活動日誌−活動日誌

【14.03.10】 3月8日に行われた日弁連の貧困問題全国キャラバン(連続市民集会)今すぐ貧困の根絶をー生活保護から社会保障を考えるーに参加しました。

里見賢治(佛教大学社会福祉学部教授)先生の基調講演を紹介します。

タイトルは、「今すぐ貧困の撲滅を ー社会保障・税一体改革と貧困化する国民生活―」です。

1、 「社会保障・税一体改革」の軌跡
2011. 6.30  菅内閣 社会保障・税一体改革成案
2012. 2.17  野田内閣 社会保障・税一体改革大綱
2012. 6.15  3党合意
2012. 8.10  一体改革8法案可決
2013. 8. 1  生活保護基準引き下げ実施
2013. 8. 6  社会保障制度改革国民会議報告
2013.12. 5  社会保障改革プログラム法成立
2014. 2.12  地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律
            の整備等に関する法律案、国会提出

2、「社会保障・税一体改革」論の構造と意図
? 目的 社会保障の機能強化―必要な機能の充実と徹底した給付の重点化・制度運営の効率化を同時に実施する(スクラップ&ビルド)
     そのための財源政策は消費税増税
     先に法人税減税を実施
? 論理構造
     財政危機→社会保障費の膨張→原因は社会保障にある→社会保障・税一体改革が必要(社会保障の抑制と増税)
? 意図 社会保障を理由として消費税増税を国民に納得させる(諦めさせる)
     財政危機の原因は社会保障にある(定着させる)
? この論理構造は正しいか
     日本の社会保障の規模は大きすぎるのか?
     財政危機の原因は社会保障制度にあるのか?
? 税制改革は、何故消費税増税なのか
? 消費税=社会保障目的税は問題を解決するか?

3、 民・自・公3党合意(野合)による一体改革のさらなる変質
*社会保障改革の後退・消失、抑制 → 社会保障制度改革推進法・・・基本的な考え方=自助・助け合いの強調
*新自由主義型社会保障抑制政策への傾斜 → 公助を困窮などに対する生活保護や社会福祉に限定=公的責任を救貧に限定

4、 安倍政権の登場と抑制型福祉政策の本格化、その帰結
「持続可能性」「財政危機」のキャンペーン(総枠抑制へ)
低所得階層・生活保護受給者をスケープゴートに(国民の不満のはけ口へ)

5、 抑制型福祉政策から、最低保障重視型福祉政策へ
皆保障を目指す普遍主義型社会保障制度の構築
現行の社会保険方式中心型から公費負担方式(税方式)中心型への抜本的転換

他に、当事者の訴え(3題)、パネルディスカッション(3題)がありました。
里見先生の講演は、考えがはっきりと整理できる内容でした。久しぶりにすっきりしました。

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