活動日誌−活動日誌

【18.07.05】 「カジノ法案」等の行方

昨日の中日社説より(「カジノ法案」 「万全の対策」ですか?)

「カジノ法案」を巡り、参院内閣委員会で「ギャンブル依存症の対策法案」の質疑が始まった。どんな対策を練ろうと賭博が健全であるはずがない。胴元が客に金を貸し付け博打をさせる−。極めて危険だ。
安倍首相は美辞麗句を使う。「クリーンな日本型IR(統合型リゾート施設)をつくり上げる」だとか、「世界最高水準のカジノ規制を導入する」とか。「万全の対策を講じていく」とも語っていた。
そのカジノ規制とは何か。今のところ判明しているのは、入場回数の制限だ。週3回、28日間で10回に限られると。その確認方法としてマイナンバーカードを使う。入場には来日外国人を除き6000円を徴収するともいう。
だが、7日間に3日間も入場すれば、それ自体が入り浸っている状態である。仮にカジノが24時間営業なら3日間で72時間も過ごす。シンガポールは入場回数は月に最大8回だと聞く。入場料も8000円程度。つまり、それだけで「世界最高水準」は看板倒れに終わっていることになる。
「万全の対策」も怪しい。なぜなら、胴元であるカジノの民間事業者は、一定の金額を預け入れた顧客に対しては、資金の貸し付けを行うことが予定されている。
貸金業者の場合は年収の3分の1を超える貸し付けは禁止される。貸金業法の総量規制があるからだ。しかし、カジノ事業者は貸金業者でないので同法は適用されない。つまり、預けた金の何倍かの上限まで貸し放題となる。
このカジノ事業者から借りたカネには利息は付かない。ただし、2カ月間だけ。それを超えると、年14・6%もの遅延損害金が発生する。そんな仕組みだ。
ギャンブルに熱中した客は、「一発逆転」の夢を見て、際限なく賭博にのめり込む。お金が借りられるのでやめるタイミングを失うのだ。こんな状態で3日間で最大72時間も賭場にいれば、もはや依存症状態でもあろう。
このようなカジノ事業者に貸金を許す仕組みをつくっていること自体がギャンブル依存症にとっては危険なことではないのか。収入で返済しようと思わず、ギャンブルでお金を返す意思を持ってしまうからだ。
来日外国人をターゲットに経済成長が当初はうたわれたが、本当に成長するか試算がない。外国資本のカジノ事業者のカモになるのは本当は大半が日本人で、食い物になるだけでないのか。

6月24日のしんぶん赤旗主張より( 「カジノ実施法案」 無益で危険なたくらみやめよ)

刑法が禁じる民間賭博を解禁する「カジノ実施法案」を安倍政権と自民、公明、維新が衆院を強行通過させ、延長した国会での成立を狙っています。各種世論調査では、今国会での同法成立に反対する声が7割を占めます。国民の声を聞き、無益で危険なカジノ解禁は断念すべきです。
安倍首相は2014年5月、シンガポールのIR(カジノを中核とする統合型リゾート)を視察し、「日本の成長戦略の目玉になる」と発言しました。首相は1日の衆院内閣委員会でも、この視察で「IRのイメージが大きく変わった」「大変な国際競争力を有する異次元のリゾート施設になっていることを知った」と強調しました。シンガポールをお手本にIRをつくれば「世界中から観光客に来ていただける」(安倍首相)というのが言い分です。これは浅薄な思い込みでしかありません。
シンガポールのカジノ施設開業は2010年です。シンガポールを訪れた海外からの観光客数は、カジノ開業前の2009年の968万人が2016年には1640万人と169%に増えています。
日本はどうか。同じ2009年の678万人が2016年には2403万人と354%に伸びました。「カジノの無い日本」は、シンガポールをはるかに上回る伸び率で外国から観光客を迎え入れるようになっており、2017年には2869万人と史上最高を更新しました。
観光庁の調査では、訪日外国人観光客が感じている日本の魅力は、日本食、ショッピング、温泉入浴や四季の体感などです。日本ならではの豊かな自然や文化が魅力の源泉であり、実際、地域の観光資源、魅力に磨きをかけることで、多くの外国人観光客を受け入れ、地域の活性化に結び付けることに成功している事例も、日本中で生まれています。国際観光振興というなら、そうした地道な動きを支援することこそが必要なのです。「巨大なカジノ施設さえつくれば」という安直な発想は、根本的な誤りであり、無益です。
だいたい日本進出を狙っている米ラスベガスなどの海外カジノ資本は、日本のカジノ客の8〜9割は日本人だと試算しています。カジノの標的は日本人です。
日本共産党の藤野衆院議員の調査で、超党派の国会議員でつくるカジノ議連が11年に法務省と交わしたやりとりの詳細が分かりました。カジノ議連はそこで「カジノ賭博とは、本来射幸性(ギャンブル性)の高い賭博行為であり、かつ、その射幸性のあり方は顧客の自己責任による賭け金行動に依存する」とのべています。
これはカジノの実態をよく知る推進派だからこそ言える言葉で、人の射幸心を強く刺激し、のめり込むのも自己責任だという、カジノの「異質な危険性」をあけすけに認めたものです。
カジノ上陸は、ギャンブル依存症の拡大、多重債務問題の再燃、組織暴力の介入、治安悪化、子どもたちへの悪影響など計り知れないほどの災いと不幸を、日本の社会に広げる危険性があります。
「カジノ実施法」成立を推し進める安倍政権と与党などの姿勢は許されません。安倍政権を追い詰め、参院で廃案に追い込む、国民的な闘いを広げるときです。

