活動日誌−活動日誌

【15.12.12】 与党の身勝手な「税制改定」決まる。

しんぶん赤旗主張より

2016年度以降の税制について検討してきた自民・公明の与党が、2017年4月からの消費税率の10%への引き上げの際に、8%に据え置く対象に加工食品を含める方針で合意し、これにもとづいて2016年度税制改定大綱を決定することになった。
「軽減税率」の導入は税率を据え置くだけで、負担の軽減どころか増税の負担を打ち消すものになりません。事業者の負担は確実に増えます。2016年度の税制改定では主に大企業のための法人税の前倒し減税が決まっており、安倍政権の国民犠牲政治を浮き彫りにしています。
「軽減税率」の導入は、消費税の増税が国民の暮らしも経済も破壊するため不人気なのをごまかすためで、消費税増税を無理やり押しとおす姑息な手段です。
対象を加工食品にまで広げた結果、消費税の増税による増収見込みが1兆円近く減るといいますが、消費税率を2%引き上げるだけでも税収は5兆4000億円も増えるといわれており、国民の負担は大幅に増えます。5%から8%への引き上げ分を含めれば負担増は10兆円をはるかに超します。
原則としてあらゆる商品やサービスに課税される消費税増税による負担増は、同じだけ国民の消費を冷やし、経済を悪化させます。昨年の消費税増税のあと日本経済は大きく落ち込み、8日発表された今年7〜9月期の国内総生産(GDP)の改定値でも個人消費は速報段階より落ち込んでいます。消費税増税の負担増は、多少のごまかしで解消しません。
公明党は加工食品への対象拡大を低所得者対策のようにいいますが、経済学者などでつくる民間税制調査会(民間税調)の試算では、食料品の税率を軽くしても、低所得者ほど負担割合が高い消費税の逆進性は変わりません。低所得者対策をいうなら「軽減税率」導入などとごまかさず、増税そのものを中止すべきです。
法人実効税率については2016年度に29・97%まで引き下げ、赤字法人などへの課税を強化するとしています。
国民や中小企業を犠牲にする消費税増税も大企業減税もやめ、社会保障に必要な財源は消費税に頼らず確保する、税制・財政の抜本的な見直しが不可欠です。

中日社説(12月11日)は、党利党略で決まるのかと訴え

「国民が納得できる税制を築くには、開かれた場の丁寧な議論が必要だ。」

税制改正大綱の決定を前に軽減税率をめぐる与党間のドタバタ劇は、国民が納める税金が選挙協力の取引に使われる実態を見せたようだ。国家の根幹である税制が党利党略で決まっていいのか。
国民不在の密室協議でまるで自分たちのポケットマネーのごとくに税金が扱われる。
消費税率を10%に引き上げる際に導入する軽減税率の対象範囲をめぐり、自民党は対象を「生鮮食品」のみと主張、公明党は「生鮮食品と加工食品すべて」と食い違った。減税額はそれぞれ4000億円、1兆円と大きく異なり、幹事長同士が外遊先の中国も含め連日協議したが難航した。
対象拡大は痛税・増税感を和らげるものとはいえ、こんなやり方がさも平然と行われるのはなぜか。たとえば先に民間税調が指摘したように、国民は税を徴収されるまま、政治家と役人任せの税制となっているためだろう。
安倍首相は「成長と分配の好循環」を掲げてはいるが、この税制大綱を見渡しても富める者から弱き者への「分配」の要素を見つけることができない。
財界の要望通りに法人税の実効税率は2016年度に29・97%となり、2013年度の約37%から3年で約7%も引き下げる。
法人税にはすでに研究開発などのための特別の減税措置も多く、それによって課税対象は本来の3割程度にまで狭められている。こうした政策減税は産業構造が大きく変わる中で役目を終えたものも少なくない。
税率を下げるなら特別措置を大幅に整理して財源を賄うのが筋だ。税率を下げれば海外企業の日本進出を促す効果があると期待するのも甘い。税制よりも規制や需要の大きさの方が投資条件の上位にある。
今年は軽減税率にほぼ終始し、所得税などの改革は見送られた。もう年末の短期間にまとめるやり方は改めるべきだ。

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