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【17.05.11】 朝日社説が2日続けて憲法70年、赤旗は安倍首相は憲法尊重擁護義務(憲法99条)を投げ捨てた

教育をだしにするな、首相は身勝手が過ぎる 

憲法70年 教育をだしにするな 朝日社説 5月10日
本気で取り組む気があるのなら、できるところからどんどん実行すればいい。わざわざ憲法を持ち出す意図は何なのか。
安倍首相が高等教育(大学)の無償化を憲法にうたうことに前向きな姿勢を示した。
日本は教育支出を家計負担に頼る割合がきわめて高い。
例え貧しくても、意欲と能力があれば、高校や大学に進める。夢をかなえる道が公平に開かれている―。そんな社会をめざすこと自体に、ほとんどの人は異論がないだろう。
けれども、国民が求めているのは「教育無償化」であって、「教育無償化を口実とした改憲」ではない。世論調査の結果からも、それは明らかだ。
そもそも無償化は改憲しなくてもできることだ。憲法26条は「義務教育は、これを無償とする」と定めるが、範囲を広げることを禁じてはいない。
だからこそ、民主党政権で高校無償化が実現した。それを、ばらまきだ、投資に見合う効果がないと批判し、所得制限をつけたのは安倍政権ではないか。
その後の教育機会を保証する政策も十分とは言いがたい。
大学や短大などに進む学生向けに、返さなくていい「給付型奨学金」の導入がやっと決まった。だが、対象は1学年あたり約2万人だけ。所得の低い家庭から進学する若者の3分の1しかカバーできない。
また、自民党が無償化を公約に掲げてきた幼児教育に目を向けると、たしかに低所得や一人親の家庭などを優先した無償化が段階的に進んではいる。だがそれ以前に保育園の絶対数が足りず、割高な認可外の施設に通う子どもが18万人近くいる。
文部科学省の試算によると、幼児教育から大学までの無償化を実施するには、追加で今の文教予算とほぼ同じ規模の4兆円強がかかる。一方で年金や介護にも多額のお金が要る。
消費増税を2度も先送りした政権は、こうした財源をどうやって賄うつもりなのか。首相が憲法改正にまで踏みこむ以上、確保の道筋を示し、国民に相応の負担をする覚悟を求めなければ、無責任に過ぎる。
改憲による「全ての教育の無償化」は、もともと日本維新の会が掲げてきた。維新を取り込む手段として教育を持ち出し、9条改定につなげる狙いであれば、有権者と憲法をあまりにもないがしろにした行いだ。
無償化は法律の制定と予算の手当て、つまり政権担当者の意欲次第で実現できる。首相が改憲の目標とする2020年まで待つ必要は、まったくない。

憲法70年 首相は身勝手が過ぎる 朝日社説 5月11日
きょう予定されていた衆院憲法審査会の開催が見送られる。安倍首相の憲法改正をめぐる発言に野党が反発した。改憲を悲願とする首相の振舞いが、国会での議論を停滞させている。皮肉な話である。
首相は先週、9条に自衛隊の存在を明記し、2020年に改正憲法の施行をめざす考えを、読売新聞のインタビューと憲法記念日の改憲派集会に寄せたビデオメッセージで示した。
だが、そもそも憲法のどの条項をどう変えるかを国民に発議する権限を持つのは国会だ。
行政府の長である首相が、その頭越しに具体的な改憲項目や目標年限を示せば、与野党を超えた幅広い合意をめざしてきた憲法審が混乱するのは当然である。
それでも首相が改憲という重大な発信をした以上、国会の場でその狙いや中身をただすのは野党の当たり前の仕事だ。これに誠実にこたえ、真意を説明する責任が首相にはある。
だが国会での説明責任を、首相はあまりにも軽く見ている。
衆院予算委員会で発言の意図を問われた首相は、国会審議には首相として出席しており、インタビューなどは自民党総裁として語ったことだと答弁。「自民党総裁の考え方は読売新聞に書いてある。ぜひ熟読していただいてもいい」と述べた。
首相と自民党総裁の肩書の、なんとも都合よい使い分けである。国会議員の背後に多くの国民の存在があることを忘れた、おごった発言だ。
野党の質問の多くにまともに答えない一方で、首相は「民進党も具体的な提案を出していただきたい」と挑発した。
これも、手前勝手な「自己都合」の押しつけである。
報道各社の世論調査を見ても国民の大半が改憲を望む状況にはない。なのに何故、野党が改憲案を示す必要があるのか。
首相は国会で「(改憲発議に必要な衆参の)3分の2を形成し、かつ国民投票で過半数を得ることができる案は何かを考えるのが、政治家の責任ある行動だ」と述べた。
首相が、日本維新の会が掲げる教育無償化を改憲項目にあげたのはその為だろう。3分の2を確保するために「教育」を道具に使う。そんな政局的思惑が見える。
自らの自民党総裁3選を視野に、東京五輪が開かれる2020年に、首相として改正憲法を施行したい―。首相は結局、自己都合を自公維の数の力で押し通すつもりなのか。 1強の慢心と言うない。

