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【17.04.13】 昨日、「介護保険法等改悪案」を自公が突然強行採決(「森友」質問を理由に)

労働者・障害者ら怒り 審議差し戻しを

介護サービスの自己負担割合の引き上げなどを盛り込んだ「介護保険法等改悪案」について、自民、公明は12日の衆院厚生労働委員会で質疑を一方的に打ち切り、採決を強行しました。
自民党は、民進党が「森友問題」で安倍首相に質問したことをあげ、「信頼が壊された」として突然、一方的に質疑終局と採決を求める動議を提案し、与党と維新の多数で採決を強行しました。日本共産党と民進党は、与野党で協議していた日程も無視したもので論外だと厳しく抗議。委員会へ差し戻し質疑を続けるよう求めました。
「介護保険法等改悪案」は、自己負担割合を一定所得のある人を対象に3割へ引き上げます。40歳から65歳の保険料を収入に応じて計算する「総報酬割」を導入。利用者の自己負担増と、「地域共生」の名で医療、介護、福祉などの公的サービスを縮小する狙いを盛り込んでいます。
安倍首相が出席した同日の委員会質疑で日本共産党の堀内議員は、「(法案は)負担増のみならず、『我が事・丸ごと』地域共生の社会づくりなど一層の自助・互助を強め、福祉のあり方を大きく変質させるものだ」と指摘。堀内議員が2割負担への引き上げの影響についてまともな検証もないのに、新たな負担増を強行しようとする安倍政権の姿勢を批判したのに対し、安倍首相は「制度の持続可能性」などを口実に「引き続き適切な利用者負担をお願いする」などの答弁に終始しました。
堀内議員は財務省の改革工程表に「軽度者」へ生活援助サービスの切り捨てが検討されていることを批判し、撤回を求めました。

包括ケア・介護法案 地域の公的支援 後退させるな

【13日主張より】
自民・公明の与党が衆院厚生労働委員会で、安倍内閣提出の「地域包括ケアシステム強化のための介護保険法改定案」の採決を強行しました。同法案は、一定所得以上の人の利用料を3割負担にする介護保険改悪にとどまらず、「地域共生社会の実現」の名で、高齢者、障害者、障害児などの施策に対する国・自治体の公的責任を大幅に後退させかねない仕組みづくりも盛り込んだ重大なものです。一括して改定する法案数は約30にのぼります。地域の社会保障の将来に影響を与え、暮らしに深くかかわる法案を、数の力で押し通すことは許されません。
改悪法案は(1)利用料3割負担を介護保険に初導入するなどの制度改悪(2)「自立支援・重度化防止」などをうたった「地域包括ケアシステムの深化・推進」が柱です。
3割負担は、一昨年8月から2割負担に引き上げられた約45万人のうち、年金収入等340万円以上(単身者の場合)などの人(約12万人)が来年8月から対象になります。「2割」などによって負担に耐えられず特別養護老人ホームを退所したケースもうまれているのに、その実態をまともに把握せず、負担増ばかり迫る安倍政権のやり方に医療・介護の関係者、家族らが怒りを広げています。
全市町村が介護の「自立支援・重度化防止」に取り組むことの「制度化」も大きな問題をはらんでいます。“介護費用を抑制”した地方自治体にたいする国の財政支援を手厚くするというものです。いまでも介護保険から利用者を無理に「卒業」させたり、介護認定を厳格化し「門前払い」したりしている一部自治体のやり方に批判・懸念が寄せられています。この手法をモデルにするかのような法案は、必要な介護から利用者を締め出す事態を続発させかねません。
「地域共生社会」の名目で高齢者、障害者などへの施策をひとまとめにする「『我が事・丸ごと』地域づくり・体制の整備」は危ういものです。法案では、“福祉サービスを必要とする人たちが孤立しないよう、地域住民が支援する”ことを求める条文を社会福祉法に新設するなどとしています。
これが公的な社会保障費の削減路線と結びつき、国や自治体が地域福祉から手を引き、地域住民の「自助・互助」に役割を押し付けることにつながるとの警告が障害者団体などから相次いでいます。
塩崎厚労相は「我が事・丸ごと」施策について「新しい福祉の哲学の転換」と位置づけ、“地域の助け合い”は「日本の原風景」に戻すものとも表明しています。高齢者、障害者などの施策を自主努力や助け合いに“丸投げ”することは、いまでも弱まっている地域の社会保障の仕組みをさらに不安定にする危険な方向です。
高齢者と障害者の施策を一体化する方向を強めることにも障害者・家族の異論が上がっています。
地域福祉のあり方を大きく変える法案を、当事者となる障害者らの声や、自治体や地域からの意見を聞く機会も設けないまま、国会審議を急ぎ、法案採決に突き進んだことは乱暴きわまる暴挙です。
住民に負担を強いる制度改悪をやめさせ、国に社会保障の増進義務を定めた憲法25条に基づく政治へ転換させることこそ必要です。

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