罪を共謀した」というだけで処罰をするというところにあります。近代の刑罰法では、思想・信条を処罰してはならないことは当然です。単なる発言だけでは、実行行為に至るかどうかは不明で、思想・信条を処罰する危険があるので、刑罰は犯罪行為が実行された場合のみを対象とする原則が確立されているのです。
これまでの共謀罪法案の提出の際に指摘されていたのは、飲み屋でうっぷん晴らしに上司を指して「あいつを懲らしめてやれ」「そうだ、そうだ」とつい大声をあげたことが共謀罪にされてしまうことでした。
今回はそういう行為だけでは犯罪とせず、「準備行為」という要件を加えるといわれています。しかし準備行為という定義はあいまいなうえ「資金や物品の取得」「その他」となっています。集団のうちの1人が犯罪の準備をしたということで、これまでと同様、まったく犯意のない人まで“同意をした”とされ、捜査当局の恣意的判断で犯罪者とされてしまう懸念は、依然として残っています。
対象についても、これまでの「団体」を「組織的犯罪集団」に変更しました。しかし、「2人以上で計画した」グループが組織的犯罪集団として追及されるわけですから、内容が変わったのではなく、一般の市民団体、NPO団体や労働組合などが、この法律の対象とされる危険はなくなっていません。
そのことは、「共謀」と関係のありそうもない犯罪類型も含めて、懲役・禁錮4年以上の犯罪と規定されているすべての犯罪が共謀罪の対象になっていることにも示されています。さらに、いったん法律が制定された後、対象範囲が拡大されるおそれもあります。
共謀罪そのものの本質に加えて、今年の通常国会で強行された通信傍受法(盗聴法)の改悪と合わせると、警察の捜査が国民の人権を侵す方向でいっそう広げられる危険が現実のものとなります。
7月の参院選で、自民党も公明党も共謀罪導入を公約していません。選挙が終わった途端、悪法を持ち出すやり方は、昨年の「戦争法」や、かつての「秘密保護法」の強行と同じで大義も道理もありません。
安倍政権の「だまし討ち」を許さず、共謀罪法案の国会提出を断念させるたたかいが急がれます。

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