活動日誌−活動日誌

【14.08.20】 今日の朝日新聞社説の2題は、私が今思っている事を述べている。

1つは、介護の担い手に役割に見合う報酬を、もう1つは、生活保護の外国人の扱いです。

 介護の人手不足の最大の理由は、賃金が低いことです。来年度からはボランティアの人も要支援者向けのサービスについて担えるようになり、さらなる悪化が心配です。
 外国人にも認められているのにどうしてこの様な裁判判決があるのか疑問です。

1、 介護の担い手―役割に見合う報酬を

 高齢者が増えれば、介護の担い手がさらに必要になる。団塊世代が75歳以上になる2025年に、介護職員を今より最大で約100万人増やす必要がある、と国は推計する。
 ところが、現場は人手不足が常態化している。介護職員は現在約150万人。6月の有効求人倍率(パートタイムを含む常用)は2倍を超えた。全産業平均(0・9)を大きく上回る。
 介護労働安定センターなどの調査によれば、人手不足の最大の理由は、賃金が低いこと。国の統計で、ホームヘルパーや施設の介護職の平均賃金は常勤でも月22万円弱。全産業平均より10万円以上低い。
 来年度の介護報酬改定に向けて、秋から議論が本格化する。事業者に業務の効率化などの自助努力を求めつつも、職員の待遇改善・報酬アップにつなげてほしい。
 厚生労働省の検討会は、人口が減っていくなかで、他の職種と「人の取り合い」になることをにらんで、どうしたら介護職が選ばれる仕事になるのか、議論をしている。
 これまでに、仕事の楽しさや奥深さを積極的に発信することや、介護職員の中でも国家資格である介護福祉士を中核として明確に位置づける、といった提案が出ている。
 確かに、こうした事柄は、もっと重視されていい。
 介護職員なら、高齢者と接しながら「今の薬は飲みにくそうだ」「床ずれができそうだ」といった日々の様子や変化に気づくことができるし、そうした高齢者の様子を医師や看護師に伝えて連携することができる。
 さらに、コミュニケーションが難しくなりがちな認知症の人への対応には、専門性が求められる。認知症の人が大声を出したり、落ち着かなかったりする場合、体調や以前の生活習慣から原因を割り出して、穏やかに過ごせるようにする、といった技術・ノウハウだ。
 身の回りの世話に一部手助けが必要な要支援者向けのサービスについて、来年度からはボランティアの人も担えるようになる。間口が広がるなら、地域に貢献したいと思っている人たちを巻き込む工夫が必要だろう。
 同時に、これまで「介護」でくくられてきたサービスひとつひとつに、どの程度の専門性を求めていくのか、仕分ける作業が必要だ。専門性に見合った報酬の体系を整えることができれば、介護職の中でステップアップする道も開けるはずだ。介護職は、生活を支える専門職だ。その充実が急がれる。

2、 生活保護―外国人の扱い法律で

 日本が受け入れた外国人が経済的苦境に陥ったとき、最低限の生活ができるセーフティーネットはどうあるべきか。
 最高裁は先月、永住資格を持つ外国人に生活保護を受ける権利があるかどうかが争点になった訴訟で「法律に基づいて生活保護を求める権利はない」という判断を下した。永住外国人にも生活保護を受ける権利があるとしていた福岡高裁の判断を覆した。
 1950年に施行された今の生活保護法は、その対象を「生活に困窮するすべての国民」と定め、日本国籍を持つことを条件にしている。この規定や、その後も外国人に対象を広げる法改正が行われていないことなどが、最高裁判決の理由だ。
 もっとも、事実上、永住外国人は生活保護の対象になっている。旧厚生省が54年に出した通知で「当分の間、生活に困窮する外国人を生活保護に準じて保護する」ことを認めたためだ。90年に永住外国人や日系人などに対象が限定されたものの、こうした行政の扱いは今も変わっていない。
 今の法律を前提にすると、最高裁の判決は理解できるし、今後、永住外国人が保護の対象ではなくなると見るのは考え過ぎだろう。最高裁は、行政が生活保護を認めなかった時に争う権利を認めなかっただけで、今の行政の扱いを否定したわけではないからだ。
 この問題は、81年に難民条約に加入するときにも議論された。条約が合法的な難民に対しては自国民と同じ扱いをするよう求めていたからだ。このときは、事実上生活保護の対象になっているとして法改正が見送られた。
だからといって、現状のまま何もしなくてもよい、ということにはならない。行政の判断に大きく依存する現状では、不安定さがつきまとう。
 保護の対象も課題だ。今の運用では、働くことが目的で入国する外国人は対象外となる。
 しかし、今後、介護や建設、家事労働など、これまでより幅広い分野で外国人を受け入れることになったときも同じでいいのか。人口減に直面して、外国人の活用が盛んに議論されている中での新たな課題である。
 不法滞在者や生活保護目当ての人が排除されるような仕組みを構えるのは当然としても、労働力として外国人を受け入れるならば、セーフティーネットも同時に考えるべきだ。今回の判決を契機に、外国人の扱いをきちんと法律で定めることを検討するべきではないか。

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