活動日誌−活動日誌

【15.02.10】 埼玉県所沢市で「小中学校の教室にエアコンは必要か」住民投票

私たちの3つの要求の1つが住民投票で決められようとしています。

 小中学校の教室にエアコンは必要か。冷房など考えもしない頃に通学した世代としては、例えば東京都では100%近い設置率と聞いて驚く。いまや35度を超える酷暑が当たり前となっており、昔の感覚で何かを言うのは差し控えよう
▼地域によって事情も違う。東京のベッドタウンの埼玉県所沢市では、航空自衛隊の基地に近い学校の窓が二重サッシだ。飛行機の騒音対策である。ただ、窓を閉めると夏場は大変なので、エアコンを付ける計画が9年前に作られた
▼2011年10月に初当選した藤本正人(まさと)市長が、これに待ったをかけた。「福島の原発事故後は節電に努めるべきだ」と唱え、約30億円に上る市の負担は別の使途に、と訴える。中学の教員経験に基づく信念がのぞく
▼これに対し、計画通りの設置を求める保護者らが立ち上がり、住民投票にかけられることになった。8日に告示され、15日に投開票される。授業に集中できる環境のために冷房を、という主張は切実だ
▼原発建設や米軍基地の移設といった「国策」の是非を問うのではない。これほど暮らしに密着したテーマが市民からの求めで投票となる例は珍しい。地域の声が議会に阻まれる場合が多い中、今回は市議会が理解を示した点も興味深い
▼投票結果に法的な拘束力はない。ただ、賛否いずれかが有権者の3分の1以上に達した時は、より重く受け止めるよう市長に求める仕掛けが、議会の議論を経て設けられた。直接民主主義の新たな実験に大いに注目だ。
(今日の朝日新聞天声人語から2015年2月10日(火))

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