活動日誌−活動日誌

【17.10.30】 週初めに(10月30日)

1、国会 課題山積 国会審議を軽視する姿勢 十分な審議を

11月1日召集の特別国会の会期を8日間にし、審議もせずに閉会させることを提案。野党の質問時間を減らすことも検討しています。
(1)「もりかけ」疑惑などについて、安倍首相は「国民に説明しながら選挙を行う」といいながら、選挙中の街頭演説ではこの問題に一切言及しませんでした。問題となっている加計学園の獣医学部新設は、11月前半に大学設置・学校法人審議会の可否判断となる見通しです。公平・公正であるべき行政が安倍首相に近い人物の利益のためにゆがめられたという疑惑はいっそう膨らんでいます。政府・与党は、野党が「森友・加計学園」疑惑の真相解明のための臨時国会開催を憲法に基づいて求めても無視。疑惑隠しのために臨時国会の冒頭解散を強行した揚げ句、総選挙後の国会審議も拒否するなど何の道理もありません。
(2)総選挙では、米軍新基地建設に反対する「オール沖縄」の3候補が当選。原子力規制委員会が「適合」判断を下した東京電力柏崎刈羽原発のある新潟では野党候補が4勝するなど、民意を踏みつけにしてきた安倍政権に対する強い怒りの意思が示されました。総選挙で示された民意にどう向き合うのか―。安倍政権は、国民に対して十分な説明をする必要があります。
外交・安全保障分野でも課題は山積しています。
沖縄では、民間牧草地に墜落・炎上した米軍ヘリ事故の原因説明もないまま同型機の飛行が再開され、日本政府がそれを全面的に容認する事態まで生まれています。異常な対米追随を続ける安倍政権の姿勢が問われます。
北朝鮮をめぐる情勢が緊迫するなか、安倍首相は「あらゆる選択肢がテーブルにあるという米国の方針を支持する」と繰り返し表明しています。「あらゆる選択肢」には軍事的選択肢=先制攻撃も含まれます。安倍首相は選挙中の党首討論で、日本共産党の志位委員長から「米国にはっきり軍事的選択肢をとるべきではないと迫るべきだ」と問われても明確に答えませんでした。
トランプ米大統領は11月5日から7日の日程で来日。6日には安倍首相と首脳会談を行う見通しです。日本政府がどのような姿勢で北朝鮮問題に臨むかを国会で説明し、十分に審議する必要があります。
(3)国連総会では27日、日本政府が提出した核兵器廃絶決議案が賛成国を大きく減らして採択されました。賛成国が減ったのは、決議案に「核兵器禁止条約」への言及がないことなどが要因です。核兵器廃絶に対する日本政府の消極的な態度も国会で厳しくただす必要があります。
(4)暮らしをめぐっては、社会保障費を大幅削減する財務省案が25日の財政制度審議会で示され、大問題になっています。財務省は2018年度予算編成等に反映する社会保障改悪を提示。診療報酬と介護報酬の引き下げ、生活保護の医療扶助の改悪などで社会保障費を削減する方針です。消費税増税を迫りながら、総選挙が終わった途端に、社会保障費の削減を具体化する安倍政権の姿勢が根本から問われています。

