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【16.02.15】 国民健康保険と後期高齢者医療制度 高すぎる保険料(現状は)

命を危険にさらす事態打開を

自営業や無職の人などが加入する国民健康保険と75歳以上が入る後期高齢者医療制度で、保険料を払えない人たちの問題が深刻です。
厚生労働省の最新調査(2015年6月)では、国保で約336万世帯、「後期」で約24万人が滞納していました。「滞納」を理由に保険証を取り上げられたのは国保で約125万世帯、「後期」で約2万6000人にのぼります。保険証がなくて受診をためらい、手遅れで命を落とす悲劇も後を絶ちません。事態の打開は待ったなしです。
「滞納」の背景にあるのは、負担能力をはるかに超える高い国保料(税)です。年間所得250万円の自営業4人家族が支払う国保料が年40万〜50万円にもなる例が続出しています。これだけの負担額はあまりに過酷です。まして病気で仕事ができず収入が減ったり失業したりすれば、とても払いきれる額ではありません。
保険料納付が滞ると、通常の保険証にかわり、有効期間が1カ月〜6カ月の「短期保険証」や、医療機関窓口で医療費10割をいったん全額払わなくてはならない「資格証明書」が交付されます。保険料を払えない所得の人が窓口で10割を負担できるはずがありません。いくら具合が悪くても受診するのを我慢し続け、症状が深刻になってようやく病院に運ばれた時には、すでに手の施しようがなく死亡するケースも少なくありません。
機械的な保険証取り上げを許さない住民運動や日本共産党の議会追及などで資格証・短期証の発行は減少してきたものの、125万世帯以上が通常の保険証を持てない事態は重大です。保険証があれば誰でも安心して医療にかかれる「国民皆保険」の機能不全を、これ以上放置することはできません。
国保の危機をここまで深刻化させているのは、無職や非正規雇用など低所得の人の加入が増加し財政状況が悪化しているのに、国が市区町村にたいする国庫負担を削減したまま引き上げず、抑制方針を続けてきたことにあります。
政府は2018年度から国保の財政運営の中心を現在の市区町村から都道府県に移す方針ですが、これでは国保の構造的矛盾は解消できません。むしろ市区町村からの国保への繰り入れが減らされ、保険料アップになる危険が指摘されています。危機を加速させる逆行でなく、負担軽減の仕組みを確立するとともに国庫負担の抜本的引き上げこそが、いよいよ急務です。
「後期」医療の保険料滞納も深刻です。払えないのは年金天引きの対象にもならない低年金者がほとんどです。そんななか4月から保険料アップを計画する都道府県の広域連合も出ています。(三重県は?)安倍政権は2017年度から「後期」保険料の軽減措置の段階的打ち切りを決め、860万人以上の高齢者を直撃しようとしています。容赦ない暮らし破壊は許されません。
国保料の「滞納」を理由にした市区町村による財産などの差し押さえが昨年、約28万件と過去最多となったことも重大です。滞納分を「分納」している人の銀行口座までいきなり差し押さえるような乱暴なやり方が各地で批判を浴びています。滞納者の事情を考慮もせず、生活をさらに困窮させるような容赦ない機械的な差し押さえは、絶対にやめるべきです。
                                 2月14日(日)日刊しんぶん赤旗主張より

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