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【17.11.07】 就任後、初来日したトランプ米大統領

日米首脳会談 北朝鮮問題 対話否定では国民の命守れない(しんぶん赤旗)

就任後、初来日したトランプ米大統領と安倍首相が首脳会談を行いました。
会談の焦点の一つは、北朝鮮による核・ミサイル開発への対応でした。安倍首相は会談後の共同記者会見で「対話のための対話では全く意味がない」「『全ての選択肢がテーブルの上にある』とのトランプ大統領の立場を一貫して支持している」と従来の主張を繰り返しました。北朝鮮との対話を通じて核開発の放棄を迫る道を自ら閉ざし、米国による先制的な軍事力行使を容認する安倍首相の姿勢を改めて鮮明にするものであり、極めて重大です。
北朝鮮の核・ミサイル開発が断じて容認できないのは言うまでもありません。同時に、破滅的な事態をもたらす戦争は問題解決の選択肢には絶対になり得ません。
トランプ大統領が面会した北朝鮮による拉致被害者家族の横田早紀江さんは「制裁も必要だが、対話も必要」「戦争だけはやめてほしい。人を殺りくして街も破壊するのでは意味がない」と述べていました(時事通信のインタビュー、4日配信)。問題解決の唯一の道は、経済制裁の強化と一体に「対話による平和的解決」を図ることにあります。
北朝鮮との対話の試みを「時間の無駄」と述べてきたトランプ大統領も、米国のテレビメディアのインタビュー(6日電子版)で、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との会談について今は時期尚早としつつ、「私は必要であれば誰とでも会談する」「話をすることは悪いことではない。扉は開いている」とも述べています。そうした状況の中で、安倍首相がトランプ大統領に対し「対話のための対話は意味がない」と「対話否定論」を強調したことは、北朝鮮との交渉を模索する米政権内の動きを潰そうとする大問題です。
北朝鮮問題をめぐる現在の最大の危険は、米朝の軍事緊張が高まる下で偶発的な事態や誤算から衝突が起こり、戦争に発展することです。戦争の回避は国民の生命と安全を守るべき政治に課せられた最大の責務です。同時に、米国による先制的な軍事力行使を絶対にさせてはなりません。
トランプ大統領が「すべての選択肢がテーブルの上にある」という中に先制的な軍事力行使が含まれている事は明白です。これに安倍首相が支持を重ねて表明したことは許されません。こうした安倍首相の態度は世界の首脳の中でもあまりに異常です。
危機打開のため、米朝に直接対話を求めるとともに、先制的な軍事力行使はするべきでないことを米国に求めることが必要です。

戦略的外交を展開せよ 米大統領のアジア歴訪(中日)

