活動日誌−活動日誌

【16.05.04】 憲法記念日の日本共産党志位委員長の発言から2つ(5・3憲法集会とNHKの特集)

三つの旗印を高く掲げ、参議院選で必ず勝利しよう

第1の旗印――憲法違反の安保法制=戦争法はきっぱり廃止する
集団的自衛権の行使とは、日本に対して武力攻撃をしていない国に対して、日本の側から武力の行使をするということです。それは、相手国から見れば、事実上の日本による先制攻撃となります。それは、相手国に日本を攻撃する大義名分を与えることになります。国民の命を守るのでなく、進んで危険にさらす――ここにこそ集団的自衛権の本質があるのではないでしょうか。
日本を「殺し、殺される国」にしてはなりません。安保法制=戦争法は廃止するしかありません。

第2の旗印――日本の政治に立憲主義を取り戻す
今これだけ立憲主義ということが問題になっているのはどうしてでしょうか。「憲法によって権力を縛る」という立憲主義に反する政治が横行しているからです。「9条のもとでは集団的自衛権行使は許されない」という戦後60年余の政府の憲法解釈を百八十度覆す。野党が憲法53条にもとづいて行った臨時国会召集要求を握りつぶす。「放送局の電波を停止する」などという憲法破りの発言を平気で行う。安倍首相には、自分が憲法によって縛られている自覚がまったくない。このような救いがたい人物はお引き取り願うしかありません。

第3の旗印――安倍政権による憲法改定を許さない
「自民党改憲案」を許していいのかどうかは参議院選挙の大争点です。「自民党改憲案」は、9条2項を削除して、「国防軍」を書き込み、海外での武力行使を無条件で可能にするものとなっています。「緊急事態条項」という事実上の「戒厳令」に道を開く毒薬が盛り込まれています。「公益及び公の秩序」の名で基本的人権を制約しようとしています。「憲法を憲法でなくしてしまう」――憲法で権力を縛るのでなく、憲法によって国民を縛るものへと大変質させる企てを、断固として拒否しようではありませんか。

日本国憲法の先駆的な輝きを生かした新しい政治を
日本国憲法は、9条という世界で最も進んだ恒久平和主義の条項を持ち、30条にわたるきわめて豊かで先駆的な人権条項が盛り込まれています。変えるべきは憲法ではなく、憲法をないがしろにした政治ではないでしょうか。
野党と市民の共闘を必ず成功させ、選挙に勝ち、安倍政権を倒し、日本国憲法の先駆的な輝きを生かした新しい政治をつくろうではありませんか。頑張りましょう。

NHK特集ー参議院選ー戦争と独裁への道を進んでいいのか、それとも安保法制を廃止する、そして立憲主義を回復するという希望ある道を進むのか、この二つの道の選択が問われる

1、憲法改定は必要か
極めて先駆的な内容をもつ日本国憲法――変えるべきは憲法ないがしろの政治

志位 「憲法の全条項を守り、平和的民主的諸条項の完全実施をめざす」というのが私たちの立場です。
日本国憲法というのは、世界でも極めて先駆的な内容を持っていると思います。問題は、それをないがしろにする政治が横行しているところにあると思うんですね。
憲法9条という、世界で最も先進的な恒久平和主義の条項を持っているにもかかわらず、安保法制=戦争法を強行し、(9条を)蹂躙する出来事が起こりました。
それから、憲法は30条にわたる、豊かで先進的な人権条項を持っているんですね。これには政治的権利だけではなくて、生存権、あるいは勤労の権利など、経済的権利も含まれているんです。ここまで進んだ憲法を持っているというのは、G7(主要7カ国)の諸国の中でも日本とイタリアぐらいなんですね。それなのに、社会保障を切り捨てる、あるいは雇用のルールを破壊する、これが起こっているわけですね。変えるべきは憲法ではない。憲法をないがしろにする政治を変えるべきです。
志位 先進的だと(思います)。非常に先進的な憲法です。

2、「改憲必要なし」の世論の増加
改憲の本丸が「海外で戦争する国」づくりにあることを国民が見抜き始めている

志位 私は、この間、安倍政権が、安保法制――私たちは戦争法と批判していますが、これを強引に押し通した。このことによって、改憲派の(ねらう憲法)改定の一番の本丸が憲法9条にあるという正体が明らかになってきたというところに、こういう変化が起こってきている原因があると思います。
安保法制というのは、憲法9条を破る、自衛隊の海外派兵の仕掛けがたくさん盛り込まれています。「戦闘地域」まで出て行っての兵たんやら、あるいは集団的自衛権の行使やら、海外での武力行使を解釈改憲というやり方でまず突破したわけです。つぎは明文改憲だと(いうことになる)。
そうなると、結局、憲法改定の目的は、「海外で戦争できる国」づくりにあるのではないかという本質を、多くの国民のみなさんが見抜き始めている。
しかも、そのやり方が、戦後60年余にわたる、「9条の下では集団的自衛権の行使はできない」という(政府の)憲法解釈を百八十度覆すという、立憲主義の破壊というやり方がやられた。立憲主義の破壊という内閣の下で、憲法改定するのは危ないと(いう世論が広がった)。                        

