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【14.12.27】 日本共産党国会議員団が「介護報酬」の削減 中止を財務省・厚労省に申し入れました。(昨日の新聞から)

申し入れ文

日本共産党国会議員団は25日、来年度予算編成にかかわって財務省が求めている「介護報酬」の削減を中止するよう財務省と厚生労働省にそれぞれ申し入れました。
申し入れでは、介護報酬の削減は、介護事業所・施設の経営に大打撃を与え、「介護難民」の増大などを招くと指摘。平均月収が全産業平均の3分の2の水準という労働条件を悪化させ、人手不足を加速させると強調しました。介護サービス切り下げなどに直結し、「国民・利用者にとっても社会保障の重大な後退をもたらす」と批判しました。
高橋千鶴子衆院議員は、通常国会で自民党も含めて全会一致で成立した介護労働者の処遇改善法にふれ、「介護現場の処遇改善は党派を超えた願いだ」と指摘。小池晃参院議員は「介護報酬の引き上げは、介護の質を保証していくことにつながる。物価上昇で施設の経営も苦しい状態にあり、引き下げなど絶対にやめていただきたい」と述べました。
厚労省の原勝則・大臣官房審議官は、議員団の要請に「しっかりと介護報酬、介護人材を確保できるように全力を尽くしていきたい」と述べました。
申し入れたのは、高橋、小池両氏と、宮本岳志、畑野君枝、堀内照文の各衆院議員、大門実紀史、井上哲士、吉良よし子、田村智子、倉林明子、辰巳孝太郎、仁比聡平の各参院議員。

【申し入れ文】
来年度予算案の編成のなかで介護報酬の削減が急浮上している。
介護事業所の3割は赤字経営であり、しかもこの間、消費税増税とアベノミクスによる資材・水光熱費等物価上昇が経営を直撃している。本来なら、介護報酬の引き上げが検討されてしかるべきであるのに、逆に、報酬削減が強行されるなら、介護事業所・施設の経営に大打撃を与え、地域の介護力の低下や介護難民の増大など、深刻な事態を招くことになる。
介護報酬削減は、平均月収が全産業平均の3分の2水準という介護現場の労働条件をいっそう悪化させる。政府からは、人材確保に向けて介護職の処遇改善部分だけ増額するという案も出されているが、たとえ処遇改善に係る部分を少しばかり加算したところで、報酬全体を引き下げてしまえば、労働条件の悪化と介護現場での深刻な人手不足を加速させることは必至である。
そして、介護報酬削減による介護事業所・施設の経営と介護現場の労働条件の悪化は、利用者への介護サービスの内容の切り下げ、劣悪化に直結する。国民・利用者にとっても、社会保障の重大な後退をもたらすものである。
特養待機者が52万人を超え、現役世代の介護離職が毎年10万人にのぼるなど、「介護の危機」が深刻になっているときに、介護報酬の大幅削減を強行することは、政府としての役割を自ら放棄するものと言わざるを得ない。いまやるべきは、介護関係者はもとより、地方自治体からも強く要求されている、介護保険の国庫負担割合引き上げを行って、低所得者の利用料減免をはじめ利用者負担を抑制することである。
介護報酬削減の動きに対して、介護事業者、労働者をはじめ、幅広い方々から危惧と反対の声がわき起こっている。障害福祉報酬も連動して下げられるのではないかという懸念も広がっている。“選挙が終われば、さっそく社会保障の削減――これが安倍内閣のやり方か”という批判も当然である。政府は、介護現場からの切実な声に耳を傾け、介護報酬削減を中止すべきである。

毎日新聞も社説で「介護報酬改定 地域福祉をつぶすな」

来年度からの介護報酬改定が2〜3%減を軸に政府内で調整されている。家族がなく経済的にも苦しい高齢者が急増する一方、職員の確保に窮している事業所が多いことを考えると、マイナス改定は問題が多い。
地域で暮らすお年寄りを支える介護サービスは小さな非営利組織(NPO)が担っているところが多く、もともと経営が弱い地域福祉の基盤を崩してしまう恐れがある。
財務省は当初6%の大幅減を打ち出した。安倍政権が消費増税を見送ったためである。消費税10%時に医療・介護の充実には約1.6兆円が投じられる予定だった。ところが、財源不足の手当ては子育てや基礎年金の国庫負担増が優先されることになったため、介護は一転して減額を強いられることになった。
膨張する財政赤字を考えれば財務当局の危機感はわかるが、全産業の平均月収より10万円以上も少ないのが介護職である。今回の改定では月収約1万円増の職員の待遇改善が実施される予定だが、それでも他産業より大きく見劣りする現状は変わらない。
団塊世代は戦後の3年間で800万人を超える出生数があり、突出して人口が多い。この世代が10年後には75歳を超える。その後も独居で介護を家族に頼れない高齢者は増え続ける。バブル崩壊後の就職氷河期でよい職に就けず、結婚できなかった世代が高齢期に差し掛かるころには、無年金・低年金の高齢者が大量に現れる。今のうちに介護サービスを拡充し、質の良い職員を育成し確保しておかねばならないのだ。
特養ホームが多額の内部留保を持つことがとかく問題視されているが、地域でヘルパー派遣や小規模多機能型デイサービスなどを行っている小さな事業所は経営の体力がないところが多い。このタイミングでの報酬減は大打撃だ。
介護報酬と連動して障害者支援の報酬も厳しい改定が迫られているが、高齢者介護よりさらに小さなNPOが多いのが障害者支援の特徴だ。担保も内部留保もなく銀行からの借り入れで事業展開しているところもある。これまでの報酬改定でプラスが続き、収益率も良いため銀行の融資を受けられているのだ。マイナス改定によって収益率が下がると、借入金の返済に行き詰まる事業所が出てくる恐れがある。
介護や障害者のサービスを利用しながら働いている女性は多い。公的介護の拡充は、安倍政権の女性活用政策にも通じる。介護報酬の削減は介護離職に拍車を掛け、労働力不足をさらに悪化させるだろう。成長戦略の足をも引っ張りかねないマイナス改定はやめた方がいい。

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