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【18.06.20】 加計理事長初めて記者会見

証人喚問を 「記憶にもない、記録もない」と疑惑答えず

獣医学部新設をめぐる疑惑発覚から約1年3カ月たって、「加計学園」の加計理事長が、19日、初めて記者会見をしました。
3年前に安倍首相と会ったとされる問題について、加計氏は「記憶にもない、記録もない」と証拠も示さずに否定。疑惑にまともに答えぬまま、30分足らずで会見を終了しました。
学園は19日午前9時に突然、2時間後に岡山市内で会見することを発表。出席できる記者を厳しく限定しました。
愛媛県作成の文書は、2015年2月25日に加計氏と面会した安倍首相が「新しい獣医大学の考えはいいね」と語ったことを記録しています。面会について加計氏は「記憶にもない、記録にもない」と繰り返しました。
学園は、面会が実際にはなかったのに県に嘘の報告をしたと説明しています。加計氏は、「(担当者が)ことを前に進めるために言った」と釈明、詳しい説明を避けました。加計氏は自身の月額給与10%を12カ月間自主返納するなどとしています。
日本共産党の志位委員長は19日、ツイッターで、首相との面会が嘘ならば「『認可取り消し』を申し出なければならない大問題になる」と指摘。余りに軽い処分が「会見の虚偽を証明している」と批判。加計氏の証人喚問を求めました。

朝日、毎日、中日が証人喚問を要求

【朝日】 加計氏の説明 これでは納得できない 
問題の鍵を握る人物がようやく公の場に出てきたというのに、その説明は具体性も説得力も欠いていた。これでは到底、疑念の払拭はできない。
加計学園の獣医学部新設をめぐり、加計理事長がきのう、学園本部のある岡山市で初めて記者会見に応じた。愛媛県の文書に記されていた2015年2月の安倍首相との面会を否定し、学園の事務局長が県に虚偽の事実を伝えていたという従来の説明を繰り返した。
県の文書には、学園が首相との面会の実現に腐心したり、面会を受けて首相秘書官から資料提出の指示を受けたりしたとの記述もある。単に面会の事実を否定するだけでは、つじつまが合わない。
面会の際に学園側が提供したとされる資料が、文部科学省内に残っていたことが最近判明した。一連の県の文書の信憑性を裏付けるものだ。加計氏が面会を否定する根拠が「記憶も記録もない」というだけでは、とても信用するわけにはいかない。
加計氏は、首相が「腹心の友」と呼ぶ30年来の友人。第2次政権が発足した2012年末以降、少なくとも19回、食事やゴルフなどをともにしている。
加計氏は「仕事のことを話すのはやめようというスタンス」「(首相は)こちらの話は、あんまり興味がない」として、首相と獣医学部の話は一切したことがないと断言した。これも、にわかには信じられない。
そもそも昨日の会見の設定自体、誠実に説明責任を果たそうという姿勢から程遠かった。会見の案内は開始時間のわずか2時間前。出席者は地元の記者に限られ、東京や大阪などでこの問題を追跡してきた記者に機会を与えなかった。質問が続くなか、会見は加計氏の「校務」を理由に30分足らずで打ち切られた。
学園側の不誠実な対応は他にもある。参院予算委員会が、面会を捏造した理由や経緯などを示す資料を提出するよう求めたのに対し、「ゼロ回答」で応じたことだ。与野党そろっての要請をどう考えているのか。
加計氏の形ばかりの会見は、国会が最終盤にさしかかり、この問題の幕引きを急ぐ政権側の動きと軌を一にしている。
本紙の6月の世論調査では、面会を否定する首相と学園側の説明に「納得できない」が75%にのぼった。きのうの会見を経ても、それは変わらないだろう。会期延長が確実になったいま、国会は加計氏の証人喚問を速やかに実現し、事実関係を徹底的に問いただす必要がある。

