【08.11.13】 障がい者団体「てとての会」が市役所と懇談
１年前とほとんど進展していない
１１月１３日、障がい者団体「てとての会」が市役所の障害福祉課と懇談をもちました。
要望書についての回答は、下記の通りであり更なる進展を願い交渉に当たりました。
特に要望の強かったことは、
１、ガソリン代の助成を、ガソリン券にして欲しい。
２、入院時、介護ヘルパーの派遣を公費で認めて欲しい。
３、外出支援を実効あるようにして欲しい。
４、脳性まひの医療とリハビリを真剣に考えて欲しい。
５、公共施設での誘導チャイムやインターホンの設置要望。
その気になればすぐにでもできる内容です。今後注意して達成度を見ていきたいと思いました。
要望書についての回答
１．タクシー券、ガソリン代助成について
�ー蠡海�の簡素化及び利用していない人へ個別に「お知らせ」をしてください。
ガソリン代助成は給油実績に基づき、申請により助成させていただいており、簡素化については継続的に検討いたしますが、利用助成変更、給油実績確認及び助成条件確認等のため現行手続きで実施します。
現在は、手帳交付時に新規対象者には手続きの案内をしておりますが、未利用者に対するＰＲにつきましては、本制度が本人の申請主義に基づきますので、個別通知方式ではなく広報等を通じ繰り返し情報の提供を行います。
今年度も８月１日号広報「くわな」にてご案内しております。
�∈鮑�のガソリン代高騰につき、助成の増額及び等級対象者を拡大してください。
助成の増額及び等級対象者については他市の助成条件、助成金額等を鑑みて、現在のところ現行基準でのサービスを継続します。
２．障害者窓口医療費無料化（現物給付）の実現に向けて三重県、医師会及び関係機関に働きかけてください。
医療費の窓口無料化について、これまでもご説明してきましたとおり、現物給付を導入しますと、導入した自治体に対して国庫負担金が減額されます関係と、県全体で取り組む制度であり、県下の市町や医師会との協力が必要で、非常に難しい問題であります。
しかし、現物給付は受診者にとって便利であることは承知していますので、今後は諸会議(所長会議、課長会議等)の中で提案し、検討を重ねたいと思っております。
３．障害者が安心して入院生活を送れるよう桑名市独自の制度をつくってください。
入院時に「安心して入院生活を送れるような制度」を市として具体的に提言することは現状ではできません。
障害のある方に限らず高齢者単身世帯の方など医療、看護分野以外の入院生活での不便、不安は生じる問題であり、そのような問題は医療制度での課題であり、解決には、第一に医療機関の努力が不可欠と認識しています。
４．公共建築物について
�� 増改築及び新設に際し、情報として広報してください。
公共施設の整備について、全ての市民が利用しやすい施設とするためには、市民の意見を拝聴することが必要でありますので、意見拝聴のための情報提供については、公表可能な時期に適切な広報が行えるよう今後関係所管と検討していきます。
�� バリアフリーに関し、建築計画の設計の段階から当事者の意見を広く取り入れてください。
公共施設の新設につきましては「三重県バリアフリーのまちづくり推進条例」に基づく整備マニュアル及び「桑名市交通バリアフリー基本構想」に基づく整備計画に従い整備してまいりますが、障害のある方の視点による意見も反映できるように事業担当課に要望していきます。
�� 駅周辺開発と駅西区画整理事業について、進捗状況をお知らせください。
桑名駅東口周辺につきましては、駅西地区の駅前広場の整備と合わせて、桑名駅東側と西側との間の歩行者通行が安全かつ容易となる東西自由通路や、駅東口及び北口広場を駅東口土地区画整理事業にて整備する予定でありますし、JR・近鉄の駅舎については、自由通路に面した橋上駅舎としての整備計画を予定しています。
平成１９年７月から自由通路整備費における鉄道事業者の費用負担のルール化につきまして、国土交通省と鉄道事業者において協議を行っていただいておりますが、ルール化の時期につきましては、まだ期間を要すると思われます。
自由通路のルール化が示された後、早期に鉄道事業者など関係機関と協議を行う予定です。
桑名駅西土地区画整理事業につきましては、仮換地指定を現在までに2回実施しています。また、9月から先行建設街区の造成工事に着手しています。
�� 車いす用駐車場の前後のスペースを広くしてください。
周囲の状況、安全性等を考慮して、必要に応じて検討します。