安倍首相、予算委の答弁 憲法尊重擁護義務(憲法99条)投げ捨てた

憲法施行70周年にあたっての読売新聞でのインタビューや改憲派集会へのメッセージで、2020年に自衛隊の存在を明記した改憲を施行すると表明した安倍首相が、衆参予算委員会での答弁で、「自民党総裁としてのもの」「『読売』を熟読してほしい」と無責任な発言を繰り返す一方、「9条改憲を優先させる」と前のめり姿勢を浮き彫りにしました。首相が改憲の時期や中身に踏み込んだのは重大です。首相や閣僚などに憲法を尊重し擁護する義務を定めた99条を守る立場が全くありません。安倍首相のもとでの改憲阻止がいよいよ急務です。
自民党内でも異常な改憲派で知られる安倍首相はこれまでもことあるごとに現在の憲法は「押し付け」だとか「歴史的使命」だとか改憲を主張し続けてきました。しかし、自民党が政権に復帰し第2次政権を発足させて以降、改憲の時期や改憲の内容を具体的に語るのは避けてきました。首相の改憲表明は、改憲を求めていない国民の声に逆らうものだからです。
首相は今回、東京オリンピック・パラリンピックが開かれる20年に改憲を施行したいと時期を明示しました。改憲には国会での発議、国民投票などが必要であり、20年施行は差し迫った問題です。まさに政治的利用であり、自らの自民党総裁の任期延長をにらんだ“個利個略”が本質です。
首相は憲法9条の戦争を放棄した1項と戦力不保持、交戦権否認の2項はそのままで、3項に自衛隊の存在を書き込むといいますが、現在の自衛隊は安保法制=戦争法の施行で海外でのアメリカの戦争に参加することまで可能にしています。1項、2項と矛盾する自衛隊の存在を3項に明記することは、深刻な矛盾を憲法に持ち込むことで1項や2項を「空文化」させる危険があります。戦争放棄や戦力不保持、交戦権否認など憲法に盛り込まれた平和主義は国民主権や基本的人権の尊重とともに憲法の根幹であり、憲法そのものを「空洞化」させる重大な改憲を認めるわけにはいきません。
これまで政府は9条があるから海外派兵や集団的自衛権行使、武力行使のための国連軍参加はできないと説明してきました。改憲で9条が「空文化」すれば大手を振って海外派兵することになるのか。自民党はもともと9条2項を廃止し、自衛隊を「国防軍」に変え、海外派兵などを進める「改正草案」を準備しています。日本共産党の小池晃書記局長が参院予算委でこのことを指摘しても安倍首相は「草案」を否定しません。自衛隊の存在を憲法に盛り込む危険性はいよいよ明らかです。
安倍首相は答弁で、9条を優先して改定する意向を示し、国会の憲法審査会での改憲案づくりを求めました。改憲を先導する首相の姿勢は極めて異常です。
憲法99条は、国務大臣、国会議員などは「憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と明記しています。安倍首相の態度は憲法の「尊重擁護義務」を真正面から踏みにじっています。行政府の責任者である首相が、憲法「尊重擁護義務」を踏みにじり、立法府の憲法審査まで牛耳ろうというのは二重三重に言語道断です。首相の改憲策動阻止に全力をあげるときです。

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