【08.11.05】 星野公平ニュースNo.80発行

追加経済対策  バラマキは一瞬、増税は一生

 麻生内閣が打ち出した「追加経済対策」の最大の目玉とされているのが一年かぎりの「二兆円の給付金」のばらまきです。三年後には消費税の大増税が明言されて、どうして景気がよくなるのでしょうか。                  
 一方で、大資産家や銀行・大企業には、証券優遇税制の延長・銀行保有株の買い取り検討・公的資金の資本注入枠の大幅拡大などが行われます。中小企業には、法人減税・信用保証拡大などが上げられていますが、消費税率増税に対応策はありません。
 これでは「生活者の暮らしの不安をとりのぞく」といいながら、本気で国民の暮らしを景気の悪化から守るとは思えません。日本共産党は、国民の暮らしを最優先で応援する政治を行うのか、それとも大企業・大銀行を応援することを優先するのか、国会できちんと議論し、争点を明確にしたうえで衆議院を解散し、総選挙で国民の審判をあおぐべきだと主張しています。
 あわせて、衆議院を通過し参議院で審議されている「新テロ法延長法案」(海上自衛隊がインド洋で米軍艦船などに行っている給油支援を継続する)は憲法違反であり、徹底審議の上で、廃案にすべきです。 

市民病院問題 自治体病院として求められているものは

 桑名市民病院は、国の「公立病院改革ガイドライン」に沿って改革プランを策定する(08年度内に)一方で、「あり方検討会」の答申により民間の山本病院との統合を進めながら、地方独立行政法人化の作業を行っています。
 山本病院との統合に向けての交渉は難航し8月より3ヶ月以上も進展していないようです。山本病院側の債務の状況や廃院にあたって土地の買取価格や現職員の退職金問題がネックになっているようです。地方独立行政法人化への作業が進んでおり、12月議会には、目的や組織・業務内容などが書かれた「定款」が議案として提出されます。
 日本共産党は、統合に当たっては、情報の公開を求めています。また地方独立行政法人化は自治体病院としての本来の役割を果たすことができなくなることから反対しております。
 直営であってこそ初めて、市民の健康を守れ、救急にも対応できます。全国でも儲け優先に走ろうとする地方独立行政法人化に議会が定款案に反対し、待ったをかける事例も出てきています。

【解説1】

「公立病院改革ガイドライン」による改革プラン    
国は病院事業を行っている自治体に3つの視点にそって改革プランを策定することを求めています。
1、経営効率化  3年間で病院の経常収支が黒字になる計画の策定
2、再編・ネットワーク化  二次医療圏域内での病院の統廃合、重複する診療科の統合、医師の集約化、病床の削減を図る
3、経営形態の見直し  地方公営企業法の全部適用、地方独立行政法人化、指定管理者制度、民間譲渡など

【解説2】

地方独立行政法人化(非公務員型)
地方独立行政法人法に基づき設立され、自治体から独立した経営となる。設置者(首長)が決める中期目標に従って、法人が中期計画を立て経営される。予算・財務・契約・職員定数・人事などで採算性優先の経営が行われる。診療体制や人事面で弾力的・透明性・機動的といわれるが、自治体からの負担金繰入は一方的な削減も可能となり、財政力が弱くなれば必要な医療が提供できなくなる。

駅西土地区画整理事業の状況  見直し縮小を

 第14回目の桑名駅西土地区画整理審議会が10月28日に地元選出の委員3名(8名中)が欠席の中、非公開で行われ、第3回目の仮換地の指定が決定されました。今回は駅西側の中心となる商業地とその南側の本郷の手前までの住宅地100世帯余りです。年内に通知書が郵送される予定であり、不服があれば三重県への審査請求ができます。
 第14回審議会は、先の6月10日開催の第13回審議会の議事録が未だに公開されてない異常な事態の中で、強行されました。そして、住民の意見が反映されないまま、第3回目の仮換地の指定が決定されました。これで区画整理地区の50%の仮換地が終わったことになります。現在住んでいる土地に、他の人が仮換地指定をされた事例も発生しているようです。真綿で首をしめるようにどんどん周りから仮換地指定をされ、行き場の無い人たち(まだ仮換地指定されていなく、どうしようもなくなる)が出てきています。一方で既に仮換地指定された方で、納得できず、県へ不服審査請求を出している方も何人かおられますが、行政はそれにまともに答えようともしません。
 先行街区の工事は何事も無かったように進められています。事務所は年度内に仮換地指定を終えようとしています。家屋補償等の話も始まっているようですが、桑名市には何処にそのお金があるのでしょうか。

先行街区の開発状況


新しい本の紹介 (中高層マンション建設反対に役立つ)

 藤野達善 著 「十メートル以上のマンション建設ゼロ―六企業相手の十三年間運動の記録―」(21世紀社)が発行された。本の裏表紙には「建築基準法で緑と住環境を壊すことはできない」と書かれている。
 マンション建設反対には、今まで 根来冬二 著 「マンション建物紛争解決ノウハウ」(築地書館)が唯一の本だといわれていた。私も総ての項目を何度も何度も隅から隅まで読んでヒントを得ようとした。(現在も機会あるごとに取り出して確認している)
 今度の本は、法律問題には余りふれられてないが、6つの事例をドキュメンタリー風に書かれている。1993年から2006年にかけて13年間も同じ地区で中高層マンション建設反対運動を行ってこられ、ついには町内の一部地域を高さ十メートル以下とする地区計画決定を行政に行わせた。住民運動の熱さを感じさせられます。運動の経過を逐次記録し、ビラや請願、陳情、要請、抗議などの文書を載せています。また会則や運動の教訓・原則も述べられています。
 最後に著者が書かれている「運動は住民を結び合わせました。隣は何をする人ぞから、挨拶を交わす仲となりました。」「緑と人間と住環境が調和した町を次の世代に渡していく。」「私たちの運動は、人間が人間らしく生きていける地球環境を守り創っていく、世界的運動のささやかな一環でもあるのではないでしょうか。」が印象的でありました。

雑感    桑名市内のマンション開発状況

 桑名市内のマンションは購買・入居希望者が飽和状態になったのでしょうか、売れ残りが目立ってきました。挙句の果ては、販売会社が変わって(別の会社に一括販売)大幅なダンピングが行われています。
 中高層マンション建設反対運動は、数年前に外堀地区で勝利してから連戦連敗でした。上記の藤野さんの本を読んで勝てない理由がわかってきたような気がします。住民運動の基本は何かを考えさせられました。

桑名駅前のマンション開発状況




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