世界の成長センターに関与を続けるメッセージである。トランプ米大統領のアジア歴訪だ。その姿勢は歓迎する。戦略的な外交を展開してほしい。
トランプ氏は6日の安倍首相との共同会見で、北朝鮮問題について「日本国民と団結し、北朝鮮の脅威に立ち向かっていく」と強調した。首相も「今後取るべき方策で見解が完全に一致した。日米が100パーセント共にあると力強く確認した」と述べた。
両首脳は会談で、北朝鮮に最大限の圧力をかけることを改めて確認した。
北朝鮮に圧力だけでは
だが、圧力一辺倒で北朝鮮が核・ミサイル開発を断念する可能性は小さい。ティラーソン国務長官が北朝鮮との対話に意欲を示したのに対し、トランプ氏は「時間の無駄だ」と切り捨てたことがあった。そうした挑発的な言動は、北朝鮮との間でいたずらに緊張を高めるだけである。
首相がトランプ氏に同調するのは「日米同盟の揺るぎのない絆」(首相)を誇示するためだろう。だが、朝鮮半島有事になれば日本も甚大な被害を受ける恐れがある。交渉による平和的解決をあくまで目指すようトランプ氏に説いたのだろうか。
トランプ氏は北朝鮮の拉致被害者やその家族と面会し、拉致問題で日本に協力する意向を表明した。北朝鮮当局には米国人3人も拘束されている。日米の連携を期待したい。
首相は会見で「安全保障環境が厳しくなる中で、防衛力を質的にも量的にも拡充していきたい」と述べ、トランプ氏の求めに応じて米国からの防衛装備品購入を増やす意向を示した。
これには米国が問題視する対日貿易赤字対策の側面もあるのだろうが、やみくもな防衛力増強が地域の不安定化を招くことは留意せねばならない。
インド台頭、中国進出
オバマ前大統領は2009年の訪日時の演説で「我々の利害はアジア太平洋地域の将来に大きくかかわっている」としたうえで「米国は太平洋国家だ」と位置付けた。
オバマ前政権が鳴り物入りで進めたアジア重視政策は、2020年までに空・海軍の戦力の6割をこの地域に重点配置する「リバランス(再均衡)」と環太平洋連携協定(TPP)が両輪だった。
ところが、過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討に追われて外交の軸足は中東に回帰し、アジア重視はかすんだ。
ホワイトハウス高官は今回のトランプ氏のアジア歴訪の目的を「自由で開かれたインド太平洋地域に指導力を発揮する意思を示すためだ」と説明する。
アジア太平洋地域に関与する方針に変わりはなく、逆にインド洋に地域を広げて外交戦略を組み立てていこうという考えだ。インドの台頭と中国のインド洋への海洋進出をにらんだ動きである。
中国による南シナ海の軍事拠点化を牽制するため、米国が艦船を派遣する「航行の自由作戦」。トランプ政権は5月からこれまでに4回実施した。早くもオバマ前政権と同じ回数だ。中国の挑戦に受けて立つ構えは見せている。
一方で、トランプ氏はアジアでの貿易体制確立の主導権を握るための基盤であるTPPから離脱した。そればかりかTPP加盟国のカナダ、メキシコと結んでいる北米自由貿易協定(NAFTA)の破棄もちらつかせている。
貿易赤字にとらわれるあまりに、米国が築き上げてきた自由貿易体制のインフラを自ら破壊するに等しい。
ISが事実上崩壊し、トランプ政権がアジア重視政策にエネルギーを傾注しやすくなった。ところが、トランプ氏のイラン敵視姿勢は、これを台無しにしかねない。イランとの間の摩擦をいたずらに高め、地域情勢を緊迫化させるだけだ。
化学兵器を使ったシリアへのミサイル攻撃のように、トランプ外交は多分に即興的であり、一貫性や大局観を持ち合わせていない。政権内の足並みの乱れも目立つ。
トランプ氏は予定を変更して、14日にマニラで開かれる東アジアサミットに急遽出席することになった。欠席すれば、アジア関与は本気なのかと疑われるところだった。外交への認識の甘さが見てとれる。
自由で開かれた地域に
日米両首脳は「自由で開かれたインド太平洋戦略」を進めることで一致した。具体的に何を実行するのか。青写真を示してほしい。
一帯一路構想をぶち上げた中国、東方シフトに乗り出したロシアと、富を求めてこの地域をめぐる大国のせめぎ合いは激しさを増す。米国が主導権を握るには、戦略性が不可欠である。

日米首脳会談 中ロ巻き込む外交を(朝日)

来日したトランプ米大統領と安倍首相が会談し、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への圧力強化に向けて結束を確認した。
アジア歴訪の最初の訪問国である日本で、両首脳が互いの絆の強さを改めて示した。
会談後の共同記者会見で首相は、日米が「北朝鮮への圧力を最大限まで高めていくことで完全に一致した」と強調した。だが圧力は対話のための手段であり、そこに導く粘り強い外交努力が日米双方に求められる。
その環境づくりのために問われるのは、今回、日米で共有した認識を韓国、中国、ロシア、さらにはアジア各国とどう調整していくかだ。
とりわけ北朝鮮の後ろ盾とされる中国の協力は欠かせない。両首脳が中国について「さらに大きな役割を果たしていくことが重要」との認識で一致したのは当然だろう。
留意が必要なのは、両首脳が日米共通のアジア戦略として掲げた「自由で開かれたインド太平洋」構想だ。
日米に加えインド、豪州の4カ国を中心に太平洋からインド洋にかけて、航行の自由や法の支配、公正で自由で互恵的な貿易などに基づく開かれた秩序を築く。そんな構想である。
「自国第一主義」に傾くトランプ政権が、アジアに関与すること自体には意味がある。
ただ、中国の習近平(シーチンピン)国家主席が提唱したシルクロード経済圏構想「一帯一路」に対抗する概念と読み取れないようにする必要がある。
日米と中国が張り合う形になれば、中国との摩擦を嫌う東南アジア諸国連合(ASEAN)の国々は尻込みしかねない。
北朝鮮への対応で日米と中国が足並みをそろえるためにも、対中牽制が過度に前面に出ることは望ましくない。
8日からの大統領の中国訪問に加え、首相も10日からのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議などの機会に習主席やロシアのプーチン大統領との会談に意欲を示している。そこで対北朝鮮対応でどう歩調をあわせるかが問われる。
共同会見で驚いたのは、対日貿易赤字を問題視するトランプ氏が「非常に重要なのは、日本が膨大な兵器を追加で買うことだ。多くの雇用が私たちのために生まれ、日本はもっと安全になる」と露骨に迫ったことだ。
喫緊の安全保障と通商問題を絡めるのは不穏当だ。必要性を判断するのは日本自身である。
日米の結束をアジアに広げていきたいなら、米国の真意を疑わせる発言は慎むべきだ。

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