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【14.05.21】 教育委員会改悪法案を可決

国や首長が教育介入 衆院本会議

 9日の改憲手続き法(国民投票法)改定案、15日の医療・介護総合法案に続いて、20日には教育委員会改悪法案が衆議院で可決されました。
 教育への首長の介入を強化する教育委員会改悪法案(地方教育行政法改定案)が20日、衆院本会議で採決され、自民、公明、生活の賛成多数で可決されました。生活以外の野党は反対。日本共産党の宮本議員は反対討論で「教育行政への首長の介入に道を開くことになる」「侵略戦争美化の『愛国心』教育押し付けと異常な競争主義を持ち込む」と批判しました。
 法案は、(1)首長任命の新教育長を教育委員会トップにすえ、教育長に対する教育委員会の指揮権限を奪う(2)教育施策の方針となる「大綱」を首長が策定し、「大綱」に「学校統廃合」「愛国心教育」も盛り込むことができ教育委員会にその具体化をさせることなどを盛り込んでいます。

【宮本議員の反対討論】
 内閣提出法案は、教育行政の責任の明確化と称して、教育委員長と教育長を一本化し、首長が直接任命する新教育長を教育委員会のトップにするものです。一方で、教育委員会の教育長に対する指揮監督権は奪われます。
 また、地方自治体の教育政策の方針となる「大綱」を首長が決定するとしています。「大綱」には、「学校統廃合を進める」「愛国心教育を推進する」など、教育委員会の権限に属することまで盛り込むことができ、教育委員会にその具体化をさせる仕組みです。
 これでは、教育委員会を首長任命の教育長の支配化に置き、教育行政への首長の介入に道を開くことになりかねません。
 この法案の狙いは、侵略戦争美化の安倍流「愛国心」教育の押し付けと異常な競争主義を教育に持ち込むことにほかなりません。
 質疑でも明らかにしたように、この間、安倍政権・自民党は、歴史教科書を安倍流「愛国心」に沿って改めさせる圧力を加え続けてきました。
 太平洋戦争を「アジア解放のための戦争」と教える歴史逆行の特異な教科書を、「教育基本法にもっともふさわしい」と賛美し、全国の学校で使わせようとしています。
 しかし、多くの教育委員会はこうした教科書を採択していません。そのため、教育委員会を弱体化させ、国と首長の政治的圧力で、そのような特異な教科書を採択させようというのです。下村大臣が、「教育勅語」を「至極まっとう」と評価したことは、決して偶然ではありません。
そもそも教育は、子どもの成長・発達のための文化的な営みであり、教員と子どもとの人間的な触れ合いを通じて行われるものです。そこには、自由や自主性が不可欠です。
 だからこそ、戦前の教訓も踏まえ、憲法のもとで政治権力による教育内容への介入・支配は、厳しく戒められてきたのです。
 本法案は、教育委員会の独立性を奪い、国や首長が教育内容に介入する仕組みをつくり、憲法が保障する教育の自由と自主性を侵害するものであり、断じて容認できません。
 
 民主・維新の法案は、教育委員会制度そのものを廃止し、教育行政の責任者を首長としており、到底賛成できません。
 
 日本共産党は、安倍政権の危険なたくらみを打ち砕き、教育と教育行政の自主性を守るため全力で奮闘することを表明します。

改憲手続き法(国民投票法)改定案  衆院本会議 

 改憲手続き法改定案が9日の衆院本会議で日本共産党、社民党以外の各党の賛成多数で可決されました。同改定案の審議はわずか4日間(17時間)。国民の意見を聞かず、短期間で採決を強行する暴挙です。日本共産党の笠井亮議員は反対討論で、「国の最高法規である憲法改定にかかわる法律改定にあたっては、現行法の問題点も含め、賛否を超えて徹底した審議こそ必要だ」と述べ、採決の強行を厳しく批判しました。

