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【16.12.20】 オスプレイ再開、一般紙も批判

オスプレイ再開 県民より米軍なのか(朝日社説)

政府は何故、これ程までに米軍の言うがままなのか。その姿勢が改めて問われている。沖縄県名護市沿岸で、米軍輸送機オスプレイが大破した事故から1週間足らず。同種機の飛行を米軍が全面再開した。
先週末、民放テレビに出演した安倍首相は「徹底的な原因究明」を強調。「今まで米側はなかなか運航を止めてこなかった。しかしカーター国防長官が日本においては一時的に止めてくれた」と語っていた。
だがそのわずか3日後、米軍は飛行を再開した。「空中給油の際の給油ホースとオスプレイのプロペラの接触が原因であり、機体そのものが原因ではない」という米軍の説明を、政府はそのまま容認した。
大破事故と同じ日、普天間飛行場で、別のオスプレイが胴体着陸する事故も起きた。ここでも「確立されたマニュアルに従って衝撃を吸収するパッドの上に着陸した」との米軍の説明を政府は受け入れた。
米軍の説明の根拠は何か。同様の事故が再発する恐れはないのか。胴体着陸事故の日本側への通報が遅れた理由はー。米軍の、そして日本政府の説明は十分とは言えない。
日本の捜査機関が事故調査に手を出せないことも、県民の怒りを増幅させている。米軍関係の事件・事故に、基地の外でも米軍に警察権を認めている日米地位協定があるからだ。
今回の大破事故でも、海上保安本部が米軍に捜査協力を申し入れているが、返事さえない。
日本側が捜査に加われないのならなおさら、政府は米軍に十分な情報開示を求め、国民・県民に丁寧に説明すべきなのに、その努力はあまりに乏しい。
「もうこういう政府は相手にできない。法治国家ではない」翁長知事の言葉は、県民の不安を顧みない米軍への怒りとともに、米軍にもの言えぬ政府への失望の表れだろう。
事件や事故のたびに問題となる地位協定の改定にも、政府は本腰を入れて取り組むべきだ。
事故後、在沖米軍トップの四軍調整官が副知事に「パイロットは住宅や住民に被害を与えなかった。感謝されるべきだ」と述べ、「占領者意識そのもの」と県側の猛反発を受けた。あまりに早い今回の飛行再開も、米軍・日本政府と県との溝をいっそう深めかねない。
オスプレイはすでに本土各地を飛んでおり、配備計画も進んでいる。オスプレイによる不測の事故も、そして国民不在の事後の対応も、沖縄だけの問題ではない。

オスプレイ 飛行再開、理解できぬ(中日社説)

海岸に「墜落」して停止されていた垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの飛行を米軍が再開した。安全性の確認は十分とは言えず、沖縄県民の反対も無視した飛行再開だ。全く理解できない。
米海兵隊のオスプレイが13日に沖縄県名護市の海岸に不時着、大破してから6日。事故後停止していた同型機の飛行を再開した。在日米軍は飛行再開について「安全手順や機体を徹底的、慎重に見直した。安全な飛行運用を継続できると高い自信を持っている」と説明する。
今回の「墜落」は、空中給油訓練中、事故機のプロペラが乱気流で給油ホースに接触して破損、飛行が不安定になったため起きた。空中給油は引き続き停止するものの、機体自体の原因ではないとして飛行を再開するのだという。
しかし、開発段階から実戦配備後まで墜落事故を繰り返し、安全性に懸念が残る機種である。同じ十三日には別の機が米軍普天間飛行場に着陸する際、脚部の故障で胴体着陸する事故も起きた。
ヘリコプター機能も持つオスプレイは、通常の固定翼機よりプロペラが大きい。空中給油を行えば乱気流時に給油ホース切断の危険性は高まる。操縦の難しさに加え構造上の問題も無視できまい。
米側の説明を受けた菅官房長官、稲田防衛相はそろって「飛行再開は理解できる」と述べたが、日米地位協定の制約があり日本独自の機体捜査をしたわけではない。米軍はもちろん、日本政府の対応も全く理解できない。
米軍基地が集中し、オスプレイの危険に、より深刻に直面している沖縄県では翁長県知事ら多くの県民が飛行再開に反対し、撤去を求める。なぜ反対を押し切って強引に飛行再開を急ぐのか。
22日には政府主催の米軍北部訓練場の部分返還式典が行われる。返還条件として新設されたヘリパッドは、当初は想定されていなかったオスプレイも使用する。
飛行再開を急いだのは、返還式典を前に、オスプレイの飛行を既成事実化するためではないのか。
オスプレイは陸上自衛隊も17機導入し、千葉県の陸自木更津駐屯地では普天間に配備された米軍の24機の定期整備も始まる。米軍横田基地(東京都)にも米空軍特殊作戦用機が配備される。
オスプレイは日本の空を飛び回る。危険にさらされるのはもはや沖縄県だけではない。すべての国民が直視すべき現実である。