５．桑名市の外出支援制度（桑名市重度身体障害者移動支援事業）について
�� 運転者を確保し、利用しやすいようにしてください。
本事業の主目的は、車いすを利用する重度障害の方が、車いすごと乗車できる車を所有していない場合が多いため、車両の貸し出しによって日常生活上必要不可欠な社会参加を支援するものです。
したがって、本制度の運転者は、原則、利用者の家族など身近な介助者の介護で利用することを前提とし、ボランティアはそれを補完するものと考えております。
しかし、近年ボランティア登録者が少なく、利用が困難なケースもあることも認識しております。ボランティアセンターでも常にホームページ等において移動支援のための運転ボランティアの呼びかけを行なうなど、確保に努めております。
�� 視覚障害者等、利用者の拡大をしてください。
本事業の目的に合致しない利用者の拡大はできません。これまでどおり、視覚障害者の移動の支援は、移動のための介助者を派遣するサービスで対応していきます。
�� 桑名市の現在ある福祉車両を新しくし、又車両を増やしてください。
現在までの利用実績を鑑みて、車両の更新及び増加は困難な状況にあります。
６．福祉センターで行なわれている生活介護事業の身体介助は同性介助ができるような職員配置にしてください。
桑名市福祉センター及び多度すこやかセンターにおいて実施しております生活介護事業につきましては、男性の介護職員がいないため同性介助のご希望に添えず、利用者の皆様にご迷惑をお掛けしています。
しかしながら、特に男性介護職の人材不足は全国的に深刻な問題であり、当事業においても今年度配置に向け、昨年募集をいたしましたが、応募がなく同性介助を保障する職員配置は困難な状況であります。
今後も配置できるよう努力していきますのでご理解いただきたい。
７. 踏切があるところにエレベーターつき横断歩道をつけるなど車いす障害者が安全に渡れるようにしてください。三崎跨線橋を車いすでも安全に渡れるようにしてください。
三崎跨線橋を含め既存の鉄道横断歩道橋にエレベーターを設置することや踏切に新たにエレベーターつき歩道橋を設置することについては、用地確保、歩道橋設置の可能性、予算確保など多くの条件をクリアーしなくてはならず、どこでも安全に渡れる施設を設置することは現段階では非常に難しいと思われます。
しかし、現在計画しております桑名駅自由通路には、車いすの方が安全に横断できるようエレベーターを設置する予定であります。今後も新設する鉄道横断の施設を設置する場合は、できる限り車いすの方が安全に横断できるよう配慮した施設にしていきたいと考えています。
８．重度障害者が単身でも地域で安心して生活できる場を保障してください。（例えば、公営住宅の優先入居やバリアフリー化、個室のケア付住宅など）又、重度障害者が生活できるケアホームをつくってください。
市営住宅へ障害のある方の優先入居については、実施されておりません。現状では、入居募集戸数が非常に少なく優先枠を設けることが困難であります。バリアフリー化は入居者に必要な改修は対応に努めておりますが、主には建て替え時等の実施になっています。
ケア付住宅につきましては、設置も含めて制度利用がなされておりません。
障害のある方が自立生活を可能にする生活の場の確保については、障害者福祉施策の柱の１つであり地域生活支援として重要な課題であると認識しています。
今後も、生活の場の確保について継続的に検討していきます。
９．脳性まひなどの障害に精通している医師と理学療法士を市民病院、保健センター、桑名市福祉センターに配置してください。
市民病院では、脳性まひなどに精通する医師の配置は困難と思われます。
理学療法士につきましては、市民病院リハビリテーション室に２人、中央保健センターに２人、療育センターに１人、それぞれ配置しています。
また、現在、来年４月に向けて職員採用事務を進めているところですが、理学療法士につきましても募集（１人程度）いたしました。
福祉センターの理学療法士については、利用者のニーズを踏まえながら生活介護事業の委託費の範囲で配置できるよう社協と協議していきます。
１０．障害者の自動車改造費助成を本人運転のみでなく、その家族などが障害者を介助同乗する場合にも拡大してください。
この事業の対象者は、上肢、下肢又は体幹機能障害者であって、就労等に伴い自らが所有し、運転する自動車の操向装置及び駆動装置等の一部を改造する必要がある方への助成制度です。
助成対象者の拡大については、対象者、予算等の影響が大きいため困難ではないかと認識しています。