【笠井議員の反対討論】
 国の最高法規である憲法改定に関わる法律改定は、現行法の問題点も含め賛否を超えて徹底した審議が必要です。参考人質疑でも、「憲法は国民のもの。国民の意見を聞いて決めるべき」「国民の声を聞き、国会の場でも徹底審議を」などの意見が表明されました。にもかかわらず、わずか4日間、17時間の質疑で採決を強行するなど到底許されず、断固抗議するものです。
 そもそも同法は、2007年5月、第1次安倍内閣のもとで、自公両党が国民の反対を押し切り強行成立させたものであります。
 わが党は、その目的は9条改憲の条件づくりだとして反対しましたが、その内容もとんでもないものです。改憲案に対する国民投票の最低投票率の定めがなく、有権者のわずか1割、2割の賛成でも改憲案が通る仕組みという根本的欠陥をはじめ、国民の自由な意見表明や国民投票運動を不当に制限し、改憲案の広報や広告が改憲推進勢力に有利な仕組みになっているなど、極めて不公正で反民主的な法律です。その上、投票年齢や投票運動など法律の根幹に関わる問題を「宿題」として先送りしました。以来7年、同法を動かさなくても国民は困らなかったのであります。
 今提案されている法案は、こうした根本的欠陥をそのままにし、ともかく憲法改定の国民投票ができるようにしようというものです。反民主的な欠陥法を動かすことなど断じて認められません。このような法案を、自公両党だけでなく民主党を含めた7党が共同で提案していることは、極めて無責任です。
 法案は、現行法が義務付けた選挙権年齢等の18歳への引き下げを棚上げし、投票権年齢だけを確定します。
 同法制定時、自公両党は、選挙権年齢・成年年齢を投票権年齢とともに18歳とすることは「最低限の条件」と答弁していました。法案は当時の提出者の説明にも真っ向から反するものです。
 法案は、公務員による国民投票運動をさらに広範囲に制限することによって、主権者国民の自由な意見表明や国民投票運動をいっそう妨げるものです。
 裁判官等の4職種の国民投票運動を禁止対象にすることは、同法の審議経過さえ無視し逆行しています。新たに「組織による国民投票運動」への規制を検討条項に盛り込み、NPO(非政府組織)まで規制しようとしています。
 安倍内閣が、憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認への動きを強める一方、明文改憲についても、その条件づくりと国民のなかでの改憲に向けた「世論づくり」をはかろうとしています。
 しかし、世論調査の結果が明確に示すように、国民の多数は解釈改憲も明文改憲も望んでいません。国民が求めず欠陥だらけの改憲手続法は改定ではなく廃止すべきことを断固として求めます。

医療・介護総合法案を可決 「国民の生存権を否定」 衆院本会議

 15日の衆院本会議で医療・介護総合法案の採決が行われ、自民、公明両党の賛成多数で可決しました。全野党が反対しました。日本共産党の高橋議員は反対討論で「国民を医療や介護から追い出すもの」だと批判しました。

【高橋議員の反対討論】 
 昨日の衆院厚労委員会で全野党の反対を押し切って採決を強行したことに満身の怒りを込めて抗議します。本法案は19本もの法律の改定を含んでおり、内容は多岐にわたります。一括審議に付すこと自体、きわめて乱暴なやり方です。参考人質疑と地方公聴会の11時間を含めてもわずか39時間の審議しか行われていません。
 しかも参考人や陳述人からは撤回を求める声や強い懸念が相次ぎました。どんなに貴重な意見がだされても採決ありきで一顧だにされないなら、国会の存在意義が問われます。
 医療事故調の創設には医療界や遺族などからさまざまな意見が寄せられており、法案から切り離して集中審議を行うよう求めましたが、実現しませんでした。審議が尽くされたとは到底言えず、審議を打ち切って採決することは断じて認められません。
 本法案の大きな柱とされている地域包括ケアシステムは、その趣旨とは大きくかけ離れ、国民を医療や介護から追い出すものにされています。
 地域医療は、医師不足や看護師不足が進み、医療崩壊といわれるほど深刻な危機にあります。本法案は、診療報酬改定とあわせ、高度急性期の病床を削減し、患者を在宅医療や介護へ、いわば川上から川下へと誘導する仕組みをつくるものです。そのための地域医療構想の策定にあたっては、新たに民間病院にもペナルティーを科して病床規制を行います。
 今でも早期退院が迫られ、患者はリハビリもないまま在宅に戻されています。特養ホーム待機者が52万人を超える中、ショートステイの長期利用など、高齢者の漂流している実態が明らかになってきました。
 政府は「重度でも在宅で」の掛け声のもと、医療行為を看護師に移す「特定行為」を訪問看護の切り札と認めました。法施行後、省令によって拡大もできるといいます。今でさえいつ医療事故が起きてもおかしくないという現場の叫びを直視すべきです。これでは医療崩壊に拍車がかかるのは明白です。
 要支援者向けの訪問介護と通所介護は介護保険サービスから外され、市町村が行う総合事業に移され、ボランティアなどの多様な担い手が行うとされました。参考人質疑の中でも、要支援は軽度者ではないこと、変化に気づき重症化を防ぐ、尊厳をもった自立した生き方を支援するヘルパーの専門的な役割が浮き彫りになりました。
 厚労大臣は「必要な人は専門的なサービスを受けられる」といいながら、受けられる人が少数にとどまることを認めました。介護認定によらないチェックリストに誘導し、自治体の窓口で認定から締め出す水際作戦にもなりかねません。
 昨日の質疑で安倍総理は「自治体の特性を生かす」「サービスを抑制するものではない」と答弁しましたが、給付費の伸び率管理をしているのですから詭弁にすぎません。
 特養ホームへの入所を要介護3以上に締め出し、一定の収入のある人の利用料を倍にすれば、介護が必要なのに介護保険から締め出される高齢者が増えることは避けられず、認められません。
 本法案は安倍内閣が進める社会保障と税の一体改革の具体化であり、社会保障を本人と家族の責任においやるものです。認知症の夫を死亡させたのは妻の責任と断じた名古屋高裁判決は絶対容認できませんが、今向かっているのはまさにそういう社会ではありませんか。介護保険創設当初の「介護の社会化」という理想も投げ捨て、憲法25条を否定する本法案は廃案にすべきです。

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