オスプレイ再開 政府はなぜ認めたのか(毎日社説)

詳細な事故原因を明らかにしないまま、在日米軍が沖縄県・米軍普天間飛行場に所属する新型輸送機オスプレイの飛行を再開した。
空中給油訓練中に名護市沖に落ち、機体が大破した重大事故から1週間もたたないうちの飛行再開だ。翁長沖縄県知事が「言語道断」と批判したのは当然だ。
米軍は、事故の原因について、給油ホースがオスプレイのプロペラに接触したためで「搭載システム、機械系統、機体構造」に問題はない、と改めて日本政府に説明した。
政府は、防衛省・自衛隊の専門的知見から、米軍の説明に合理性があると判断し、飛行再開の通知を「理解できる」と容認した。
ところが、オスプレイの機体構造に問題がなかったとしても、なぜ空中給油中にホースがプロペラとぶつかるような事故が起きたのかという根本原因は解明されていない。
防衛省は、米軍の説明にもとづいて「乱気流が影響していると思われるが、他の要素もあるようで、調査中」(幹部)と話している。
飛行再開を決めた米軍の判断は納得できない。それ以上に、簡単に再開を受け入れた日本政府の対応に問題がある。防衛省は、事故機を実際に見ておらず、米側から説明を聞いただけで合理性があると判断したという。これが住民の安全に責任を持つ政府の態度だろうか。
4年前にオスプレイの国内配備を受け入れるにあたって、日本政府は過去の事故などを検証したが、今回はそういう姿勢は見られない。
情報提供も不十分だ。県や市への説明が再開当日に行われたのは、日米当局の誠意を疑わせる。
また、名護市沖の事故と同じ日、別のオスプレイが普天間で胴体着陸事故を起こしていたことが明らかになったが、当初、米軍から連絡はなく、防衛省は報道で事実を知った。その後の米軍の説明では、脚部を下ろす電気系統の故障が原因という。
今回の事故では、在沖縄米軍トップのニコルソン沖縄地域調整官が、住民らに被害が出なかったことをもって「感謝されるべきだ」と開き直る発言をしたことも大きな問題になった。しかし、政府は遺憾の意すら示さず、事実上、不問に付した。
日米地位協定が壁になり、日本側が事故を捜査できない問題も積み残されたままだ。第11管区海上保安本部(那覇市)は、航空危険行為処罰法違反容疑での捜査を受け入れるよう米軍に求めているが、米側からは回答がないままだという。
事故は沖縄や配備計画のある地域の人々を不安にさせたが、事故後の日米当局の対応はその不安をいっそう増幅させかねない。

オスプレイの墜落 危険な欠陥機は直ちに撤去を(12月15日しんぶん赤旗主張)

