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【14.07.25】 徳山ダムから木曽川への「導水路事業」住民訴訟判決 住民側敗訴

これは、河村市長の主張が正しい。大村知事の心変わりは何故か。裁判所は何を考えているのか。

頭打ちの水需要に巨費を投じることは妥当か、との訴えを、裁判所は「国の適正な計画に基づいた支出で違法性はない」と退けた。でも、計画は今も妥当といえるのか。今度は政治が考える番だ。
高度成長前夜の1957年に計画され、岐阜県の揖斐川上流に2008年に完成した徳山ダムは、最後の巨大ダムともいわれる。
その徳山ダムから木曽川への導水路事業をめぐる住民訴訟で、名古屋地裁が住民側の訴えを退ける判決を出した。
住民側は、木曽川流域の水需要は事業計画時の予想を下回っている、などとして導水路は不要だと主張。愛知県と県企業庁に分担金318億円を支出しないよう求めていた。
裁判所は、水の需要予測は「一般に不確実性を伴うため、想定値と実績値との間にある程度の誤差が生じることはやむを得ない」などとし、違法な支出には当たらないと結論付けた。
徳山ダムは3500億円を投じて建設された。当初は高度経済成長で増え続ける水需要に対応するため利水に重点を置いた計画だったが、技術革新や景気低迷を背景に、都市用水の需要は頭打ちに。国や水資源機構は、治水や河川の環境保全、異常渇水対策の必要性を強調し、ダム不要論を押し切って計画を進めてきた経緯がある。
890億円を投じ、全長43キロにも及ぶ地下トンネルを掘る導水路計画は、その過程で浮上した。導水路がなければ愛知県などの下流域で徳山ダムの水が使えない、というのである。
その一方で、人口減少の時代に向かう中、巨費に見合う水需要はあるのか、という批判も次第に強まっていた。
名古屋市の河村たかし市長は2009年5月、「水の需要は減っている。導水路は要らない」と事業からの撤退を表明。同年10月には、当時の民主党政権が導水路を含む各地のダム事業を凍結。愛知県の大村秀章知事も、2011年の知事選で事業見直しを掲げていた。
凍結された導水路事業の検証作業は停滞し、宙に浮いた状態のまま今回の判決を迎えた。違法な支出とはいえない、という判断が、事業再開のゴーサインというわけではないだろう。
渇水や洪水への備えは万全でありたい。だが、想定ほどの水需要が見込めない時代を迎え、導水路事業への巨費投入が妥当だといえるのか。将来を見据え、政治が判断しなければならない。(中日新聞7月25日社説より)

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