活動日誌−活動日誌

【15.07.10】 「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」が7月9日に「神宮外苑100年の森を守るために―2520億円の新国立競技場を許さない」と題する声明を発表した。

声明の概略(戦争法案の進め方にも似ている。)

市民の76%が現行のデザインに反対。85%が2520億円という総工費に納得していない。
有識者会議は単なる諮問委員会であり、結果に責任を持つわけではない。業界のエゴが丸出しの内容。
「亡国の事業」である。神宮外苑というかけがえのない緑地と景観を失う。
「国際公約」とは何なのか。
ホワイト・エレファント(無用の長物)の出現は、次世代のためにも避けなければならない。

最後に、日経も参戦。(この新国立競技場を未来へ引き渡せるか)

これほど無謀な国家プロジェクトがいっさいの見直しもなく進行する事態に、あぜんとするばかりだ。2020年東京五輪・パラリンピックに向けた新国立競技場建設計画の暴走である。
巨額の整備費をどう捻出するのか。将来は赤字を垂れ流すだけではないのか。批判は高まるばかりなのに、日本スポーツ振興センター(JSC)はきのう、施工業者との契約に入った。
この計画にわたしたちはかねて異を唱えてきたが、なお再検討の決断を求めたい。下村博文文部科学相はもちろん、専任の五輪担当相になった遠藤利明氏もせっかくの職責を果たすべきだ。
今回の新競技場整備費は、世界のスタジアム建設事業のなかでも突出して高い2520億円にのぼる。五輪後に開閉式の屋根を設けるなど追加整備をした場合は3000億円にも達するという。
ところが財源のめどは立っていない。スタジアム命名権売却やスポーツ振興くじの収益などを当て込むが、あやふやな話である。東京都の負担分も未定だ。
完成後の収支も危うい。JSCは年間3億3000万円の黒字を確保できるとしてきたが、ここにきて修繕費がかさむとして黒字見通しを10分の1に減らした。これさえ楽観的に過ぎよう。
文科省やJSCのこうした場当たり的で不誠実な対応は、新競技場をめぐるゴタゴタに一貫するものである。
整備費膨張の要因はイラク出身の建築家、ザハ・ハディド氏のデザインに固執したからだ。巨大な「キールアーチ」などを疑問視する声は強く、工費や工期を大幅に圧縮できる設計への変更を具体的に提案する専門家もいた。
しかし文科省もJSCもそうした意見をまともに検討せず、ザハ案ありきで突き進んだ。建築家の安藤忠雄氏はザハ案選定に深くかかわったが、工事計画を了承した先日のJSC有識者会議に姿を見せてもいない。
成熟国家で開く五輪には、国威発揚型や高度成長型の施設はいらない。それよりも未来へきちんと引き渡せるかどうかが肝要だ。
このプロジェクトに関係する人たちに、そんな世論は聞こえないのだろうか。危惧すべきは新競技場そのものの問題だけではない。こういう感覚でものごとを進めていく無責任体質が、いま日本をむしばんでいることが恐ろしい。

しんぶん赤旗も、新国立 契約やめよ 国会での論議、日本共産党田村議員追及 文科相、財源示せず

総工費が2520億円まで膨れ上がった2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場について、下村博文文部科学相は9日、その財源の見通しが立っていないことを国会で初めて認め、ずさんな計画であることが改めて浮き彫りになりました。参院文教科学委員会の新国立競技場の集中審議で、日本共産党の田村智子参院議員の質問に答えたもの。
新国立は開閉式屋根の設置など大会後の工事費も含めると建設に2708億円以上かかります。田村氏は、文科省が財源と説明する国費の392億円とスポーツ振興基金の取り崩し分125億円など合計626億円は、国立競技場の解体費用にも充てられ、全額が建設工事の財源にならないと指摘。「財源はいくら確保されているのか」とただしました。
これにたいし、下村文科相は「財源確保の積算根拠を申し上げることはできない」と回答し、その見通しがないことを認めた形となりました。
これまで文科相は、財源確保について「(競技場の)命名権や民間からの寄付を含め、200億円くらいは集めたい」としていましたが、それだけではとても足りないことも明らかになりました。
田村氏は、「建設費のほとんどが財源のめどもない。こんな公共事業は前代未聞だ。施工業者と契約すべきではない」と批判しました。
世論調査でも8割が見直しを求めている新国立の計画は国民から支持されていないと田村氏が迫ると、文科相は「問題は税金投入によって国民の負担が増えること。負担をなくす工夫が必要だ」と答えました。
田村氏は、「国民の批判を過小に見ている。(日本スポーツ振興センターの)有識者会議が承認したとしても、国民が承認したわけではない。絶対に契約すべきじゃない」と強く求めました。
同委員会では、この問題で他党からも批判や見直しを求める質問が相次ぎました。

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