沖縄県の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)配備の垂直離着陸機MV22オスプレイ1機が同県名護市安部(あぶ)の沿岸部に墜落しました。防衛省は国内初の重大事故を小さく見せかけようと「不時着」と発表しましたが、安部沿岸の岩礁でバラバラに大破した無残な姿をさらす機体を見れば、墜落であることは明白です。2013年1月、沖縄県内全ての41市町村の首長と議会議長、県議らから配備撤回を求める「建白書」を手渡された安倍首相をはじめ日本政府が、オスプレイの「安全性」を繰り返し宣伝し、配備を進んで容認してきた責任は極めて重大です。
開発段階から相次いで墜落死亡事故を起こし、「欠陥機」と呼ばれてきたオスプレイは現在、普天間基地に24機が配備されています。12年9月に10万人以上が参加した「オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会」の開催や13年1月の「建白書」提出などに示された沖縄の民意を乱暴に踏みにじり、12年から13年にかけて強行されました。
オスプレイ配備反対が「オール沖縄」の声になったのは、騒音被害や墜落など事故の危険が沖縄全域に及び、県民の命と暮らしを脅かすことが強く懸念されたためです。米海兵隊が12年に発表した報告書(環境レビュー)では、オスプレイは沖縄本島のほぼ全域や伊江島に広がる米軍ヘリ着陸帯の大半(69カ所)を使うことが明らかになっていました。
今回、オスプレイが墜落した名護市安部の沿岸部は、安倍政権が普天間基地に代わる新基地建設を狙う同市辺野古の目と鼻の先です。オスプレイを県内のどこに配備しようが、沖縄全域が事故の危険にさらされることを証明するとともに、普天間基地の「危険性除去」のために新基地が必要だという安倍政権の口実に全く道理がないことを示しています。
しかも、安倍政権が建設強行をもくろむ辺野古の新基地は、隣接する海兵隊基地キャンプ・シュワブやキャンプ・ハンセンなどと一体的に運用される最新鋭の巨大基地になります。東村高江で強行されている北部訓練場のヘリ着陸帯の新設などと合わせ、現在、大問題になっている住宅地上空の物資つり下げ(宜野座村)や夜間飛行などオスプレイの危険な訓練が激化することは間違いありません。
普天間基地配備のオスプレイは、横田基地(東京都)、厚木基地(神奈川県)、キャンプ富士(静岡県)、岩国基地(山口県)などにも飛来し、訓練を繰り返しています。横田基地には、米空軍の特殊作戦用のCV22オスプレイ10機の配備も計画されています。
今回の墜落事故は沖縄にとどまらず、全国各地の住民の安全にも関わる大問題です。
安倍政権が既に陸上自衛隊へのMV22オスプレイ17機導入を決め、佐賀空港(佐賀県)への配備を狙っていることは重大です。陸自木更津基地(千葉県)には日米共同のオスプレイ整備拠点を建設しようとしています。
安倍首相は今回の事故を受けても「飛行の安全確保が大前提だ」と述べるだけで、オスプレイ配備容認の姿勢を変えようとしません。沖縄と全国が連帯し、オスプレイの飛行中止、配備撤回を求めるたたかいを広げることが急務です。

今日のしんぶん赤旗から(翁長知事「言語道断」、小池書記局長の抗議)