「カジノ実施法案」日本共産党の塩川議員の反対討論(要旨)6月19日衆院本会議

第1に、カジノ法案に国民の6〜7割という圧倒的多数が反対しているにもかかわらず、6月15日の内閣委員会で野党の審議継続を求める動議を一顧だにせず、自民、公明両党と維新の会で強行採決したことは、断じて認められません。
「カジノ法案」は、刑法で禁じられた賭博を合法化するものです。カジノは民間事業者が私的利益のために開設するもので、公益を目的として認められた公営競技とはまったく違います。ギャンブル依存症や多重債務者が増加し、生活破綻や治安悪化も懸念されます。公営競技やパチンコなど既存ギャンブルによる依存症の疑いのある人は320万人と世界で最も深刻です。
公明党の石井カジノ担当相も「カジノの弊害を心配する声が多い」と認めたのです。法案は251条の条文で、政省令事項は331項目に上ります。野党側が国民の疑問に答えるため、地方公聴会の実施など徹底審議を要求したのに対し、与党側は委員会定例日にも質疑を行わず、審議拒否を繰り返した揚げ句、わずか18時間の審議で採決を強行したのです。法案内容を国民に知らせずに押し切ろうという政府・与党の姿勢は、議会制民主主義の蹂躙と言わなければなりません。
第2に、政府は世界最高水準のカジノ規制だ、依存症対策だと言ってきました。ところが、当初想定していたカジノ面積の上限規制をも外し、世界最大規模のカジノ施設を造ろうとしています。極めて重大です。カジノ企業やカジノ誘致を目指す自治体の試算を見ても、ターゲットが日本国民であることは明らかです。IR(統合型リゾート)の収益の8割は、カジノのもうけです。そもそも人のお金を巻き上げるだけの賭博に経済効果などありません。
第3は、公営ギャンブルやパチンコでは認められていない客への金の貸し付けをカジノ企業には認めることです。賭博の胴元が客にどんどん金を貸すことができます。貸金業法では貸付限度額は年収の3分の1と決まっているのに、カジノの貸し付けには適用されません。過剰貸し付けへの歯止めもなく、依存症や多重債務者の拡大につながることは必至です。
第4に、カジノを規制するために新たに設置されるカジノ管理委員会は独立した規制機関だと言いながら、その経費を負担するのは規制されるはずのカジノ企業です。石井カジノ担当相は、カジノ管理委員会の事務局にカジノの実態を知る人=カジノ事業者を採用することもあると認めました。金も人もカジノ企業に依存するカジノ管理委員会は、カジノ推進機関になりかねません。
昨年2月、安倍総理がトランプ大統領との初の首脳会談を行った日の朝食会には、カジノ企業のトップ3人が出席しました。そのうちの1人は、トランプ大統領の最大の支援者です。安倍総理はその場で、日本のカジノ推進の取り組みを紹介しました。その後「カジノに貸し付けは不可欠だ」「カジノ面積をもっと広げろ」と要求してきたのは米国カジノ企業でした。まさに米国カジノ企業によるカジノ企業のための「カジノ事業法案」です。このようなカジノ法案は廃案にするしかありません。

7月3日、参考人が意見 参院内閣委で日本共産党の田村氏質問(カジノ解禁 認められぬ 「ギャンブル依存症対策基本法案」)

参院内閣委員会は3日、「ギャンブル依存症対策基本法案」をめぐり参考人質疑を行い、日本共産党から田村議員が質問に立ちました。
同法案は競輪・競馬などの公営賭博とパチンコの既存賭博による被害に総合的な対策を設けるもので、カジノ解禁推進の自民、公明、維新3党案(衆院通過)、カジノ反対の立憲民主、自由、社民3党案の2案が同日、一括して審議入りしました。
大阪いちょうの会幹事の山口美和子氏、独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター院長の樋口進氏、一般社団法人RCPG代表理事の西村直之氏が意見陳述し、各党議員が質問しました。
山口参考人(大阪いちょうの会)は、多重債務問題の解決に取り組むなかで、ギャンブル依存症の深刻な実態に数多く触れていることをあげ、「ギャンブルや借金で自死する人を防ぐ私たちの活動をあざ笑うようにカジノを解禁するなど到底認められない」と強調しました。
田村氏は、ギャンブル依存症治療の「ゴール」をどこにおくのかと質問。樋口参考人(久里浜医療センター院長)は「『減ギャンブル』ではなく『やめる』ことを治療目標にしている」と答えました。
田村氏が「パチンコがこれほどのめり込みを生む理由を業界はどうみているか」とただしたのに、西村参考人(一般社団法人RCPG)は「全国に1万あるパチンコ店、パチンコ機械メーカー、14もある業界団体それぞれの立ち位置で、本質的な問題がどこにあるのか共有できない」と答えました。

(註)RCPG(Resourceful Center Problem Gambling)とは
ギャンブル等依存問題への対策及び予防に関する創造的な提案と人材の育成を通じて、心豊かな社会の実現に貢献します。

問題は明らか、無益で無用な論議は止めて、廃案に

公営ギャンブル、パチンコその上に、一獲千金を夢見させる「カジノ」何としても止めさせるべきです。私もラスベガスへ2回、韓国(ソウル、釜山)へ何回も行って、見てきました。結果は想像できます。

▲ このページの先頭にもどる

トップページに戻る
以前の活動日誌はこちらからご覧いただけます
RSSフィード(更新情報)