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【18.06.26】 米朝首脳会談の歴史的意義、今後の展望を語る志位委員長(6月24日)

(要約)世界の構造変化―日本共産党綱領の生命力に確信をもって

米朝首脳会談をどうみるか
「戦争と敵対」から「平和と繁栄」へ―「新しい米朝関係の確立」を最大の目標にすえた
長年にわたって厳しく敵対してきた米国と北朝鮮が、歴史上初の首脳会談を行い、「新しい米朝関係の確立」を約束し、朝鮮半島の平和体制の構築と完全な非核化で合意した。今回の米朝首脳会談を日本共産党は「心から歓迎する」。
共同声明の論理構成がとても大事。第1項は、両国は「平和と繁栄に向けた両国国民の願いに従って新しい米朝関係を確立する」とあります。これを第1項にすえて、第2項で、両国は「朝鮮半島に永続的で安定した平和体制を構築する」、第3項で、北朝鮮は「朝鮮半島の完全な非核化に向けて取り組む」という順番になっている。
米朝首脳会談の共同声明(骨子)
新しい米朝関係の確立が朝鮮半島並びに世界の平和と繁栄に対する貢献となることを確信し、トランプ大統領と金正恩委員長は以下のように声明する。
1、平和と繁栄に向けた両国国民の願いに従って新しい米朝関係を確立することにコミットする。
2、朝鮮半島に永続的で安定した平和体制を構築する努力に参加する。
3、板門店宣言を再確認し、朝鮮半島の完全な非核化に向けて取り組むことにコミットする。
4、戦争捕虜・行方不明者の遺骨の返還にコミットする。

「具体性に乏しい」などの「否定論」や「懐疑論」をどうみるか 
歴史上初めての米朝首脳間の合意、簡単には後戻りできない重みがある
第一に、今度の首脳会談というのは、「平和のプロセスの始まり」というところに歴史的意義があるということです。だいたい、70年にわたって深刻な敵対関係を続けてきた両国の首脳が初めて会って、一回の首脳会談ですべての問題が一挙に解決するなどということはありえないことです。
第二に、「過去にも同じような合意を米朝でやっているのに、何度も裏切られてきたではないか」という議論についていいますと、「過去の合意」とは決定的に違うことがあります。それは首脳間の初めての合意だということです。

米、朝、韓、日、全世界の人々が核戦争の脅威から抜け出す扉が開かれた
第三に、何よりも重要なこととして強調したいのは、この間の南北、米朝という二つの首脳会談によって、米国、北朝鮮、韓国、日本、さらに全世界の人々が戦争の脅威、核戦争の脅威から抜け出す扉が開かれたということです。

日本共産党はどう対応してきたか 
「対話による平和的解決」を一貫して追求、情勢の節々で関係国に働きかける
日本共産党が一貫してとってきた立場は、“北朝鮮の核開発には断固反対だが、破滅をもたらす戦争だけは絶対に起こしてはならない、対話による平和的解決が唯一の解決の道だ”というものでした。
第一の節目は、昨年2月、米国のトランプ新政権がオバマ前政権時代の「戦略的忍耐」と呼ばれた政策を「見直す」と表明したときでした。「見直す」というのだったら絶対に軍事の選択肢をとるべきではない、「米国は外交交渉によって北朝鮮に非核化を迫るべきだ」と提唱しました。第二の節目は、昨年8月、米朝間で軍事的緊張が高まっていった時期です。「危機打開のため米朝は無条件で直接対話を」という声明を発表し、関係国に働きかけました。第三の節目として、今年2月の平昌五輪を大きな契機として、対話による平和的解決の歴史的チャンスが生まれてきました。日本共産党は「朝鮮半島の非核化と北東アジア地域の平和体制の構築を一体的、段階的に進めてほしい」という要請を関係6カ国政府に対して行いました。

平和のプロセスへの一つの貢献に―こういう政党は日本に他にはない」という評価も
安倍政権は米国の軍事力行使に無条件のお墨付きを与えた。「対話のための対話は意味がない」と「対話否定」「圧力一辺倒」でやってきた。日本共産党が一貫して対話による平和的解決を主張し続けたというのは、非常に鮮やかなコントラストを示した。
4月27日に歴史的な南北首脳会談が行われ、「板門店宣言」がだされ、「朝鮮半島の完全な非核化」と「年内の朝鮮戦争の終結」が宣言されました。そして6月12日の米朝首脳会談。日本共産党の一貫した主張、そして4月6日の要請の方向は、関係各国が努力していた方向とも合致し、いま起こっている歴史的な平和のプロセスへの一つの貢献となったといえる。