2、森友・加計疑惑

森友・加計疑惑“逃げ”さらに“質問封じ”安倍首相 野党の質疑時間削減を指示
「森友・加計疑惑」の追及から逃れるために臨時国会の冒頭解散・総選挙を行った安倍首相が今度は、疑惑の真相究明を求める野党の国会での質問時間を減らそうと“質問封じ”の画策に乗り出しています。選挙で多数を得た上の驕りに他なりません。
安倍首相は27日、「与党2割、野党8割」の質疑時間配分を見直して与党の持ち時間を拡大するようにとの自民党議員の要望を受け、萩生田幹事長代行に対して、配分見直しに取り組むよう指示しました。
安倍首相は総選挙後の会見(23日)で、「森友・加計疑惑」の野党側の追及を意識して「今まで以上に謙虚な姿勢で真摯な政権運営に全力を尽くさなければならない」と発言していました。野党側の質問時間を削減するのは、首相自らの発言にも反します。
菅官房長官は27日の記者会見で、「議席数に応じた質問時間の配分という主張は、国民からすればもっともな意見だ」と“理解”を示しました。しかし、議院内閣制では与党と内閣の方針は基本的に一致しており、国政をチェックするために野党に多くの質問時間を保障するのは当然です。
野党に対する“質問封じ”の要望は、自民党の石崎衆院議員ら当選3回有志が、同党の森山国対委員長に行ったもの。
自民党は疑惑をめぐる7月の首相出席の閉会中審査に向けた野党との協議でも、与野党の質問時間を「1対1」にしない限り開催は拒否するとの姿勢を示していました。
「謙虚」発言にも反する 小池晃書記局長
総選挙では、民意にそむく安倍政治に対して、国民から怒りと批判がわき起こりました。その声が突きつけられると、安倍首相は選挙中も選挙後も「謙虚に向き合う」「丁寧に説明する」と繰り返しました。野党側の質問時間を削減するのは、自らの発言にも反することです。
議院内閣制では、与党と内閣の方針は基本的に一致しているのだから、野党の質問時間を削ってしまったら、国政をチェックする役割が果たせなくなり、議会が政府の翼賛機関になってしまいます。だから、野党に多くの質問時間を保障するのが当然であり、今までも自民党はそうしてきました。
これは明らかに野党の質問封じであり、国民と国会に対して「謙虚に」説明するという姿勢とはかけ離れた対応です。絶対に認めることはできません。
“みそぎ”なんてとんでもない 加計疑惑 首相の関与こそ焦点
安倍首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設申請について、文部科学省の審議会は、11月前半にも審査結果を出す見通しです。安倍首相は新設をめぐる疑惑について、「丁寧な説明」を約束しました。実際には、総選挙中もその後も、「丁寧」に説明しないままです。安倍首相ら疑惑に関わった政治家は再選しましたが、“みそぎ”が済んだわけではありません。(三浦誠)
選挙終え認可へ一直線
加計学園は、安倍首相肝いりの政策である国家戦略特区で獣医学部新設の事業者に認定されました。
経緯を知る自民党関係者は言います。「あとは文部科学省の設置認可を待つだけだ。安倍首相も、総選挙で国民が信任してくれたとして、加計疑惑をこれ以上、説明しないだろう」
加計学園の獣医学部は、文科省の大学設置・学校法人審議会(設置審)で認可申請の可否を審査中です。林文科相は27日の閣議後記者会見で11月前半に審査結果が出る見通しであることを明らかにしました。
文科省は獣医学部の新設を禁じていました。農林水産省は獣医師の需給が足りていると判断していたからです。その獣医学部新設を規制緩和するにあたり安倍内閣は2015年6月30日の閣議決定で、「既存の獣医師養成でない構想の具体化」など4条件をつけました。
文科省関係者は、「設置審では、4条件を審査しない」として、こう解説します。「設置審は教員数や施設などの基準をクリアしていれば認める」
選挙が終われば、説明責任を果たさぬまま認可へ一直線、というのです。
苦しい首相の答弁変更
仮に認可されても、安倍首相の疑惑は残ります。
安倍首相は6月の参院決算委員会で、加計学園の獣医学部設置の意向を知ったのは、愛媛県と同県今治市が国家戦略特区に提案した昨年6月4日だと答弁していました。加計理事長から「時代のニーズに合わせて新しい学部や学科の新設に挑戦していきたいという趣旨の話は聞いたことがある」(衆院予算委員会)とも述べていました。
ところが7月24日の衆院予算委員会で突然、加計学園の意向を知ったのは同学園が事業者に決まった今年1月20日だった、と答弁を変えたのです。
実は、当初答弁のように、知ったのが昨年6月4日だとすると、安倍首相にとって不都合なことになるのです。この時、今治市が提案した資料には「加計学園」の文字はありません。あくまでも提案は愛媛県と今治市で、事業者は後に公募で決まる仕組みだからです。この時点で安倍首相が「加計学園だ」と知っていたならば、「誰から聞いたのか」と問題になります。
国家戦略特区に関わった文科省関係者は、こう指摘します。
「安倍首相の答弁変更は相当苦しい。加計学園が前提だったので、最初はうっかり答弁したのではないか」
潔白いうなら証人喚問を
安倍首相は衆院選開票翌日の記者会見(23日)で、「前川文科省前次官も含めて、私から依頼された、また指示を受けたという方は一人もいなかった」とも述べています。選挙中のテレビ討論でも、まったく同じ言葉を繰り返してきました。
しかし、この間明らかになった内部文書や証言は、いずれも安倍首相がからんだものとなっています。
和泉首相補佐官が、前川前次官に「総理は自分の口から言えないから、私が代わりに言う」と加計学園の獣医学部設置を進めるよう迫った。
内閣府が文科省に18年4月開学は、「総理のご意向」と説明した。
萩生田官房副長官(当時)が「官邸は絶対やると言っている」「総理は『平成30年(2018年)4月開学』とおしりを切っていた」と文科省側に伝えた。
文科省関係者は「内部文書などからはっきりしているのは、総理の意向が『平成30年4月開学』ということだ」と指摘します。
また柳瀬首相秘書官(同)も、15年4月2日に官邸で今治市の担当者と面会していたのではないかと国会で追及されました。柳瀬氏は「記憶がない」「記録をとっていない」とかわしています。
「総理のご意向」を証明する側は、記録も記憶もあります。かたや安倍首相の関与を否定する側は、記録も記憶もないとするばかり。安倍首相は“潔白”を主張するなら、加計理事長ら関係者の証人喚問に応じるなど国会で徹底審議をすべきです。