【毎日】 加計学園理事長が初会見 軽すぎる「作り話」の始末  
加計学園の加計理事長が問題の発覚後、初めて記者会見した。
学園は2015年2月に安倍首相と加計氏が面会したと愛媛県や同県今治市に報告していたが、加計氏はそれが虚偽だったとして、担当職員を処分したことを発表した。
加計氏は県と市の関係者に「多大なるご心配とご迷惑をおかけした」と陳謝した。学園代表者として自身の監督責任を認め、給与の一部を自主返納するという。
しかし、学園からの面会報告は県職員が文書に記録していたものだ。それを起点として当時の柳瀬首相秘書官が学園と県、市の担当者に会い、獣医学部新設へ向けた国家戦略特区の手続きが進んでいった。この展開には合理性がある。
面会が虚偽であったなら、認可を得るために地元自治体をだましたことになる悪質な行為だ。
それなのに、県が文書を国会に提出してからの1カ月間、ファクス1枚を報道各社に送っただけで、理事長自ら説明しようともしなかった。
加計氏の会見について愛媛県の中村知事が「もっと早くできなかったのか」と批判したのは当然だ。
県と市は学園に計約93億円を支出することを決めている。その手続きの正当性も揺らぎかねない。納得のいかない住民も少なくないだろう。
しかも、加計氏は面会を虚偽だとする明確な根拠を示さず、「記憶にも記録にもない」と説明しただけだ。そのうえ、軽い内部処分とおわびで済ませようというのは、ことの重大さをわきまえていない。
首相は架空の面会話で名前を悪用されたことになる。それをとがめもしないのは「2017年1月まで知らなかった」という自身の国会答弁に照らして好都合だからではないか。
仮に面会が事実であれば、特区事業の決定権者である首相のお墨付きによって、まさに最初から「加計ありき」だった疑いが濃くなる。
そうした首相の姿勢が学園側の対応の軽さを助長しているようにみえてならない。加計氏がまともな説明をしないのであれば、国会が真相解明に取り組むべきだ。
野党の要求する証人喚問について加計氏は「私が決めることではない。お待ちしております」と述べた。与党が喚問を拒む理由はない。

【中日】 加計氏の会見 国会での解明が必要だ 
「一切獣医学部の話はしていない」と言うだけでは信じ難い。きのう初めて記者会見した加計学園理事長。行政の公平・公正性に関わる問題である。国会に証人喚問し、事実を解明すべきだ。
公平・公正であるべき行政判断が、安倍首相の直接または間接的な影響力で歪められたのか否か。この極めて重要な問題を報道機関に対するただ一回の会見だけで幕引きとすることはできない。
学校法人「加計学園」による獣医学部の愛媛県今治市への新設問題。県の文書には加計氏が2015年2月25日、首相と15分程度面談した際「今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指す」ことを説明し、首相から「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」とのコメントがあったと、学園が県に説明した、と記されていた。
しかし、学園側は愛媛県の文書が5月に国会提出された後、県への説明が虚偽だったとして首相と加計氏との面談を一転して否定。加計氏はきのうの会見で「記憶にも記録にもない」と強調した。
首相と加計氏の面談は本当になかったのか。獣医学部の話は両氏の間で一切していないのか。県に対しても虚偽の情報を伝えた学園の説明だ。にわかには信じ難い。
そもそも県への虚偽説明をなぜ3年以上も隠蔽したのか。県への説明を虚偽としたのも、加計氏との面談を否定し、学部新設計画を初めて知ったのは2017年1月20日だと強弁する首相を守るためではないのか。疑問は尽きない。
県文書は2015年4月、当時の柳瀬首相秘書官が県職員同席の場で「獣医学部新設の話は総理案件になっている」と話したことも記す。こうした発言が出るのも、加計氏の学部新設を「腹心の友」の首相が支援する構図を政権内で共有していたからではないか。
事実解明には加計氏に加え、虚偽説明をしたとされる渡辺良人事務局長も証人として国会に招致することが必要だ。国会は国民の疑問に応えるため、国政調査権を発動し、国権の最高機関としての役割を果たすべきである。
加計氏はきのう、虚偽説明について、渡辺氏が学部新設を「前に進めるため」だったと述べた。
たとえ加計氏の直接の指示ではないとしても、自治体に虚偽の説明をしてでも学部新設という目的を達成しようとした学園に、大学という高等教育機関の運営に携わる資格があるのか。事実解明と併せて厳しく問われるべきだろう。

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