平和のプロセスを成功させるうえで何が大切か 
合意を具体化し誠実に履行する持続的努力、国際社会の協調、諸国民の世論と運動を
方向は明確に示されたが、具体的な履行方法はこれからの課題です。申告、検証、廃棄、検証する。「約束対約束、行動対行動」の原則がとても大事になります。

日本政府は何をなすべきか 
日朝平壌宣言を指針に、諸懸案の包括的解決、北東アジアの平和体制構築の立場で
安倍政権は、この問題について、「対話否定」「圧力一辺倒」という立場をずっと続けてきた。対話路線への転換を余儀なくされているというのが今の状況。
日朝首脳会談の実現について。日本はすでに最良の指針を持っています。それは日朝平壌宣言(2002年)です。日朝平壌宣言の考え方というのは、核・ミサイル、拉致、過去の清算など両国間の諸懸案を包括的に解決して国交正常化に進もうというものです。包括的解決とは、交渉にあたって「諸懸案に優先順位をつけない」ということです。日朝平壌宣言には、もう一つ大事な観点が書かれています。それは宣言の第4項に明記されている「北東アジア地域の平和と安定」のために「互いに協力していく」ということです。「北東アジアの平和体制をどうやって構築していくのか」ということについて、主体的な外交ビジョンをもってのぞむ必要がある。しかし日本は過去に朝鮮半島に対する植民地支配を行いました。その清算ができていない。日本として戦後処理がすんでいない唯一の国が北朝鮮です。

平和のプロセスが成功すればどうなるか 
世界史の一大転換点、地域の情勢も一変し、日本の情勢も大きく変わる
これまで安倍政権は、「戦争する国づくり」を進めるうえで、北朝鮮の「脅威」を最大の口実にしてきました。安保法制=戦争法、大軍拡、辺野古新基地、憲法9条改定―すべてにおいて北朝鮮の「脅威」が最大の口実とされてきました。この平和のプロセスが成功をおさめたら、こうした北朝鮮の「脅威」を口実にした「戦争をする国づくり」の企てはその根拠を大きく失うことになるでしょう。(+沖縄の実態)

北東アジア地域の平和秩序をどう考えるか 
日本共産党の「北東アジア平和協力構想」が現実のものになる展望が
日本共産党は、2014年の第26回党大会で「北東アジア平和協力構想」を提唱。
日本共産党の「北東アジア平和協力構想」
日本共産党が提唱する「北東アジア平和協力構想」は、次の四つの目標と原則からなっています。
(1)域内の平和のルールを定めた北東アジア規模の「友好協力条約」を締結する。
(2)北朝鮮問題を「6カ国協議」で解決し、この枠組みを地域の平和と安定の枠組みに発展させる。
(3)領土問題の外交的解決をめざし、紛争をエスカレートさせない行動規範を結ぶ。
(4)日本が過去の行った侵略戦争と植民地支配の反省は、地域の有効と協力のうえで不可欠の土台となる。

「6カ国協議共同声明」、東アジアサミット「バリ原則」―すでにその土台はある
一つは、2005年9月19日の「6カ国協議の共同声明」です。いま一つ、たいへんに重要な合意として強調したいのは、東アジア首脳会議(EAS)が2011年の11月に採択した「バリ原則」首脳宣言です。

日本の情勢はどうなるか 
在日米軍、日米安保条約の存在が根本から問われる
いま開始された平和のプロセスを成功させていく、その先には、日本共産党が綱領の大目標にしている「日米安保条約を解消して本当の独立国といえる国をつくる」という大展望が、いよいよ開かれる。

平和の激動をつくりだした根本の力は 
戦争に反対し、平和を希求する各国の民衆の力がこの変化をつくった
今起こっている歴史的な激動の根本に働いている力は、戦争に反対し、平和を願う各国の民衆の力だ。韓国の「キャンドル革命」

世界の構造変化―日本共産党綱領の生命力に確信をもって

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