活動日誌−活動日誌

【14.07.03】 今日3日の社説では、

1、朝日新聞   7・1官邸前―主権者が動き始める

「戦争反対 生きたい」。黒いペンで手書きした段ボールを持った男子高校生。「憲法壊すな」。体をくの字に折って、おなかから声を出す女子中学生のグループ。プラカードを掲げる若い女性の爪は、ネオンピンクに白の水玉。赤い鉢巻き、組織旗を持った集団の脇で、父親に抱っこされた幼児はぐったりとして。年配の参加者は、もはや立錐の余地もない前方を避け、下流の壁沿いに静かに腰を下ろす。作業着、ネクタイ、金髪、白髪、リュックサック、高級ブランドバッグ。地下鉄の出入り口からどんどん人が吐き出されてくる。
安倍内閣が集団的自衛権の行使を容認する閣議決定をした当日と前夜。首相官邸前で「超緊急抗議」が行われ、それぞれ約1万人(主催者)が集まった。
若い世代が目立つ。「国民なめんな」「戦争させんな」を速いリズムにのせてコールし、年長者を引っ張っているのは大学生のグループ。デモに参加するのは初めて、ツイッターで知った、一人で来た、都外から来たという人も少なくない。主催者側によると「官邸前にはどうやって行けばいいのか」と多くの問い合わせがあったという。
「NO」と言わなければ「YES」に加担したことになる。戦場に行かされるのがこわい。「頭数」になるぐらいしか、今できることはないから――。多様な思いを胸に集まった人たちが、官邸に向けて声をあげた。
一方、官邸の主の記者会見は、棒読みのように始まった。「いかなる事態にあっても国民の命と平和な暮らしは守り抜いていく」。左横には、5月の会見でも用いられた、赤ちゃんを抱いた母親と不安そうな表情の子どもの絵。「非現実的だ」「情緒的に過ぎる」と強い批判を浴びたことを首相や周辺が知らないはずがない。それを再び使ったのは、批判に耳を傾けるつもりはないという意思表明だろう。説明も説得も放棄し、「思えません」「誤解があります」「あり得ない」と、気だるい感じで繰り返した。
「首相の言動がどんどん火に油を注いでいる状態です」。抗議の主催者のひとりは言う。2日間で最も多く叫ばれたコールのひとつは、「安倍は辞めろ」だ。官邸前で、これだけの規模で、公然と首相退陣を求める声があがるのは極めて異例のことだろう。
なるほど。安倍首相はこの国の民主主義を踏みつけにした。しかし、踏まれたら痛いということを主権者は知った。足をどけろと声をあげ始めている。

2、中日新聞  安保関連法整備 平和主義の逸脱許さぬ

政府が「集団的自衛権の行使」を容認したとはいえ、憲法の平和主義からの逸脱は許されない。自衛隊活動を拡大するための関連法整備が守るべき一線を越えるのなら、とても認められない。
集団的自衛権の行使を認める閣議決定を受けて、政府は関連法案を準備する作業チームを国家安全保障会議内と防衛省に設置した。法案化に向けた作業を急ぎ、今秋に召集を予定する臨時国会以降、準備できた法案から順次、提出する方針だ、という。
政府が自らの憲法解釈の変更を閣議決定したからといって、直ちに集団的自衛権を行使できるようになるわけではない。自衛隊が実際に活動するには、根拠法を国会で成立させる必要があるからだ。
行使容認に伴い、政府が改正を想定する法律は、自衛隊法や周辺事態法、国連平和維持活動(PKO)協力法など十本以上に上る。
法案は提出前、自民、公明両党の事前審査を経るだろう。その際、立法者の目で精査してほしい。戦後日本が歩んできた平和主義の道から外れてはいまいか、と。
「自存自衛」を掲げて派兵した先の大戦の反省に立つ平和主義の根幹は「海外での武力の行使」をしないということに尽きる。
集団的自衛権に基づいて他国同士の戦争に参戦すれば、それが「個別的自衛権に匹敵する事態」(山口那津男公明党代表)だったとしても日本は敵国とみなされるだろう。自衛隊も攻撃されて交戦状態に入れば、双方に戦死者を出す。
それでも「専守防衛は全く変わらない」と強弁できるのか。
安倍首相は会見で「武力行使が許されるのは自衛のための必要最小限度でなければならない。従来の憲法解釈と基本的な考え方は何ら変わらない」と話した。
ならばなぜ、集団的自衛権行使の可否をめぐり、全く逆の結論が出てくるのか。理解に苦しむ。
政府の今回の解釈変更は、許容される自衛の措置の限界を示したそうだが、私たちは平和主義の限界をはるかに超えたと考える。
与野党は、七月中旬以降、衆参両院の予算委員会でそれぞれ、首相も出席して集中審議を行う方向で協議している。
政府が、一内閣の閣議決定で長年積み重ねた憲法解釈を変えてしまおうとするなら、それをまず止められるのは国会である。
限界を超えた法案なら政府に再考を促すか、自ら廃案、修正に動くべきだ。それこそが国権の最高機関としての見識ではないか。

3、しんぶん赤旗 安倍首相記者会見 ウソで固めて、突き進むのか

内容の概略は、2日の中祖寅一さんの記事とほぼ同じです。

「閣議決定」後の安倍首相会見 ウソ、デタラメ並べ憲法破壊を合理化
「現行の憲法解釈の基本的な考え方はなんら変わらない」「海外派兵は一般に許されないという従来からの原則もまったく変わらない」「許すのは、国民を守るための自衛の措置だけ」
閣議決定後の1日の記者会見で、安倍首相の口から次々と発せられる言葉をメモ書きしながら、総毛立ちました。憲法9条を破壊、戦地に日本の若者を送り血を流させる安全保障政策の大転換となる閣議決定。安倍首相はウソとデタラメを並べ続けました。
閣議決定は「他国への武力攻撃」に対する実力行使=集団的自衛権行使を容認。武力行使の要件をめぐる憲法解釈の百八十度の転換です。
与党協議で自民党は、ペルシャ湾での機雷掃海を実現すると公言しており、海外派兵への大転換も明白です。国連安保理決議が出た後も「憲法上の武力行使は許容される」と政府の想定問答は明記し、全面的な武力行使への道を示しました。
「国民を守る」という首相ですが、その例の真っ先にあげる邦人救出の米艦防護は、アメリカからも拒否されたデタラメな設定だったことが明らかとなりました。
「戦闘地域」への派兵、そこでの他国軍隊の支援活動をこれまで以上に積極的に行うとしていることは、自衛隊員の命を危険にし、「殺し殺される」状況に追いやるものであることも明白です。
多くの国民が、こうした政府の暴走に強い危惧を抱き、日増しに反対の世論が増加。首相官邸前には数万の人々が押し寄せ抗議の声を上げています。
主権者の声をまったく顧みることなく、戦争への道を突き進む権力者には、厳しい政治的断罪を下すしかありません。ウソとデタラメによって憲法を破ろうとする浅はかな試みは必ず破綻します。

今、言わなければ、相手の思うつぼ。

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