１１．後期高齢者医療制度の廃止を国、県に働きかけてください。
国の制度において、三重県下２９市町で広域連合を立ち上げ、２０年４月から新しい制度で実施されております。現在は、一部見直し等を行なっておりますが、国への撤回申し入れについては難しいと考えております。
１２．６５才以上の障害者が介護保険優先により、ホームヘルプサービスの内容が障害者自立支援法より低下しないようにしてください。
６５歳以上の障害者の方々のホームヘルプサービスにつきましては、障害福祉課と十分に連携をはかり、サービス低下にならないよう努めます。しかしながら、市としましては介護保険制度に基づき介護保険事業を進めてまいりたいと考えておりますのでご理解をしていただきたい。
１３．障害者の市職員別枠採用を今後とも継続してください。
障害者の市職員別枠採用につきましては、本年４月に技能労務職について知的障害者枠として１人を採用いたしました。
また、来年４月に向けて、事務職について身体障害者を対象とした別枠での募集（１人程度）を行い、現在事務を進めております。
来年度以降におきましても、障害者の雇用の促進等に関する法律の趣旨に沿って、引き続き障害者を対象とした別枠での職員募集に努めて参りたいと考えております。
１４．国の行なっている障害者雇用企業に対する雇用助成金に、桑名市独自の助成金を上乗せし、障害者の雇用促進をはかってください。
現状では、国の助成制度に上乗せの助成制度は難しいと考えております。
１５．市役所や総合福祉会館など公共施設の玄関に誘導チャイムをつけてください。
市役所庁舎及び総合福祉会館とも周辺には、民家もあり現在のところ難しいと考えます。
１６．市役所の玄関に、障害福祉課に直接つながるインターホンをつけてください。
現在、夜間来庁者用のインターホンがあり警備員が対応可能となっており、障害福祉課への直通インターホンの設置は予定しておりません。
１７．視覚障害者の録音がテープ方式からＣＤによるデイジー方式へ移行しております。移行にあたり必要な機器等を、音声ボランティア、サークルなどに助成してください。
市から声の広報発行事業を委託している団体によりますと、高齢者を中心に慣れたテープでの提供を望む声がまだまだ多いとのことですが、近く試験的にデイジー方式によるサービスを開始すると聞いております。今後機器の普及に伴ってデイジー方式での提供希望者が多くなる事が考えられますので、デイジー方式への移行に向けた支援を検討していきます。
１８．点字ブロックは明るい黄色を遵守してください。
点字ブロックの設置に関しては「三重県バリアフリーのまちづくり推進条例」に基づく整備マニュアルを遵守しておりますが、今後も引き続き事業担当課へ徹底するよう周知していきます。
１９．地域生活支援事業は応能負担にしてください。
地域生活支援事業の利用者負担については、自立支援給付の利用者負担と同様に所得に応じた負担軽減を導入しており、利用者数の推移、市の財政事情や近隣市町の状況などを考慮し、現行制度が妥当と考えておりますのでご理解いただきたい。
２０．地域生活支援事業の中のコミュニケーション事業における視覚障害者施策を教えてください。
地域生活支援事業のコミュニケーション支援事業においては、現在、視覚障害の方に対する事業は実施しておりません。
地域生活支援事業における視覚障害の方を対象にした事業としては、歩行訓練事業、点字教室事業、点字・声の広報発行事業、そして点訳奉仕員養成事業があります。
２１．作業所をふくめ障害者施設の職員を増やしてください。又、助成金を増やしてください。
障害者施設の職員数については、各施設の提供サービス種別、利用定員ごとに職員の配置基準が定められており、どの施設もこの基準に従って職員を配置しており、職員の過配置（増員）について市から指導する権限はありません。
なお、市直営施設及び市の委託にて運営する施設においては、できる限り職員を配置し、利用者のサービス向上に努めているところです。
また、現在助成金によって運営されております小規模作業所は、平成２３年度までに順次法定施設へ移行する予定であり、移行後は助成金の交付からサービス提供に応じて報酬を支払う給付事業へ替わることになります。したがって、施設運営については、助成金のようにその使途が制約されることなく、収支のバランスを考慮してより自由な運営が可能となりますので利用者の状況に応じて、柔軟な職員配置を施設が行なうことと考えております。