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【15.07.18】 「新国立競技場」問題、方向性が。

国民の声に真摯に耳を傾けて、(しんぶん赤旗より)

 安倍首相は「建設計画を白紙に戻し、ゼロベースで見直す」と表明しました。
新競技場の総工費は2012年の当初計画は1300億円でしたが、2本の巨大なアーチ構造を採用したことから2014年の基本設計では1625億円、今月決定した実施設計では開閉式屋根などを後回しにしても当初の2倍となる2520億円にも膨れ上がっていました。
 ところが安倍内閣は「見直すとラグビーW杯や五輪に間に合わない」として計画決定を強行。業者と契約を結ぶなどごり押しする姿勢を強め、「ムダ遣い」「環境破壊」「民意無視」との批判が国民はじめ建築家、スポーツ界など各界各層から高まっていました。
 安倍首相が、新国立競技場の建設計画を白紙撤回する方針を表明したのは、安倍政権の暴走を許さないと声をあげた幅広い国民、スポーツ界はじめ圧倒的多数の世論と闘いが動かしたものです。
 安倍政権はこれまで「五輪に間に合わない」「国際公約だ」などといって最終計画を強引に決定。10日の国会でも「新しいデザインを決め、基本設計をつくっていくと間に合わない」と答弁、ごり押しする姿勢を見せていました。それが一転して白紙撤回に追い込まれたのは、「戦争法案」への厳しい批判と相まって、支持率と不支持率が逆転。「戦争法案」の強行採決に続いて、建設計画まで強行すれば「政権批判に拍車をかける」(自民党幹部)との危機感を募らせたからです。
 しかし問題は中身です。安倍首相は「コストを抑制し現実的にベストな計画をつくる」と述べるに留まっています。
 安倍首相は、見直しについて「国民の皆さまの声に耳を傾ける」と述べました。そうであれば、憲法違反の「戦争法案」についても大多数の民意に従い、なぜ廃案にしないのか問われることは避けられません。民意無視の独裁・専制政治を許さない国民世論と闘いが一層重要になっています。
 新国立競技場について、日本共産党国会議員団は17日午前、建設計画を撤回し、抜本的に見直すよう政府に申し入れました。遠藤五輪担当相に安倍首相宛ての申し入れ書を手渡しました。
 莫大な金額、計画をごり押しする政治の傲慢さ、国民の声に真摯に耳を傾けて、計画を抜本的に見直して欲しいと求めました。

各紙が社説で論じる。

朝日社説  新国立競技場問題―強行政治の行き詰まりだ 
 せめて競技場の問題では、民意にこたえる指導者像を演じることで内閣支持率の低落傾向に歯止めをかけたい。そんな戦術と勘ぐられても仕方ない。               
 あいまいな責任所在、民意軽視が常態化、安保と原発にも通底
 民意を顧みず、説明責任を避け、根拠薄弱なまま将来にわたる国策の決定を強行する。それは競技場問題に限った話ではない。国民が重大な関心を寄せる安保関連法案や、原発関連行政にも通底する特徴だ。
 今回の競技場問題から、くむべき教訓は広く、重い。

読売社説 国立競技場 計画の白紙撤回を評価したい 
 責任の所在や権限があいまいだったことが、これまでの迷走の原因である。それを教訓に、作業を効率的に進めねばならない。

毎日新聞社説 「新国立」白紙に 混乱招いた決断の遅れ 
 政府が一転見直す方針を固めたことが明らかになったのは、国民の幅広い同意が得られていない安全保障関連法案を衆院本会議で強行採決した日だった。安保法案が支持率低下の要因となる中、国民の支持をつなぎ留めたいとの思惑があったのではないか。
 安倍首相は記者団に対し「国民の声に耳を傾け」、方針転換を決断したと強調した。そうであれば、安保政策、沖縄の普天間移設問題、原発政策についても国民の声に謙虚に耳を傾ける姿勢を示してほしい。

産経主張 「新国立」白紙に 祝福される聖地を目指せ 
 遅すぎたとはいえ、首相の決断は妥当である。

中日社説 新国立競技場 やっと常識が通ったか 
 今度こそ忘れてならないのは国民への情報公開と丁寧な説明、合意づくりの手続きである。神宮外苑の歴史や文化、水と緑の環境との調和を求める声は根強い。

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