【08.08.04】 もう8月です

今朝の街宣より

赤旗しんぶん日刊紙より、
7月30日、8月2日、3日の主張
7月30日の解説

1、北京オリンピック

北京オリンピックが8日開幕します史上最多の205カ国・地域が参加を予定しています。
規模の広がりは国のスポーツ水準が向上してきたあらわれですが、戦争と暴力を排し諸民族の平和な共存を願う国際世論の高まりと深く結びついた流れです。
21世紀の平和な世界の実現という見地からも、北京オリンピックの成功が期待されています。日本は過去最多の339人の選手団を派遣します。
すべての選手・チームが実力を存分に発揮し、「アジアの一員」として大会を盛り上げる役割を担ってもらいたいと思います。
オリンピックは世界の競技者と人びとが一堂に会するスポーツの祭典です。
それをテロで破壊したり、政治的に利用することはあってはなりません。
北京オリンピックの16日間が、人間的な感動にあふれ、平和のメッセージを発信する舞台となることを願ってやみません。

2、福田内閣改造

福田首相が、内閣改造に踏み切り、自民党役員人事では、麻生太郎氏が幹事長に就任しました。閣僚や党役員の顔ぶれを変えるだけでは、国民に痛みを押し付ける政治の中身は変わりません。今回の内閣改造は、昨年9月の福田内閣発足が、安倍前首相の政権投げ出しを受け前内閣の閣僚をほとんど留任させたため、「福田カラー」で「人心一新」などを理由に行われたものです。
福田首相には、発足いらい内閣支持率が下がり続け、洞爺湖サミットでも回復できなかったのを、内閣改造で目先を変え、支持率を引き上げたい思惑もありました。

福田内閣のゆきづまり

福田内閣に国民が望む方向に政治を転換する意思がないことは、改造直前、今後の政権の目玉としてまとめた、社会保障の「安心プラン」が、高齢者対策や非正規雇用対策などをいいながら、中身は「検討」をいうものがほとんどで、実現の手立てが示されていなかったことからも明らかです。
しかも来年度の概算要求基準では、社会保障費の削減を続け、その先の消費税増税もあきらめていません。
政治の中身を変えない改造をいくらやっても、支持を取り戻すどころか、国民との矛盾は、広がる一方です。

3、概算要求基準

福田内閣が来年度予算の大枠を示す概算要求基準(シーリング)を決めました。
社会保障費の自然増を2200億円削減する抑制路線を来年度も続ける方針です。
小泉内閣以来の社会保障予算の抑制は、医療や介護、年金、生活保護など、命と暮らしに直結する社会保障のあらゆる分野で深刻な問題を引き起こしています。
社会保障の国庫負担は高齢化や医療技術の発展に伴って増加していきます。
この自然増を認めず、必要な予算を削減することは、社会保障の支えを必要としている国民の痛みに直結します。
02年度の3000億円カットから始まった社会保障の国庫負担の削減は、03年度からは毎年2200億円を減らし続け、7年目に入りました。後期高齢者医療制度の導入や母子家庭の生活保護費の削減など、制度改悪による国庫負担の削減の影響はその年だけにとどまらず、年々上積みされていきます。
01年度と比べた今年度の累積影響額は1.6兆円を超える計算です。
これが社会保障に破壊的な打撃を与えています。
国民の厳しい批判や通常国会での日本共産党などの追及を受けて福田内閣は医師不足の実態を認め、予算の「重点化枠」を設けるとしています。
さらに基礎年金の最低保障機能の強化を検討するなど、社会保障の「5つの安心プラン」を発表しました。
命と暮らしをないがしろにする社会保障抑制路線の根本には、企業献金による露骨な政策の買収と財界言いなりの政治があります。
大企業の負担軽減や道路中期計画を優先し、社会保障を犠牲にするやり方を転換することが切実に求められます。

4、「5つの安心プラン」

政府は29日、社会保障の分野でとりくむ緊急対策を盛り込んだ「5つの安心プラン」を発表しました。

(1)高齢者政策では、高齢者の就労促進や、「基礎年金の最低保障機能強化」の検討などを打ち出しました。しかし、国民の批判が高まっている後期高齢者医療制度については、「円滑な運営」などと明記しています。また、「療養病床の転換を円滑に進め」るとして、療養病床削減政策を続ける方針を示しました。

(2)医療体制整備では、深刻な医師不足を解決するための医師養成数の増加や、産科医やへき地の医師の手当などへの財政支援を掲げました。

(3)子育て支援では、待機児童が多い地域で「自治体の積極的取組による認可保育所の緊急整備」の促進を明記。保育園と幼稚園の一体型施設「認定こども園」の設置促進にむけ、「こども交付金」を創設するとしています。同園は、公的保育制度の後退につながると懸念されているものです。「未来を担う『子どもたち』を守り育てる社会」をスローガンにし、「認定こども園」の推進などを強調しますが、子育て世代の多くが直面している長時間・過密労働や不安定雇用などの根本問題に本格的な対策を講じる姿勢は見えません。

(4)非正規雇用対策では、「ネットカフェ難民」に対して生活支援を行うとしています。

(5)厚労行政を見直すとして、奥田碩トヨタ自動車相談役を座長とする有識者会議を設置するとしています。

「『この国に生まれてよかった』と思える国づくりを進める」「国民が抱く不安や不満に鑑(かんが)みる」「国民の目線に立ったきめ細かな方策を検討」と強調しています。しかし、その中身は「国民の目線」とはかけ離れたものです。
これらが国民に安心をもたらすものではないことは、「社会保障の機能強化のため」とプランでいいながら、同日の閣議で、社会保障費の2200億円の削減を決めたことにも表れています。このような姿勢では、国民に安心がもたらされるとは思えません。

5、最後に

迷走を重ねた内閣改造の結果は、福田首相と自民党に、政権を担い続ける資格と能力が失われつつあることを、いよいよ証明しています。国民は閣僚の顔ぶれを変えるのではなく、国民に痛みを押し付ける政治の中身を変えることを切望しています。

福田内閣を追い詰める、国民のたたかいはいよいよ正念場です。



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