3、「自民党改憲案」
憲法によって権力を縛るのでなく、憲法によって国民を縛るもの

志位 安倍首相は、“自民党は憲法改正草案を決めている。これを次の国政選挙でお示ししていきたい”と、答弁しているんですよ。ですから私は、「自民党改憲案」を許してよいのかどうかが、(参院選の)大争点になると思う。
「自民党改憲案」では、憲法9条2項を全面削除して、「国防軍」を書き込むと(しています)。こうなりますと海外での武力行使を無制限にできるようになります。  それから、「公益及び公の秩序」の名で基本的人権の制約ができるということが書いてある。
それから、「緊急事態条項」を新設して、「緊急事態」の名で首相に権力を集中する。そして、(国などが)国民に対して指示ができるようになる。こうなりますと、基本的人権の停止ということになってまいります。
ですから、憲法によって国家権力を縛るのではなくて、憲法によって国民を縛る。まさに立憲主義を破壊する。これを許してよいのかということが問われてくると思います。

志位 総理は、国会の場で、憲法9条の問題について、「憲法学者の7割が違憲だという状態で良いのか」と、こういうことをおっしゃる。あるいは、「緊急事態条項」について、「これについては重要な課題だ」ということをおっしゃる。そしてさっき言ったように、「自民党改憲案」について、「自民党は改憲案を決めている」、これを「国政選挙でお示ししていきたい」と(いう)。どこをどうするとは言わなくても、「お示ししていきたい」とおっしゃっているんですね。
ですから、まさに安倍首相が主導して、改憲をやろうとしているわけです。

4、9条とどう向き合うか
9条が果たしてきた偉大な役割――将来にわたって守り抜くべきだ

志位 私は、憲法9条が果たしてきた偉大な役割、これへの認識をしっかり持つべきだと思うんですね。
自衛隊は戦後、1人の外国人も殺さず、戦死者を出していない。これはやはり9条が存在し、そしてそれを守る国民のたたかいが存在したためであって、まさにそういう平和の歩みを保障したのが9条だと思います。
9条というのは、日本に対する国際的信頼の源にもなっていると思うんですよ。アフガニスタンとパキスタンの国境近くで、医療活動を長くやってこられた中村哲さんが、「9条のおかげで地元住民の信頼感を得られる。親日感情が得られる。自分たちは守られていると感ずる」とおっしゃっておられます。そういう国際的信頼の源にもなってきた。
ですから、憲法9条は「日本の宝」であって、将来にわたって守り抜くべきだと(思います)。そして、憲法9条と現実との間で矛盾があるのだったら、この理想に向けて現実を一歩一歩、変えていくのが、政治の役割だと思います。

5、9条2項の改定
海外派兵、集団的自衛権、国連軍参加――無条件で海外での武力行使が可能に

志位 憲法9条の2項の改定が何をもたらすかという点が非常に重大だと思うんです。それは、自衛隊の存在をただ書くということにとどまらない。
これまで政府は、自衛隊は、「わが国の自衛のための必要最小限度の実力組織であって、憲法9条2項が禁ずる戦力にあたらない」と言ってきたわけです。そして、そういった「自衛隊の存在理由」から「派生」する問題として、三つのことが許されないといってきたわけですね。
第一は、武力行使を目的にした海外派兵は許されない。
第二は、集団的自衛権(行使)は許されない。
第三は、武力行使を伴う国連軍への参加は許されない。
こう言ってきたわけです。
ですから、9条2項を変えて、「自衛隊」を書きこんだ途端にこの三つが無条件で許されるようになる。つまり海外派兵、集団的自衛権、国連軍への参加、これが無条件に許されるんだと(いうことです)。無条件に海外での武力の行使ができるようになるというのが、9条2項の改定の意味だということで、私たちは絶対にそういう道はとってはならないと言いたいと思います。

