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【15.04.19】 保育士と介護福祉士の資格の一本化 こんな事も行われようとしているとは知らなかった

毎日社説 4/19より 保育士と介護福祉士の資格の一本化 効用(?)にも目を向けよう

 保育や介護の現場の人手不足は深刻だ。団塊世代が75歳を超える2025年には約250万人の介護職員が必要と言われるが、確保のめどは立っていない。そのため、厚生労働省は保育士と介護福祉士の資格を一本化する検討を始めた。
 赤ちゃんの保育と高齢者の介護は違うとの批判もあるが、現役世代の人口が急速に減っている地方では1人の職員が掛け持ちで働けるようにしないと、福祉現場は回らなくなる。そもそも資格さえあれば優れた保育やケアができるというものでもない。これを機に現場が求める人材の養成についても考えるべきだ。
 福祉の現場では、国家資格を取る教育課程で身に着けた専門性や、国家試験で問われる知識が現場のニーズに合致していないのではないかとの指摘が以前からある。「専門性より当事者性が大事だ」ともよく言われる。つまり、抽象的な福祉の理念や制度、歴史を知っていることよりも、自分の親の介護を経験した主婦、長年企業で顧客の苦情対応などをこなしてきたシニアの方が戦力になるというのだ。
 実際、保育現場では発達障害や被虐待によって「問題行動」をする子への対処、家族との調整、職員間の円滑なコミュニケーションを図ることのできる職員が必要とされている。介護現場でも認知症の徘徊や他害行為にどう対処していいかわからずに疲弊している職員が多い。職員間や管理職との連携がうまく取れず、自信を失い不全感を抱きながら孤立しているのだ。
 こうした現状に対処できる力は大学や専門学校での教育では身に着けることが難しく、国家資格に合格する能力とは別のものだ。
 ところが、介護福祉士の国家試験では難解な漢字や専門用語が多数使われ、インドネシアやフィリピンなど外国人の受験生にとって大きな障壁となってきた。しかし、受験資格を得るために試験までの間、介護現場で働く外国人実習生の評判は決して悪くはなかった。
 小規模多機能型デイサービスなど、幼児や障害者から認知症の高齢者までを一体的に支援する事業所も増えている。対象ごとに細分化して福祉サービスを提供するよりも、さまざまな利用者が交じり合って家族的な雰囲気の中でケアを受ける方が良い効果が生まれるとの声は多い。
 それぞれの福祉業界や教育機関、国家資格関連の業界からは異論もあるだろうが、人口減と福祉の人材不足を考えると資格の一本化は不可避だ。資格だけでなく、地方によっては事業の一体化も進めなければならないだろう。マイナス面だけでなく効用に目を向けていくべきだ。

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