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【14.05.18】 生活保護“ホットライン” 密告促す自治体増える

驚きの事実  生活保護の「適正化」と称して、市民をお互いに監視させ「不正」の密告を促す「ホットライン」を設置している自治体が全国に広がっています。

 福岡市は今年度から、「生活保護適正実施プログラム」を実施。約1200万円の予算のうち780万円余りをホットライン設置にあてるとしています。ホットラインで、市民からの(1)保護を要する人に関する情報(2)生活保護に関する不正行為等の情報(3)生活保護利用者のアルコールやギャンブルなどによる生活の乱れ等の情報―に対応すると説明します。これに対し、日本共産党は「市民はお互いに、誰が保護世帯かわからない。予断や想像に基づく情報収集に公金を使うのはおかしい」と批判します。

 さいたま市は、2月末に開始したホットラインのリーフレットに監視をイメージさせるキャラクターのイラストをつけて、不正受給者や生活困窮者に関する情報提供を市民に求めました。「市民に相互監視させるものだ」と市民が批判の声をあげ、日本共産党市議団は、市にホットラインの目的を生活困窮者支援に限ることや、リーフの作り直しなどを要求し、改善させました。

 北海道函館市は、生活保護の「不正受給対策」として、4月からホットラインを設置。
 
 大阪府内では2011年から13年にかけて、東大阪、守口、枚方など7市でホットラインを設けています。

 京都府内では京都、八幡両市が設置しています。

 ホットラインにとどまらず条例を制定した自治体もあります。兵庫県小野市です。昨年4月、生活保護や児童扶養手当受給者がギャンブルで浪費していないか市民に監視させる「福祉給付制度適正化条例」を施行しました。同市によると、情報提供数は10件(1月末現在)。そのうち4件は非保護利用者に関するものでした。日本共産党の藤原章市議は「通報件数が少ないとはいえ、4割が誤報だったことを踏まえると、すでに監視社会が生まれつつあるように感じる」と述べ、同条例廃止を主張します。

 日本共産党の小池参院議員は4月の厚生労働委員会で、国連の社会権規約委員会が昨年5月に日本政府に対して「保護の申請手続きを簡略化し、申請者が尊厳をもって扱われることを確保する措置」や、「生活保護につきまとうスティグマ(恥の烙印)を根絶するために国民を教育する」ことを求めていると強調。「ホットライン設置ではなくケースワーカーの増員こそ必要だ」と迫りました。

 首都圏生活保護支援法律家ネットワークの事務局長を務める森川清弁護士は「生活困窮者の救済が目的なら、本人が窓口で相談しやすい状況をつくるべきだ。不正受給防止と同列に保護が必要な人の情報提供を呼びかけても、生活保護に対して負のイメージが助長され、保護を必要とする人が相談に行きづらくなる」として、生活困窮者への保護適用を名目にした受給抑制が狙いではないかと指摘。「ホットライン設置や条例制定の動きは、生活保護だけの問題ではなく監視社会の現われだ」と批判しています。
                                 今日のしんぶん赤旗から

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