活動日誌−活動日誌
【16.08.22】 早朝宣伝から
１、 「核兵器禁止条約」
今年の原水爆禁止世界大会・国際会議宣言は「国連総会に対して、核兵器禁止・廃絶の条約の交渉開始をふくむ具体的な勧告を行うこと」を作業部会に要請しました。
「核兵器のない世界」を実現するための法的措置を議論してきた国連の作業部会（ジュネーブで開催）が報告を採択し、核兵器禁止条約などの交渉を来年から始めるよう国連総会に勧告しました。
報告は「核兵器を禁止し、その全面廃絶にいたる法的拘束力のある協定を交渉する会議を２０１７年に招集する」としています。核保有国がボイコットするなか、今年２月から１００カ国以上が参加して、議論を重ねてきました。
国連総会は２０年にわたって、核兵器禁止条約の交渉開始を求める決議を、加盟国の７割以上の賛成で採択してきました｡しかし､核保有国の反対などで、条約の交渉も議論も始まっていません。作業部会の報告は、この状況を打破する重要な一歩となりうるものです。
核兵器を条約で禁止し、廃絶することは、長年にわたって世界の反核平和運動が強く求めてきたものです。
作業部会は、満場一致での報告採択をめざしましたが、アメリカの同盟国などが、核兵器禁止条約の交渉開始に異議をとなえ、多数決となりました(賛成６８､反対２２、棄権１３)｡日本政府も、禁止条約に反対し、報告に棄権しました。核保有国の代弁者ともいうべきその発言は、他国から厳しい批判を浴び、孤立する姿をさらしました。
その根本にあるのは､米国の｢核の傘」＝核兵器に依存する安倍晋三政権の立場です。オバマ政権が、核兵器の先制不使用宣言を検討していることに対し、首相自身が「北朝鮮のような国々への抑止力を弱める」と反対したと報じられたように､それらの言動は､「核兵器のない世界」をめざす世界の流れに逆行し、その足をひっぱるものだといっても過言ではありません。日本政府の恥ずべき姿勢をただし、被爆国にふさわしい役割を果たさせることが強く求められます。
被爆国日本の運動の国際的役割が、これまで以上に重要となっています。
２、「戦争法」 南スーダンＰＫＯ 「殺し殺される」訓練 許されぬ
安倍政権は、南スーダンの国連平和維持活動（ＰＫＯ）に１１月から派遣予定の陸上自衛隊部隊に対し、「戦争法」（安保法制）で新たに可能になった「駆け付け警護」と「宿営地共同防護」の訓練を開始させようとしています。今年３月に施行された「戦争法」をいよいよ本格運用の段階へ移行させようとする危険なたくらみです。二つの任務とも、それまでのＰＫＯ法の枠を超えた武器使用の拡大を認めています。派遣時に実際に新任務が付与されれば、自衛隊が戦後初めて「殺し、殺される」という、極めて深刻な事態が現実化しかねません。
内戦状態が続く南スーダンでは今年７月、自衛隊が駐留する首都ジュバで大統領・副大統領（当時）両派の激しい戦闘で数百人が死亡する事態になりました。自衛隊宿営地内でも複数の弾痕が確認されました。自衛隊の派遣そのものが問われています。
国連安全保障理事会は今月､｢文民保護」などのため、いかなる相手であれ先制的な武力行使が可能な「地域防護部隊」の派遣を決めました。南スーダンＰＫＯが攻撃的な性格を強める中、自衛隊が任務拡大に踏み出せば「殺し、殺される」危険は一層高まります。「戦争法」の発動を許さず、廃止を求める世論と運動を高める時です。
３、「アベノミクス」
１５日発表された今年４〜６月期国内総生産（ＧＤＰ、季節調整済み）の速報値で、物価変動を除いた実質で前期比０・０％増と、日本経済が停滞を続けていることが浮き彫りになりました。
詳しく見ると０・０４％増なので年率では０・２％増ですが、いずれにせよ小数点以下の小幅な伸びです。日本経済は安倍政権が｢経済再生｣を掲げて「アベノミクス」を３年半余り推進しても効果が表れず、特に一昨年４月に消費税を増税して以降は消費の低迷でマイナス成長を繰り返しています。経済停滞を激化させた安倍政権の失政の責任は重大です。
政府の「経済財政白書」（年次経済財政報告）も、個人消費は「力強さに欠けている」と指摘しました。特に世帯主が３９歳以下の若年子育て期世帯と、６０歳代前半の無職世帯の節約志向が要因だと分析しています。持続的な賃金上昇などを提案しており、「アベノミクス」の不十分さを浮き彫りにしています。
日本が加盟する国際通貨基金（ＩＭＦ）も８月に公表した今年の対日審査の中で、「アベノミクス」は当初こそ期待の押し上げと日本経済の再活性化に効果があったが、いまでは「持続的な改善を難しくしている」と、異例な率直さで“限界”を指摘しました。労働分野などでの「構造改革」が「アベノミクスの再充填に不可欠」などといったＩＭＦの提案には同意できない点があるものの、「アベノミクス」の破綻は、今や国際的にも常識というほかありません。
