活動日誌−活動日誌
【14.01.15】 今日の新聞各紙は、社説で東京都知事選と原発問題を問うている。
都知事選 正々堂々の論戦で宇都宮さん勝利に全力(しんぶん赤旗) 舛添・細川氏の出馬表明受け 日本共産党の見解
23日告示、2月9日投票の東京都知事選をめぐって14日、元厚生労働相の舛添要一氏(65)と元首相の細川護煕氏(76)がそれぞれ立候補の意思を表明しました。舛添氏は、都庁で記者会見して立候補を正式に表明。細川氏は都内のホテルで、元首相の小泉純一郎氏と会談して立候補の意向を伝え支援を要請しました。
日本共産党の市田書記局長は14日、東京都知事選に舛添元厚生労働相と細川元首相が出馬を表明したことについて記者団から問われ、「両氏の出馬表明で知事選の顔ぶれがほぼ出そろったが、私たちは安倍政権の暴走ノー、都民の命と暮らし、福祉と教育を守るという、1千万都民の願いを託せるのは宇都宮けんじ候補以外にないと確信している。正々堂々の論戦で宇都宮勝利に全力をあげたい」と決意を表明しました。
市田氏は、「脱原発」をかかげる細川氏と宇都宮氏との「一本化」について問われ、「一本化はありえない。原発は重要な争点だが、選挙で問われるのは都民の暮らし・福祉にかかわる都政全般であり、国政の問題では消費税増税、秘密保護法、憲法など安倍政権の暴走にどういう態度をとるかが問われる。こうした問題で都民の願いに応えられるのは宇都宮さん以外にない」と述べました。
また、舛添氏については、「異常な暴走を続ける自公政権の丸抱え候補ともいうべき候補者に都政を刷新することはできない」と語りました。
【朝日】東京都知事選―首都で原発を問う意義
「脱原発」を東京都民に問いたい。
細川護熙元首相がこう訴えて、2月9日の東京都知事選に立候補を表明した。主な顔ぶれが固まり、原発政策が大きな争点となる。
都知事選で原発を問うことに違和感を示す向きがある。安倍首相も「エネルギー政策は東京都だけではなく、国民みんなの課題だ」と述べている。
たしかに国民全体が考えるべき問題ではある。だが同時に、都民が当事者として考えるにふさわしいテーマでもある。
人口1300万超の東京は、日本の電力の1割強を使う大消費地だ。なのに、主な供給源は遠隔地にある。原発の立地自治体や周辺が抱える様々な矛盾や葛藤とも無縁でいられる。
そんな東京で選挙を通じて議論が深まれば、都民の節電意識が高まったり、再生可能エネルギーの普及に弾みがついたりする可能性がある。大量生産、大量消費のライフスタイルの見直しにつながるかも知れない。
自分たちのありようを再考するという点で、自治体選挙で問うてならぬという法はない。
都は東京電力の大株主だ。知事は、東電の経営に物申すこともできる。
東京では一昨年、原発稼働の是非を問う住民投票の条例案が都議会で否決された。前回の知事選や都議選では、原発問題は五輪招致やアベノミクスの後景に退いた。
今回、エネルギー政策が正面から問われることには意義がある。出馬を表明した舛添要一元厚労相や宇都宮健児前日弁連会長らも「脱原発」を訴える。具体論を戦わせてほしい。
もっとも、気をつけなければならない点がある。
細川氏に支援を要請された小泉元首相は「この戦いは、原発ゼロでも日本が発展できるというグループと、原発なくしては発展できないというグループとの争いだ」と語った。
かつて、郵政民営化の一点だけを争点に衆院を解散した小泉氏らしい明快さではある。
だが、東京都には超高齢化への対応など、避けて通れない重要課題が多い。選挙を「原発にイエスかノーか」の一色に染め上げ、スローガンの争いにすることには賛成できない。
細川氏には20年前、東京佐川急便からの借入金問題を追及され、投げ出すかのように首相の座を降りた経緯がある。
カネの問題で猪瀬前知事が任期途中で辞任した後の選挙だ。自らのけじめも細川氏には問われるところである。
【毎日】東京都知事選 原発も大きな争点だ
東京都知事選の構図が大きく動いた。脱原発を掲げる元首相、細川護熙氏(76)がエネルギー政策を争点に出馬を表明、「原発即時ゼロ」を主張する小泉純一郎元首相は全面支援を約束した。一方で元厚生労働相、舛添要一氏(65)も無所属での立候補を正式表明するなど激戦模様だ。
首都の顔を決める都知事選だけに、国政の大きなテーマである原発問題も主要な争点として、むしろ徹底論議すべきだ。多様な候補の出馬で有権者の関心が強まり、論戦全般が活発化することを期待したい。
都知事選は23日に告示、2月9日に投開票される。前日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏(67)、元航空幕僚長の田母神俊雄氏(65)らも無所属で出馬を表明している。
政界を引退していた細川氏はかねてエネルギー問題に関心を示していた。「原発問題は国の存亡に関わる」と出馬理由を述べたが、強力な発信力を持つ小泉氏との元首相連合が与える影響は小さくあるまい。
