活動日誌−活動日誌
【16.10.15】 今日は、名古屋大学ホームカミングデイ「環境と経済が共存する持続可能社会の実現に向けて」に行ってきました。
宮本憲一先生（平成２８年日本学士院賞受賞、元滋賀大学長、大阪市立大学・滋賀大学名誉教授）の学術講演「アジアへ日本公害史の教訓を −公害は終わらない」を聞き、討論会も見てきました。
１、タイトルは「日本公害史の教訓をアジアと現代の日本へ」宮本憲一（講演の骨子）
（１）「恐るべき公害」の出版、開発とは福祉を向上させるもの、郊外のコストが経済学に生かされていない、環境経済学の出発（原点）
「戦後日本公害史論」の社会意義、�仝�害をどの様に克服したか、�▲▲献△任凌執錣文�害解決は、中国・韓国で評価、日本以上に日本公害史の歴史的教訓が注目されている
世界共通の３大社会問題（戦争＝平和、環境破壊、貧困問題）
環境破壊＝公害、地球環境の変化→自然環境の破壊（アメニティ質の悪化）→生活環境の侵害→公害問題（公害病→死亡）
（２）公害先進国、４大公害（熊本水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市公害）
自然・景観の破壊（海岸の埋め立て）
（３）公害の社会的特徴（�“鏗欧論己�的弱者、��被害は社会的弱者に集中する、��絶対的不可逆的な被害）、事後に経済的補償をしても再生できない（予防が必要）、生物的弱者＝年少者・高齢者・病弱者
（４）公害は個別企業の失敗だけではなく、経済成長優先の政治経済社会の構造的欠陥による（６点ほど指摘―略）
（５）公害問題解決の２つの道、�〇毀臼親亜併暗隋�沼津・清水の例）、公害対策基本法（１９６７）、環境庁（１９７１）、��公害裁判、疫学を採用、公害健康被害補償法（１９７４）
（６）公害対策の成果、有害物質と企業投資の変遷
（７）ＯＥＣＤの日本環境政策レビュー（１９７７）、�‘�本は数多くの郊外防除の戦闘には勝利したが、環境の質を高める戦争には勝利を収めていない、�∋埔譽瓮�ニズムを使わないで、下からの住民運動に支えられた３万件の｢公害防止協定｣、自治体の規制行政と公害裁判と言う直接規制によって問題が解決した、�Ｆ�本的ＰＰＰ（汚染者負担原則）によって、被害者の救済費や貯蓄型の公害防止費用を原因者の企業に負担させた、�た由文△惑Г瓩蕕譴燭�、環境権は未定、予防政策、行政の縦割り是正、住民参加は遅れている
（８）環境政策の市場化（５０兆円、１５０万人の雇用）
環境政策の手段の変化、�…樟楜�制（行政司法）、��経済的手段（課徴金・補助金・環境税・排出権取引）、�４超�教育による自主規制、７０−８０年代は日本の環境政策が世界をリードしていたが、今はＥＵ特に北欧・ドイツがリードしている
（９）公害は終わらない、水俣病の救済は終わらない、原発事故、アスベスト労災・公害、沖縄辺野古新基地問題
（１０）日本の教訓を中国へ、
（１１）歴史は未来の道標、環境を美しくしたい
討論会（パネルデスカッション）
討論者：宮本憲一（同上）、南川秀樹（元環境省事務次官）、阿部眞一（トヨタ自動車株式会社ＨＶシステム制御開発部長）、薛進軍（経済学研究科国際経済政策研究センター教授）、司会：若狭敬一（ＣＢＣテレビアナウンサー）
産学官より意見が出された。
産 トヨタのＨＶ戦略と今後
学 中国の話
官 中国問題に言及し、中国は頑張っているが、国と地方の違いが大きい点を指摘
宮本先生からは最後に、大学に環境経済学の講座の新設と国立大の研究費が削られている問題や、学際的な基礎研究の大切さが訴えられた。