6、憲法9条と自衛隊
国民多数の合意で、一歩一歩段階的に、9条の完全実施(自衛隊解消)をめざす

志位 (憲法違反だと)言っております。
志位 言っております。私たちは、自衛隊というのは憲法9条の2項に明らかに違反する。違憲だと考えております。ただ、この矛盾を一挙に解消することはできない。国民の合意で、憲法9条という理想に向かって、一歩一歩段階的に問題を解決していくことが必要だと(言っています)。
志位 憲法違反と言ったでしょ。
志位 私は、憲法違反だということをはっきり言ったでしょ。ただそれ(憲法と現実の矛盾)を解決する方法は、国民の合意で一歩一歩やっていく必要がある。
私たちは、日米安保条約は、国民多数の合意でなくしていくべきだと考えております。しかし、安保をなくしたときに、一緒に自衛隊を解消するということは言っておりません。なぜかと言えば、安保条約をなくしたいという方でも、自衛隊については意見が分かれるわけです。
私たちは、安保条約をなくした日本が、アジアのすべての諸国と平和的な関係を結ぶ。アメリカとの関係でも友好条約を結ぶ。そして、日本を取り巻く平和的環境が十分に成熟する。そして国民の多数――圧倒的多数が、「もう自衛隊なしでも安心だ」という合意が成熟して、はじめて9条の完全実施に進もうというふうに言っております。私たちはそうはっきりと言っております。

7、集団的自衛権
政府が持ち出した「合憲化」論が成り立たないことは、国会論戦ではっきりした

志位 私は、国会の論戦を通じて、政府・与党が持ち出してきた集団的自衛権の合憲化論はもう成り立たないということがはっきりしたというのが、到達点だと思います。
主にあなた方は、二つのことを持ち出してきました。
一つは、1959年の最高裁砂川事件判決です。ところがこの判決は、在日米軍の合憲性を争ったものであって、日本の集団的自衛権というのは問題になっていないということは、(横畠内閣)法制局長官も答弁でお認めになりました。
それからもう一つは、72年のいわゆる政府見解ですけれども、これは当時の国会で野党の議員の「なぜ集団的自衛権は行使できないのか、文書で明確に示されたい」という求めに応じて出されたものであって、その全体のひとつながりが、なぜ集団的自衛権は行使できないのかの論理を示したものです。
国会の議論のなかでも元(内閣)法制局長官などの証言で、「前後の脈絡に照らしても、これはもう圧倒的に、これをもとに集団的自衛権を合理化することはできない」ということは、議論の中でずいぶんはっきりした。
そして何より大事なことは、この二つが成り立たないということがはっきりして、国民の多数は(戦争法案に)反対したわけです。つまり、「たくさん議論した」というけれども、国民を納得させることも、説得することもできなかったことは事実なんです。

8、「緊急事態条項」
内閣に権力を集中、三権分立も基本的人権も停止――独裁政治に道を開く“毒薬”

志位 これは「自民党改憲案」の「緊急事態条項」を見る必要があると思うんです。それを見ますと、戦争とか大規模災害などのさいに、内閣総理大臣の判断で国会にもはからずに「緊急事態の宣言」ができる。そして「内閣は法律と同一の効力を有する政令」を定めることができる。そして国民は「国その他公の機関の指示に従わなければならない」。つまり、三権分立を停止する。そして内閣に権力を集中する。そして国民の基本的人権を停止する。これは、独裁政治への道なんですよ。
そして、これを災害を理由に言われる。しかし、災害対策は、災害対策基本法という法律が整備されているんです。私は、憲法は人権をきちんと保障する。そして緊急時の対応は法律で行う。これが今の枠組みですが、これを崩しちゃいけないと(考えます)。
一時にせよ、「(国家)緊急権」を持たせて、いわば立憲主義の縛りを解いてしまう。そして権力を自由にしてしまうということは、非常に危険な“毒薬”だと思っております。

9、参院選での位置づけ
安倍政権のもとでの憲法改定は許さない――野党共闘の主題として訴えていきたい
志位 これは安倍首相自身が、「憲法改正勢力で3分の2を得たい」と、そして「任期中に憲法改正を果たしたい」と、そして「自民党としては改憲案をお示ししていきたい」と、おっしゃっているわけですから、憲法改定の是非は(参院選の)大きな争点になると思います。
私たちは、「自民党改憲案」=安倍改憲ですね、この道で、戦争と独裁への道を進んでいいのか、それとも安保法制を廃止する、そして立憲主義を回復するという希望ある道を進むのか、この二つの道の選択が問われると思います。
そして4野党は、「安保法制の廃止と集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を共通の目標とする」ということで合意しております。
そして、安倍政権のもとでの憲法改定については、これだけ立憲主義を破壊する暴挙に次ぐ暴挙をやっている政権に、憲法をいじる資格はないということで、これに反対するという点でも、おそらく一致できるんじゃないかと、思っております。これを大いに野党共闘の主題としても訴えていきたいと考えております。

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