活動日誌−活動日誌

【14.09.03】 「生活保護問題議員研修会」2日目の報告

第5分科会「生活保護の実施体制と地方財政」に参加する。

1、生活保護の実施体制  講師:今村雅夫→吉永純(変更)
生活保護をめぐっては、ケースワーカーの専門性の低さや、人員不足・業務荷重が問題となっている。現在の福祉事務所の設置状況、職員の内容・資格、社会福祉主事制度を学び、福祉事務所の職員の経験年数なども知る。非常勤・非正規雇用のケースワーカーも増えてきている。その一方で社会福祉専門職の採用をする動きもある。(桑名市は今年度初めて社会福祉士の資格の人をケースワーカーとして採用し配属している。)

2、生活保護と地方財政 講師:武田公子 金沢大学経済学経営学系教授。
「生活保護費が地方財政を圧迫している」は正しくない。をテーマに根拠を解説された。昨年も同じタイトルの分科会に出た。竹田先生の予定だったが欠席で、今回やっと先生の話が聞けた。
国庫負担は4分の3になっているが残りは交付税措置がされており、生活保護費が地方財政を圧迫すると言うのは嘘である。逆にそれ以上のものが来ているらしい。桑名市では如何なっているのか現在財政当局に調べてもらっています。

講演4「生活困窮者支援法で自治体はどう変わるのか」講師:熊木正人(厚生労働省・生活困窮者自立支援室長)

生活保護利用者以外の生活困窮者への支援を強化する生活困窮者自立支援法が成立しました。今後、2015年4月の法施行に向け、自治体における取組が重要となります。どのような体制を組めば良いのか、制度構築を中心的に担った専門官が課題と対応方法を指摘します。
【生活困窮者自立支援法の解説】
第2のセーフティネットを拡充する。(第1は社会保険制度・労働保険制度、第3は生活保護制度)
必須事業は、自立相談支援事業と住居確保給付金の2つ。
任意事業は、就労準備支援事業、一時生活支援事業、家計相談支援事業、学習支援事業、その他生活困窮者の自立促進に必要な事業の5つです。(それぞれ国庫補助は違います。)
制度の目指す目標として、生活困窮者の自立と尊厳、支援を通じた地域づくりをあげている。
桑名では1月より自立相談を予定。(全国254の自治体でモデル事業)
検討課題から
法の理解。庁内体制の構築。委託も可。関係機関との連携。協議の場の設定。
【感想】
現実味のない(夢のような)話だ。
地域づくりの観点から見れば、地域包括ケアシステムに似ており、被せられないか。
生活困窮者はどれくらいいるのか。生保利用者の何倍もいる。そうするとCWの数が大変だ。

まとめ「生存権保障確立のために」講師:尾藤廣喜(弁護士・生活保護問題対策全国会議代表幹事)

生活保護制度が今抱えている課題は何か。生存権保障を確立するために必要なことは何か。二日間の研修会を振り返って、課題と展望を語る。
【状況】
生活保護制度史上例を見ない基準の引き下げ(2013年8月から3回)
生活保護法の改悪(2014年7月施行)(申請手続きの厳格化、扶養義務調査の強化)
生活困窮者自立支援法の制定(2015年4月施行)(権利性がない、新たな水際作戦、中間的就労・任意事業等にも問題)
【対策】
雇用の安定、失業保険給付の充実、無年金等の対策(最低保障年金)、家賃補助
【私たちは何をなすべきか】
1、 一人一人の要求に寄り添う
2、 生活扶助基準引き下げの裁判を支援
3、 生活保護法の改悪に国民の監視を
4、 生活保護の改悪が何をもたらすのか明らかにしていく
5、 社会保障全体の大きな後退に反対する運動との連携
6、 生活保護制度をもっと利用しよう(捕捉率100%をめざして)
7、 全国にもれなく身近な相談機関の設置、充実を(生活困窮者自立支援法の活用と予算)

(以上)