安倍政権は３年以上たっても効果がないのに「アベノミクス」の破綻は認めず、参院選が終わった途端、事業規模で２８兆円にも上る「経済対策」を持ち出しています。しかし、対策は見かけを膨らませたもので、財政投融資でリニア中央新幹線や整備新幹線の建設を促進するなど、国民生活を改善するものではありません。安倍政権が担当相を置いた「働き方改革」も、非正規雇用は解消せず、残業代ゼロ法案を強行するなど、労働条件を悪化させるものです。
｢アベノミクス｣はきっぱり中止し暮らし最優先の経済政策へ転換することこそ不可欠です。
４、ＴＰＰ 食料自給率の低迷 多様な農水産業の発展めざし
農水省が発表した２０１５年度の食料自給率で、カロリーベースの自給率が６年連続で３９％にとどまっています。
食料自給率は、農林水産業による食用農水産物の生産（輸出を含む）と、国民の食料消費の比率です。食料生産とともに、食料消費の内容変化も自給率を変化させます。しかし、少なくとも国内消費の半分は国内生産で賄うべきだというのが多くの国民の願いであり、国際的にも主要国の多くが維持している、常識的な水準です。
日本の食料供給の力が低下し続ける要因は、日本の条件を生かした農林漁業の多面的な発展が閉ざされてきたからです。中山間地域を含む多くの農地を生かし、地域に定着する農漁民とその集団の力が発揮できる政策こそ必要です。
日本の農産物市場をアメリカなど輸出大国に明け渡す環太平洋連携協定(ＴＰＰ)は、それに逆行するものです。食料供給の３分の２近くを海外に依存する体制からの転換のためにも、秋の臨時国会でのＴＰＰの批准阻止が重要です。
５、小中一貫教育について
現在、教育委員会では、「桑名市における小中一貫教育について」｢学校教育あり方検討委員会」で論議されています。
「小中一貫校」とは、今年（２０１６年）４月から、小中一貫の９年制の｢義務教育学校｣が制度化されました。１人の校長のもとに１つの教職員集団からなり、同一敷地内にある「施設一体型」と、小学校と中学校が離れた場所にある「分離型」、隣接する「隣接型」があります。小中一貫校と非一貫校を同一条件で比較した研究調査はまだ行われておらず、よく言われる「中一ギャップ」の解消も科学的な根拠がある訳ではありません。一部の自治体が導入（現在１１３０件）に積極的ですが、きわめて冷やかに見つめる自治体や様子見を決め込む自治体も数多くあります。導入反対の住民運動も多くの地域で起こっています。小中一貫校の目的は、コスト削減のための統廃合であり、国民の広範な教育要求を反映してつくられた制度ではありません。桑名市では「公共施設等総合管理計画」と並行して、児童・生徒の少人数化を理由に、学校の統廃合を進めようとしています。
８月２日行われた第４回「学校教育あり方検討委員会」では、さほどの議論もなく（今回、欠席委員は４名、４回の会議に１度も出席してない委員もいる）小中一貫教育の導入を進めることが決定した。
これまでの「検討会」では、第１回、概略の紹介と諮問。第２回、多度小規模校の視察とアンケートの最終確認。第３回、宇治市の宇治黄檗学園の視察であった。今回から本格的な論議が展開されると思ったが、一人の委員が自治会との関係の問題を出され、二人の議員が導入に前向きの意見を出された。その中で、１０年に及ぶ小中連携の成果の報告を求められ、次回資料として提出されることとなった。しかし、委員長は小中一貫教育導入を進めることで同意を求め決定された。（諮問に対して）
まったく無茶な「検討会」である。すぐにでも止めてもらいたい。アンケートはまだ集計もされていない。ちゃんと市民の意見を聞いてもらいたいものだ。
「検討会」の「所掌事務」は、「教育委員会の諮問に応じ、望ましい学校教育環境のあり方について調査及び審議を行い、答申する。」となっており、「検討会」への諮問内容は�� 桑名市における小中一貫教育について、�� 小規模校への対応について、�� 中学校区を基本とした地域毎の学校施設の具体的な形態について、の３点です。ところが、すでに教育委員会は小中一貫を前提で話を進めています。（アンケートの説明資料を見ても明らかです）
【議会での質問から】市において小中一貫教育を推進する理由は、�� 学力・学習意欲の向上、�� 小学校から中学校への滑らかな接続、�� 小規模校への対応、�� 老朽化の進む学校施設への対応、�� 教員の意識改革と指導力向上、の５点。市に合った形でどのように取り入れていくか議論する。地域の声、教職員の声の取り上げ方については、選ばれた委員で、幅広く学校教育に関して意見を頂ける。小６、中１、教職員、市民にアンケートを実施する。
