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【14.04.01】 「生活保護基準引き下げの裁判について」の説明会を行う。

生活保護基準引き下げ問題と福祉事務所との懇談会等のお知らせ

 昨年8月に生活保護基準が引き下げられました。さらに今年4月、来年4月にも同様の引き下げが予定されています。このままでは全国の生活保護受給者の生活がどんどん苦しくなっていきます。そこで、基準引き下げ後に生活に困っている方や今後生活保護の利用を考えている方々のために福祉事務所と懇談会を実施いたします。
 現在、基準の引き下げによって困っている方、このことについて「おかしい!」と感じられている方々はきっといらっしゃると思います。昨年は全国で一万世帯を超える方々がこのことについて意義を申し立てました(審査請求)。その後、この申請が三重県により却下されたため、現在、国(厚労省)に対して再審査を請求しています。今回、「おかしい!」と声を上げるための審査請求や今後の「裁判を行う方法」等について弁護士等がみなさまの疑問にもお答えし、実際の手続き等も支援いたします。審査請求や裁判にかかる費用については当事者の方々の負担は必要ありません。その制度等についてもご説明いたします。ぜひこの懇談会にいらしてください!

 2014年4月1日(火)午前10時
 【場所】桑名市市役所3階 議員控室

 ご不明な点は以下のお問い合わせ先までお気軽にご連絡ください。

5世帯7人が参加。木村弁護士が説明。他に村田弁護士、長友先生が参加。

以下は、木村先生の資料からです。

1 裁判とは?

(1)審査請求から裁判への流れ
基準引き下げに基づく減額処分 審査請求  棄却  再審査請求  棄却   裁判
               60日以内     30日以内       6か月以内

(2)審査請求との違い
審査請求の特徴
簡易迅速、融通が利く〜開催場所、「口頭意見陳述」や「補佐人陳述」など
裁判の特徴
充実審理、厳格・慎重〜「意見陳述」「口頭弁論」「証人尋問」「検証」など

2 裁判の進み方

概ね1ヶ月〜3ヶ月に1回程度の期日
口頭弁論、弁論準備、進行協議、証人尋問、検証など
原告本人は裁判に必ずしも毎回出廷する必要は無いが、可能であれば来てもらいたい。

どれくらい時間がかかるか?
朝日訴訟の例
1957年8月提訴
1960年10月第1審東京地裁判決
1963年11月控訴審東京高裁判決
1967年5月最高裁大法廷判決

生存権裁判の例
(東京の例)
2007年2月提訴
2008年6月東京地裁判決
2010年5月東京高裁判決
2012年2月最高裁第3小法廷判決
(京都の例)
2005年4月提訴
2009年12月京都地裁判決
2012年3月大阪高裁判決
2014年3月現在最高裁第1小法廷に係属中

3 裁判の成果

(1)朝日訴訟の場合
「人間裁判」〜国民的な議論の巻き起こり
生活保護算定方式の変更、保護基準の著しい上昇

(2)生存権裁判の場合
「反貧困」運動における柱、2007年基準引き下げの阻止
母子加算復活(2009)、基本合意(2010)
●当事者の力、運動の広がりと裁判との連動

4 原告になるということ
(1)生活保護で暮らす方々の代表として
216 万 4857 人、159 万 5596 世帯(2013 年 11 月時点)
「原告団、支える会、弁護団」のトライアングル
報告集会、学習会、シンポジウム
マスコミ報道
→予想されるさまざまな反応
→「勇気を与える」存在に
→数多くの「声なき声」の存在、掘り起こし、励まし
(2)社会保障全体の問題として
「健康で文化的な最低限度の生活」のあり方に関する「生き証人」
ナショナルミニマムの問題
●朝日茂さん(朝日訴訟原告)の言葉
「私の怒りは、決して私一人だけの怒りではない。多くの貧しい人びと、低い賃金で酷使されている労働者の人びと、失業した人びと、貧しい農漁村の人びと、この人びとはみんな私と同じように怒っているはずだ。」
●松島松太郎さん(生存権裁判原告)の言葉
「別に、贅沢を言いたいわけではない。老齢加算があったときは、半歩下がっているとはいえ、世間様と同じ程度の生活をしていた感覚があった。老齢加算がなくなった今、本当にこのような生活が、憲法25条で保障される『健康で文化的な最低限度の生活』なのか知りたい。
これだけ細々と、色々と工夫して、つましく精一杯生きてきたのに、まだ生活を削られ、追い込まれて生きなければいけないのか。誰かが声を上げなければならないと思って始めた裁判で、最初は原告が私1人でとても心細かったが、全国で次々声が上がった。私が他の人を勇気づけたと言われることも多いが、むしろ私は、1人ではなかった、私は間違ってなかったという思いで、とても嬉しく、心強く思う。」

5 裁判にかかる費用について

(1) 裁判所に納める費用…印紙代、切手代

(2)弁護士費用
→いずれも、法テラスが利用可能
法テラスとは?
国の機関であり、無料法律相談を行ったり、経済的に余裕のない人に対して弁護士費用の援助をしたりする。
弁護士に対しては、法テラスから弁護士費用が一括払いされ、依頼者は、法テラスに対して月賦で弁護士費用を返済する。
生活保護利用者は、月賦返済が猶予され、事件終結時に生活保護を受給している場合には、返済が免除される。
→生活保護を受給中の人は弁護士費用を負担しなくてもよい。生活保護利用者でなくなっても、月額3,000円〜10,000円ずつ返済していけばよい。

6 今後の手続について
 7月に予定されている全国一斉提訴にあわせて、三重県では津地方裁判所(本庁)に提訴の予定。
 弁護士に対して委任状、法テラス利用申込書、生活保護を利用していることがわかる書類、世帯全員の住民票を提出してもらう。その後、個別の方の生活状況について聞き取りを行い、訴状の準備をしていく。

【感想】概ね理解していただいたと思います。
これから、具体的手続き申請の援助です。

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