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【15.03.31】 読売新聞が社説で4月から始まる「生活困窮者自立支援制度」について述べている。

早期に発見、早期に支援、的確に対処できる人材の養成にも言及している。

生活困窮者支援 早期の対応で自立を促したい 読売社説 3月31日

 仕事に就けず、生活に困っている人を自治体が手助けする。生活困窮者自立支援制度が4月から始まる。
 生活保護に至る前段階の人を早期に発見し、働いて自立できるように援助するのが目的だ。「生活保護の手前の安全網」と言える。
 都道府県や市区など福祉事務所を持つ全国約900の自治体が実施主体となる。政府は新制度の事業費として、2015年度は612億円を見込んでいる。
 生活保護の受給者は217万人に上り、保護費は年3・8兆円に達する。不安定な雇用が増えた結果、働く世代の増加が目立つ。
 生活保護を受けるまで窮乏してからでは、就労や自立がより困難になる。早期の支援は、長期的には、生活保護費の軽減につながるだろう。人口減に伴う労働力不足を補う効果も期待される。
 新制度の下、自治体には総合的な相談窓口の設置が義務づけられた。個々の状況に応じて「支援プラン」を策定し、福祉サービスや就労支援につなげる。必要な場合は家賃補助も行う。
 就労訓練や家計相談、子供の学習支援は任意で実施する。
 親族や地域の結びつきが希薄化する中、新たな支え合いの仕組みとして機能させたい。
 ただ、課題は多い。
 困窮者は孤立しがちで、支援の情報が届きにくい。自ら窓口を訪れる人は少ないだろう。住民税や水道料金の滞納記録や、民生委員などの地域の目を糸口に、自治体は対象者を見つけ出す必要がある。関係機関の連携が大切だ。
 困窮者が抱える問題は失業、心身の病気、借金、引きこもりなど様々だ。複合的に絡み合う場合も多い。的確に対処できる人材の養成も重要である。
 自立を支えるには、就労や訓練の受け皿となる協力企業・団体の確保が欠かせない。
 大阪府豊中市は、地元企業のデータベースを整備し、受け入れ先を開拓している。企業には継続雇用へ向けた助言をする。
 北海道釧路市では、基幹産業の漁業を支える漁網作りを就労訓練に活用している。介護や農業など人手不足が深刻な分野で、困窮者の活躍を図る自治体もある。
 ボランティア団体など地域の多様な組織とも連携し、困窮者を重層的に支える仕組みとしたい。
 自治体の取り組み方次第では、地域格差が生じかねない。政府は先進事例を周知し、自治体を後押しすべきだ。

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