活動日誌−活動日誌

【15.01.02】 隣国を意識した歴史認識が問われる1年になりそうだ。    (3紙の社説より勝手な解釈)

1、朝日社説 グローバル時代の歴史―「自虐」や「自尊」を超えて

 朝日社説は、「グローバル時代の歴史―「自虐」や「自尊」を超えて」と題して、「『ふつう』が必ずしも『ふつう』ではすまない時代に入っている。グローバル時代だ。自国の歴史を相対化し、グローバル・ヒストリーとして過去を振り返る。難しい挑戦だ。だが、節目の年にどうやって実りをもたらすか、考えていく支えにしたい。」と述べている。

2、中日社説 戦後70年のルネサンス 年のはじめに考える

 中日社説は、「貧困や格差が復活して独占資本や搾取の言葉も思い浮かぶグローバル経済の時代。ならば戦後70年のことしは『人間回復のルネサンス』にしたい」といい、「政治も経済も社会も人間のためのもの。私たちの新聞もまた国民の側に立ち、権力を監視する義務と「言わねばならぬこと」を主張する責務をもちます。その日々の営みが歴史の評価にも堪えるものでありたいと願っています。」としめています。

3、毎日社説 戦後70年 日本とアジア 脱・序列思考のすすめ

 敗戦直後の日本の風景、貧しかったはずだが、子供も大人も表情に屈託がない。おびただしい死者を出した戦争が終わり、平和が戻ってきた安堵感。豊かさへの夢とあこがれ。前向きの明るさと希望がそこかしこに満ちていた。
 戦後70年の今はどうだろう。日本を覆っている気分は、得体の知れない不安といらだちである。
 背景には隣国(中国、韓国)との長い不和と対立があることを、多くの日本人が感じとっているのではないか。要因はいくつかあろう。だがその根本は、中国の大国化にみられるパラダイムシフト、つまり時代の大きな枠組みと秩序の変革に日本が直面している、ということだ。日本は国内総生産(GDP)で中国に抜かれ、世界第2の経済大国の座を明け渡した。軍事面でも尖閣諸島で中国から圧迫され続けている。韓国も政治の民主化と経済発展、自意識の高まりなどで、臆せずに日本に向き合うようになった。
 「アジアで1番」という序列意識の揺らぎこそ、不安といらだちの正体であろう。
 明治以降の日本は遅れたアジアと距離を置き、欧米を手本にして先進国への道を歩んできた。帝国主義・植民地主義による軍事大国となって無謀な戦争に突入し、破滅を味わった。戦後は経済大国を目指し、一時はジャパン・アズ・ナンバーワンともてはやされもした。アジアでトップだという序列意識と自負心が日本の近現代史を支えてきた。
 だが、日本を追いかけるように成長してきた中国と韓国の興隆はいわば、歴史の必然でもある。あと戻りできない東アジアの力関係の変化を受け止め、自らの立ち位置を見つめ直すことが、戦後70年を迎える日本の課題ではないだろうか。
 序列意識は、進歩や発展に欠かせない。ただしそれは行きすぎれば相手への尊敬を失わせ、他者を否定することで自己を肯定する優越主義に陥りかねない。昨今の反中・嫌韓感情やヘイトスピーチ(憎悪表現)などにも、古い序列思考からくる他者否定の排他意識が潜んでいないか、自問自答してみるべきだ。

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