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【14.10.17】 日経新聞が今日の社説で介護報酬の改定についてコメント

メリハリをつけた介護報酬の改定をーー現状把握は間違っていないか

 介護保険で介護サービスを提供する事業者が受け取る料金を来年度から見直すための議論が、政府内で始まった。介護保険は保険料や税金で賄われている。厳しい財政や人口の高齢化を考えると、全体としては抑えながら、切り込むべきところと必要なところにメリハリをつける改定が必要だ。
 事業者が受け取る料金は介護報酬と呼ばれる。例えば高齢者宅にヘルパーを派遣し、30分以上1時間未満の身体介護をした場合は約4千円。この1割を利用者が払い、残りは介護保険から払う。
 介護報酬は3年ごとに事業者の経営状況や物価動向などを勘案して見直すことになっている。来年度の改定に向けて厚生労働省がまとめた事業者の経営実態調査によると、特別養護老人ホームなどで高い利益をあげていることが明らかになった。
 この結果を踏まえ、財務省は介護報酬の6%引き下げを求める方針だ。ただし、介護現場では人手不足が深刻となっているので、介護職員の処遇を改善するための方策は別途検討するという。
 介護報酬は前回、前々回とプラスの改定が続いた。マイナス改定となれば事業者の反発は必至だ。しかし、介護保険の事業は一般の事業活動と違って公的な資金で運営される。おのずと適正な利益水準が求められる。今の報酬で高い利益が得られるのなら、ある程度の引き下げはやむを得ない。
 特に特別養護老人ホームの主な運営主体である社会福祉法人は、税制優遇なども受けていて、1施設当たり3億円を超える内部留保があるとされる。さらに利益が積み上がるようだと、国民の理解も得られないだろう。
 ただ、一律の引き下げには懸念もある。介護サービスの種類ごとに経営の状況は異なる。名目上は同じサービスでも、質の高いサービスを提供している事業者もいれば、そうでないところもある。良質な事業者の破綻を招かないような配慮が必要だ。
 介護職員不足の対策としては、事業者の内部留保を使って職員の処遇を改善することがまず考えられる。事業者が付加価値の高い多様なサービスをつくり出し、それを介護保険外の市場で提供して稼ぐことで、対策の原資とする方策などもあるはずだ。
 処遇改善を条件とした介護報酬の加算なども一つの手だが、それだけに頼らないようにしたい。
                               日経新聞 2014/10/17付

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