1、オスプレイ飛行再開に憤り事故からわずか6日原因究明もないまま防衛相「理解」
在沖縄米海兵隊は19日午後、沖縄県名護市安部の浅瀬で13日夜に発生した墜落事故を受けて停止していた垂直離着陸機オスプレイの飛行を、事故原因となった空中給油を除いて全面的に再開しました。
同日午後1時58分、最初の1機が米海兵隊普天間基地(宜野湾市)を離陸したを皮切りに、2時30分ごろまでに計4機が離陸。宜野湾市上空や那覇市、浦添市といった人口密集地や伊江島(伊江村)など県内各地への飛行を強行し、旋回飛行も繰り返しました。
また、13日から米軍伊江島補助飛行場にとどまっていた1機も同日午後、飛行を再開し、普天間基地に着陸しました。
13日に墜落事故が発生してからわずか6日。事故原因の究明はおろか、機体回収も終わらない中での傍若無人な飛行再開に、県内では怒りの声が高まっています。
オスプレイはこれまで、首都圏や山口県、長崎県など全国各地に飛来しています。「全面飛行」が宣言されたことで、近く本土への飛行も再開される可能性があります。
在沖縄米軍トップのニコルソン四軍調整官は19日、「MV22の安全な飛行を継続できることを強く確信している」とのコメントを発表。また、稲田防衛相も同日、「これまで米側から得た情報等に基づき、防衛省・自衛隊の専門的知見に照らせば合理性が認められる」として、13日夜に普天間で発生したオスプレイの胴体着陸に対する説明を含め、飛行再開は「理解できる」とコメントしました。
さらに稲田氏は、依然として事故を「墜落」と認めず、「不時着水」との評価に固執しました。
伊江島補助飛行場に隣接する伊江村真謝(まじゃ)区の平安山(へんごん)良尚区長は「区の住民は自分たちの頭上にいつ落ちるかと敏感になっている。沖縄県民を人間と思っていないのか」と怒りをあらわにしました。

2、オスプレイ飛行再開 翁長知事「言語道断」
オスプレイの飛行再開について沖縄県の翁長知事は19日、「言語道断」と批判、午後に県庁で行った記者会見では、険しい表情で「県民を一顧だにしない日米政府に強い憤りを感じる」と強く抗議しました。
翁長知事は、県民が配備に反対してきたオスプレイが墜落事故を起こしたことに対し怒りを禁じ得ず、飛行中止を強く要請してきたにもかかわらず、事前に十分な説明がないまま飛行が再開されたとのべ、「オスプレイに対する県民の不安は一向に払拭されていない」と語りました。また、日米地位協定のもとで日本政府にまったく主体性がないと批判しました。
沖縄県は、県内の全41市町村長らが署名した「建白書」の精神に基づき、オスプレイ配備に反対してきました。翁長知事は、「今後ともあらゆる機会を通じて、日米両政府に対してオスプレイの配備撤回を求めるとともに、飛行再開の中止を求める」考えであり、「県民の思いに寄り添って全力投球していく」と強い決意を語りました。

3、オスプレイ全面飛行再開「断じて許されない」小池書記局長が会見で厳しく抗議
日本共産党の小池書記局長は19日、国会内で記者会見し、沖縄県名護市沿岸で米軍普天間基地所属のオスプレイが墜落(13日)した問題で、墜落事故からわずか6日後の19日に米軍が同型機の飛行を全面再開したことに対し、「断じて許されない。日米両政府に厳しく抗議する」と表明しました。
小池氏は、全面飛行再開に翁長沖縄県知事が「言語道断」だとし、稲嶺名護市長も「とても信じられない。納得できない」とそれぞれ批判したのは「当然の反応だ」と指摘。米軍が海上保安庁の捜査協力要請を無視していることから、日本政府は独自に何の情報も持っていないはずなのに、米軍の説明をうのみにして、稲田防衛相が全面飛行再開は「理解できる」と述べたのは、「まるで植民地における“かいらい政権”のような振る舞いだといわれても仕方がない」と厳しく批判しました。
小池氏は、米軍が日本全国に6つの低空飛行訓練ルートを設定し、その範囲は全国21県、約140市町村に及び、年間330回もの飛行訓練が計画されていると指摘しました。
陸上自衛隊木更津駐屯地(千葉県)には日米共同のオスプレイ整備拠点が設けられ、米軍横田基地には空軍の特殊作戦用オスプレイ10機が来年配備され、米海軍もオスプレイの日本配備計画を明らかにし、陸自もオスプレイ17機の佐賀空港配備を狙っていることに言及。「沖縄だけでなく、全国各地の住民の安全と暮らしに関わる重大問題だ。危険な軍用機オスプレイに日本の空を飛ばせてはならない。そのために、沖縄と本土が力を合わせてオスプレイ撤去を求めるたたかいを進めていきたい」と表明しました。

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