「首長選挙に原発問題はなじまない」。細川氏出馬をめぐり原発の争点化を批判する声が聞かれる。
だが、そうだろうか。首都のトップ選びは単純に「地方の選挙」と割り切れない。立地地域でなくとも、最大の電力消費地である東京で原発政策を問う意味は大きい。
福島第1原発事故の未曽有の被害にもかかわらず、国の針路に関わる原発政策が事故後の国政選挙で必ずしも十分に論じられなかった。自民、民主両党とも争点化に慎重だったためだ。原発稼働の是非を問う都民による投票も知事と議会の反対で実現しなかった。
今知事選では宇都宮氏も「原発のない社会」を掲げる。都は事故の当事者である東京電力の大株主でもある。小泉氏が指摘するように、選挙結果は国政の動向にも影響する。一極集中の象徴、東京だからこそ逆に争点化にふさわしいのだ。
細川氏に望むのはワンフレーズ的に脱原発を主張せず、電力供給や使用済み核燃料の最終処分問題などエネルギー政策の具体像を論じることだ。小泉氏が「東京が原発なしでやっていける姿を見せる」という主張の説得力が問われる。
一方で超高齢化への対応や首都防災などの争点の重要さも強調したい。75歳以上の高齢者が2025年に都内で約200万人に達し、マグニチュード7級の首都直下地震で最大2・3万人の犠牲者が想定される現実は重い。首都行政の担い手を決める以上、他の重要課題をおろそかにしてはならない。
揺れ動いた各党の対応もようやく固まってきた。首都像の議論を通じて日本が抱える課題を国民全体が考える機会としたい。
【産経】都知事選 脱原発主張に利用するな
東京都知事選を「脱原発」で戦おうと、細川護煕、小泉純一郎の両元首相が連携を確認した。
17日に正式に出馬会見する細川氏は「原発問題は国の存亡にかかわる」と話し、小泉氏は「原発ゼロでも日本は発展できる」との認識を共有できたとして細川氏への応援を表明した。
2人に共通するのは、都知事選をてこに「脱原発」の世論を一気に拡大する狙いだろう。
だが、原発というエネルギー政策の根幹を決めるのは国の役割である。どうしても「原発ゼロ」を実現したいなら、今一度国政に打って出て問うべきだ。
他にも多くある都政の課題を脇に置き、「脱原発」に都知事選を利用するのはおかしい。
小泉氏は「今回の知事選ほど国政に影響を与える選挙はない」として、原発ゼロか、再稼働容認かという、2グループによる争いだと言い切った。
小泉氏は首相時代、郵政民営化という単一テーマで衆院を解散し、大勝利を収めた。
都知事選でも同様の展開を描いているのだろう。だがあの時は、あくまでも国政課題の民営化問題を総選挙で問うたのであり、都知事選で「脱原発」を掲げることと、同一視はできない。
【東京】東京都知事選 脱原発は大事な争点だ
「脱原発」を唱える細川護熙元首相が東京都知事選への立候補を表明した。国の原子力政策は間違いなく主要な争点となる。首都のリーダー選びを日々の暮らしを足元から見つめ直す契機としたい。
細川氏は、同じく「脱原発」を主張する小泉純一郎元首相に協力を仰ぎ、全面支援の約束を取りつけた。「原発の問題は、国の存亡に関わる問題だという危機感を持っている」と決意を述べた。
核廃棄物の最終処分場を欠いたまま、安倍晋三政権は相変わらずの原発政策を推進しようとしている。二人の元首相はそこに危うさを覚えている。
「原発ゼロでも日本は発展できるというグループと、原発なくして日本は発展できないというグループの争いだ」。小泉氏の言葉は、都民を超えて国民全体に投げ掛けられた問いといえよう。
日本は資源小国だ。安倍政権は原発を「重要なベース電源」と位置づけ、成長戦略の一環として再稼働のみならず海外輸出に前向きの姿勢を見せている。
その半面、東京電力の福島原発事故の収束作業、さらに廃炉作業の先行きは見通せない。避難生活を強いられている被災者が救われる日もおぼつかない。
東京は国内最大の電力消費地として原発の恩恵にあずかってきた。都は東電の大株主としてそれを間接的に支えてもきた。
都民は原発政策にどんな態度を示すのか。グローバル経済の中で飽くなき成長を目指すのか、原発のない新しい国づくりを目指すのか。都知事選は自己の生き方や倫理観とも向き合う好機だ。
本紙の都民世論調査では、「すぐに原発ゼロにする」と答えた人と「ある程度時間をかけて原発ゼロにする」と答えた人の割合を合わせると、65%近くに上った。
すでに共産、社民両党が推す宇都宮健児前日本弁護士連合会会長も、同様に「脱原発」を公約に掲げる。十四日の出馬表明で「原発に頼らない社会」を打ち出した舛添要一元厚生労働相は、自民、公明両党が支援する見込みだ。
都知事選は二十三日の告示、二月九日の投開票。都政には東京五輪・パラリンピックの準備や首都直下地震対策、高齢化対応などの課題も山積みだ。
医療法人徳洲会グループから五千万円を受け取った猪瀬直樹前知事の辞職に伴う選挙である。細川氏は二十年前、自らの金銭問題で退陣した。首都の信頼を取り戻せるかどうかも争点だ。
東京新聞は、今日、下記の社説も載せている。
原発輸出協定 核拡散が心配になる