【附録】第1日目

オープニングは「うまかしゅう」のミニライブだった。
<うまかしゅう>は、現役生活保護面接員の‘のぶろう’(アマチュア・シンガーで、シンガーソング・ケースワーカー)と‘矢野敏広’(プロのギタリスト)2人のフォークデュオ。「ケースワーカーになった君へ」が印象的だった。(www.videomix.cz/video/-5a5sHi2Fsk/から見る事が出来る)
1、やっても減らないこの仕事  いそがし過ぎるよこの仕事
  でもたまにはいい事もある  感謝しているとほめられた
  ケースワーカー、ケースワーカー、辛いけど頑張る
  ケースワーカー、ケースワーカー、負けないで頑張る
2、嘘をつかれて落ち込んだ  そこから始まるこの仕事
  福祉の仕事の奥深さ  福祉の仕事のおもしろさ
  ケースワーカー、ケースワーカー、辛いけど頑張る
  ケースワーカー、ケースワーカー、負けないで頑張る
3、少し仕事に慣れてきて  やりがい感じるこの頃さ
  みんなの力で支えられ  ひとつ生まれて生きていく
  ケースワーカー、ケースワーカー、辛いけど頑張る
  ケースワーカー、ケースワーカー、負けないで頑張る
  ケースワーカー、ケースワーカー、辛いけど頑張れ
  ケースワーカー、ケースワーカー、負けないで頑張れ

開会あいさつ 井上英夫(金沢大学名誉教授)

講演1「63年ぶりの生活保護「改革」を検証する」稲葉剛(自立生活サポートセンター・もやい理事長)
2013年12月、改正生活保護法と生活困窮者自立支援法が成立。就労支援や不正受給対策の強化、親族に扶養義務を求める規定の増設など、福祉現場に与える影響は多岐にわたります。1950年以来となる抜本改革が何をもたらすのか。徹底検証していきます。
講師:稲葉剛
NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事長、生活保護問題対策全国会議幹事。1969年広島県生まれ。1994年より東京・新宿を中心に路上生活者の支援活動に関わる。2001年、〈もやい〉を設立し、幅広い生活困窮者への相談・支援活動に取り組む。著書に『生活保護から考える』(岩波新書)など。

講演2「生活保護法「改正」に現場でどう対抗するか」小久保哲郎(弁護士・生活保護問題対策全国会議事務局長)
「水際作戦」が合法化されると批判を招いた生活保護法改正。しかし、「現行運用の取扱いは変更しない」というのが政府答弁であり、あきらめる必要はありません。現場で使える政府答弁、付帯決議、省令・通知を徹底解説します。
講師:小久保哲郎
弁護士、生活保護問題対策全国会議事務局長、日弁連・貧困問題対策本部事務局次長。1995年大阪弁護士会登録。野宿からの居宅保護を求めた佐藤訴訟など、野宿生活者や生活保護利用者の法律相談や裁判に取り組んできた。

講演3「世界一幸せな国デンマークの社会保障に学ぶ」銭本隆行(日欧文化交流学院学院長)
待機児童ゼロ、国民学校から大学まで授業料無料、週37時間労働で残業はほとんどなし、医療費無料、失業手当2年間分等々、幸福度調査で世界1位とされるデンマーク。他方、90位の日本。デンマークの社会保障制度に学び、日本と比べたときになにが違うのかを考えます。
講師:銭本隆行さん
産経新聞社などで11年間の記者生活を送り、2006年からデンマークのNordfyns Folkehøjskole(日欧文化交流学院学院)にて、日本からの福祉、教育、医療分野に関する研修を受け入れながら、デンマークと日本との交流を行っている。2011年から学院長に就任。

生活保護利用当事者の声を聴く
障がいの分野では「私たち抜きに私たちのことを決めるな」という当事者主体の考え方が確立していますが、生活保護の分野では当事者の声が尊重されているとは言い難い状況です。生活苦・失業・病気・高齢など、さまざまな問題を抱えた生活保護利用当事者の生の声に是非耳を傾けてください。

「生活保護問題議員研修会」8月22日(金)〜8月23日(土)

22日/石川県女性センター1階ホール、23日/金沢勤労者プラザ 会議室 
で開催されました。

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