活動日誌−活動日誌

【17.10.13】 昨日、今日と朝日新聞が頑張っている。

安倍首相 説明になっていない 森友学園・加計学園をめぐる首相の説明責任のあり方(10月12日)

安倍政権の5年が問われる衆院選である。
安全保障関連法やアベノミクス、原発政策など大事な政策論議の前にまず、指摘しておかねばならないことがある。
森友学園・加計学園をめぐる首相の説明責任のあり方だ。
首相やその妻に近い人が優遇されたのではないか。行政は公平・公正に運営されているか。
一連の問題は、政権の姿勢を問う重要な争点である。
党首討論やインタビューで「森友・加計隠し解散だ」と批判されるたびに、首相はほぼ同じ言い回しで切り返す。
首相の友人が理事長の加計学園の獣医学部新設問題では「一番大切なのは私が指示したかどうか」「国会審議のなかで私から指示や依頼を受けたと言った方は1人もいない」という。
首相自身の指示がなければ問題ないと言いたいのだろう。
だが、それでは説明になっていない。
首相に近い人物が指示したり、官僚が忖度したりした可能性を否定できないからだ。
実際に、「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」と記された文書が文部科学省に残っている。
首相は、愛媛県の加戸前知事が国会で「ゆがめられた行政が正されたというのが正しい」と述べたことも強調する。
しかし加戸氏の発言は、長年にわたって要望してきた学部設置が認められたことを評価したものだ。選定過程の正当性を語ったものではない。
そもそも加戸氏は2年前の国家戦略特区の申請時には知事を引退していた。省庁間の調整作業や特区をめぐる議論の内実を知る立場にない。
森友学園に関しては、妻昭恵氏と親交があった籠池前理事長とは面識がないことと、「籠池さんは詐欺罪で刑事被告人になった」ことを指摘する。
そのうえで、昭恵氏の説明責任については「私が何回も説明してきた」と言うばかり。
昭恵氏にからむ疑問に対して、首相から説得力ある答えはない。
昭恵氏はなぜ学園の小学校の名誉校長に就いたのか。8億円以上値引きされた国有地払い下げに関与したのか。昭恵氏が渡したとされる「100万円の寄付」の真相は。
事実関係の解明にはやはり、昭恵氏自身が語るべきだ。
首相が国民に繰り返し約束した「丁寧な説明」はまだない。首相はどのように説明責任を果たすのか。それは、選挙戦の大きな争点である。

安保法と憲法9条 さらなる逸脱を許すのか(10月13日)

「憲法違反」の反対論のうねりを押し切り、安倍政権が安全保障関連法を強行成立させてから、初めての衆院選である。
安倍首相は、安保法によって「はるかに日米同盟の絆は強くなった」「選挙で勝って、その力を背景に強い外交力を展開する」と強調する。
安保法に基づく自衛隊の任務拡大と、同盟強化に前のめりの姿勢が鮮明だ。
混沌とした与野党の対決構図のなかで、安保法をめぐる対立軸は明確である。
■「国難」あおる首相
希望の党は公約に「現行の安保法制は憲法に則り適切に運用する」と掲げた。
同法の白紙撤回を主張してきた民進党の前議員らに配慮し、「憲法に則り」の前置きはつけた。ただ、小池代表は自民、公明の与党と同じ安保法容認の立場だ。
これに対し立憲民主、共産、社民の3党は同法は「違憲」だとして撤回を求める。
首相は、北朝鮮の脅威を「国難」と位置づけ、「国際社会と連携して最大限まで圧力を高めていく。あらゆる手段で圧力を高めていく」と力を込める。
たしかに、核・ミサイル開発をやめない北朝鮮に対し、一定の圧力は必要だろう。だからといって軍事力の行使に至れば、日本を含む周辺国の甚大な被害は避けられない。
平和的な解決の重要性は、首相自身が認めている。
それでも「国難」を強調し、危機をあおるような言動を続けるのは、北朝鮮の脅威を自らへの求心力につなげ、さらなる自衛隊と同盟の強化につなげる狙いがあるのではないか。
安倍政権は、歴代内閣が「違憲」としてきた集団的自衛権を「合憲」に一変させた。根拠としたのは、集団的自衛権について判断していない砂川事件の最高裁判決と、集団的自衛権の行使を違憲とした政府見解だ。まさに詭弁というほかない。
■枠を越える自衛隊
その結果、自衛隊は専守防衛の枠を越え、日本に対する攻撃がなくても、日本の領域の外に出て行って米軍とともに武力行使ができるようになった。
その判断は首相や一握りの閣僚らの裁量に委ねられ、国民の代表である国会の関与も十分に担保されていない。
安保法の問題は、北朝鮮への対応にとどまらない。
国民の目と耳の届かない地球のどこかで、政府の恣意的な判断によって、自衛隊の活動が広がる危うさをはらむ。
しかも南スーダン国連平和維持活動(PKO)で起きた日報隠蔽を見れば、政府による自衛隊への統制が機能不全を起こしているのは、明らかだ。
来年にかけて、防衛大綱の見直しや、次の中期防衛力整備計画の議論が本格化していくだろう。自民党内では、大幅な防衛費の増額や敵基地攻撃能力の保有を求める声が強い。
報道各社の情勢調査では、選挙後、自公に希望の党も加わって安保法容認派が国会の圧倒的多数を占める可能性がある。
そうなれば、国会の関与がさらに後退し、政権の思うがままに自衛隊の役割が拡大する恐れが強まる。
今回の衆院選は、安倍政権の5年間の安保政策を問い直す機会でもある。
安保法や特定秘密保護法。武器輸出三原則の撤廃、途上国援助(ODA)大綱や宇宙基本計画の安保重視への衣替え……。
一つひとつが、戦後日本の歩みを覆す転換である。

次に首相がめざすものは、憲法への自衛隊明記だ。自民党は衆院選公約の重点項目に、自衛隊を明記する憲法改正を初めて盛り込んだ。
安保法と、9条改正論は実は密接に絡んでいる。
■民主主義が問われる
安保法で自衛隊の行動は変質している。その自衛隊を9条に明記すれば、安保法の「集団的自衛権の行使容認」を追認することになってしまう。
「(安保法を)廃止すれば日米同盟に取り返しのつかない打撃を与えることになる」
首相は主張するが、そうとは思えない。
立憲民主党などが言う通り、安保法のかなりの部分は個別的自衛権で対応できる。米国の理解を得ながら、集団的自衛権に関する「違憲部分」を見直すことは可能なのではないか。
衆院選で問われているのは、憲法の平和主義を逸脱した安倍政権の安保政策の是非だけではない。
この5年間が置き去りにしてきた物。それは、憲法や民主主義の手続を重んじ、異論にも耳を傾けながら、丁寧に幅広い合意を築いていく。そんな政治の理性である。
「数の力」で安保法や特定秘密法を成立させてきた安倍政権の政治手法を、さらに4年間続け、加速させるのか。
日本の民主主義の行方を決めるのは、私たち有権者だ。

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