3、「核兵器禁止条約」と日本の核廃絶決議案

核禁止条約「歓迎」を決議 国連第1委 賛成118カ国 日本は反対
国連本部で開催中の国連総会第1委員会(軍縮・国際安全保障)は27日、核兵器に関する一連の決議案の採決を行い、7月の核兵器禁止条約の採択を歓迎し、全加盟国に早期の署名・批准を呼びかける決議案を賛成多数で採択しました。日本は昨年に続き、核保有国と歩調をそろえ反対票を投じました。
採決結果は、賛成118、反対39、棄権11。年内に国連総会本会議の場で採決されて正式な決議となり、禁止条約の採択を国際社会として歓迎する初めての総会決議となる見通しです。
この日だけで禁止条約を「歓迎」する趣旨を含んだ決議案が、計4本採択されました。
昨年、禁止条約の交渉開始を同委員会で決めたオーストリア主導の決議案は、「核兵器禁止条約が核軍縮に向けた必要不可欠の貢献をなす」と強調。条約交渉における国際機関や市民社会の貢献を認め、来年の国連総会の議題に条約を追加することも提案しています。この決議案に対し、米英仏中ロの核保有5カ国と核不拡散条約(NPT)に入っていない核保有国のインド、パキスタン、イスラエル、核保有国の同盟国が反対票を投じました。北朝鮮は棄権しました。
日本の核廃絶決議案をめぐっては、この日も各国から批判が続出。賛成144、反対4、棄権27で、昨年に比べて賛成が23票減り、棄権が10票増えました。
禁止条約賛成国の外交筋は、核保有国からの圧力の下でも小さな国々が主張を貫き、「禁止条約が国連加盟国のほぼ3分の2の支持を維持したのは重要なことだ」と話しました。

核兵器禁止条約言及なく「国際社会に困惑」日本の決議 賛成23減国連総会第1委
国連総会第1委員会(軍縮・国際安全保障)は27日、日本政府が提出した核廃絶決議案を賛成144、反対4、棄権27で採択しました。賛成が昨年の167カ国から23票減り、棄権が17カ国から10票増加。核兵器禁止条約の採択で中心的役割を果たしてきた国が、禁止条約への言及がない事や、核軍縮の国際的な到達点から大きく後退した表現に反発し、軒並み棄権に転じました。
共同提案国の数も昨年の109カ国から77カ国程度にまで減少。今年新たに棄権したのは、オーストリアやブラジル、コスタリカ、ニュージーランド、南アフリカなど。反対は、中国、北朝鮮、シリア、ロシアで昨年と変わらない一方、昨年棄権した核保有国の英仏や、米国が賛成しました。
この日の意見表明でも、日本の決議案に対し禁止条約へ言及がないことは「あり得ない」(ナイジェリア)「過去の決議からの逸脱」(ニュージーランド)「国際社会の自明の理を掘り崩している」(メキシコ)など、決議案に賛成した国も含め、厳しい批判が出されました。
棄権票を投じた禁止条約推進国の外交官は、日本の決議案が多くの国の間に「困惑と新たな論争」を広げ、今会期の「後ろ向きの意味での見どころ」になったと評し、日本政府が主張する核保有国と非保有国の「橋渡し」の役割に程遠い現状を嘆きました。
別の外交官は、棄権票の増加は「日本へのメッセージだ」とくぎを刺し、今後の対応を見たいと話しました。
日本の決議案は、禁止条約へ一切言及がない代わりに、核廃絶に「さまざまなアプローチがある」と条約への不参加を正当化。2000年の核不拡散条約(NPT)再検討会議で合意された、核廃絶を達成するとの「核兵器国の明確な約束」などの文言を削った上、核兵器使用の非人道性に対する表現も後退させました。
日本の高見沢将林軍縮大使は採決後、北朝鮮の核開発など、今年の「顕著な現象」を踏まえて「核兵器国も含めて、共通の基盤をつくるべく努力した」と述べ、保有国寄りの決議案を釈明しました。

▲ このページの先頭にもどる

トップページに戻る
以前の活動日誌はこちらからご覧いただけます
RSSフィード(更新情報)