【08.03.05】 08年3月議会開催


「道路特定財源の確保を求める意見書」に対して反対の討論

日本共産党の星野公平です。
議員提出議案第3号「道路特定財源の確保を求める意見書」に対して反対の討論をします。
あえて質疑は控えさせてもらいました。
先の二人の議員(伊藤研司、伊藤恵一)の質疑に対する答弁は説得力が弱く、今の国会でも説明不十分、満足に答弁できない状況で、答弁者の心苦しさを察します。
この意見書は、国に3つの事を要望しています。1つは、今年度中の関連法案(租税特別措置法案)の成立を求める。2つ目は、平成20年度以降10年間の暫定税率を維持すること。3つ目は、道路特定財源を一般財源化しないで道路整備に当てるよう求めるものです。

政府・与党は先月2月29日、衆参両議長の徹底した審議を求めた斡旋を踏みにじって、2008年度予算案と歳入関連法案(租税特別措置法案)を衆院で強行採決しました。(ガソリン税などの暫定税率を10年延長し、59兆円もの税金を道路建設に注ぎ込む。)
しかし、この間の国会論戦では、道路特定財源が道路には関係のない、いろんな物に使われていることが明らかになりました。
道路特定財源に固執する政府・与党の論拠が次々崩れ、問題点が次々と明らかになるなかで、政府自身も「見直し」や「修正」を口にせざるを得ない事態も生まれています。道路特定財源に固執する政府・与党への国民の不信は、審議を通じてより深まっています。今、必要なことは参院での徹底審議を通じて道路特定財源の問題点をさらに明らかにし、一般財源化に足を踏み出すことです。

政府は、今後10年間で59兆円という「道路中期計画」を前提に、揮発油税などの道路特定財源制度と暫定税率の10年間延長を提案しているわけです。道路特定財源制度ができてから54年、暫定税率が導入されてから34年がたち、無駄な道路をつくり続ける“自動装置”となっているこれらの制度を、このうえ10年間も延長する道理はまったくありません。私たちは、道路特定財源を一般財源化し、社会保障にも教育にも使える、もちろん道路にも使える財源にし、暫定税率は廃止することを逆に提案するものです。                     
59兆円の中味を聞くと、今作業しているところと言う、その積算根拠さえ極めていいかげんなことが明らかになりました。積算根拠に対し、国土交通省は、2007年度実績をそのまま機械的に各年度の事業量として積算しただけであることを明らかにしました。しかも、毎年度の査定も「個別にきちっとやっているわけではない」などと答弁し、総額をどう使うかは、「国土交通省のさじ加減」という状況が浮き彫りになりました。「中期計画」の問題は、それにとどまりません。バブル時に計画された全国14000キロの「基幹ネットワーク」や7000キロの「地域高規格道路」などの高速道路整備、東京湾口道路などや6つの横断道路などがしめており、政府が道路特定財源維持の口実にあげる「通学路の歩道整備」や「開かずの踏切対策」などは、計画全体の数パーセントにすぎません。

特定財源と暫定税率をなくし、むだな道路建設を中止し、地方財源について国が責任をもって確保する対策を行えば、必要な道路整備を進めることは可能である。             政府・与党は、救急病院へ患者を一刻も早く運ぶために高速道路が必要などと言いますが、住民が求めているのは遠く離れた病院へ運ぶ道路ではなく、地域の救急病院を増やすことです。住民の願いを大事にするなら、なにより地方の裁量に任せることが大事です。“高速道路よりも生活道路を優先する”“大型道路よりも病院を優先する”“大規模プロジェクトよりも住民の暮らし・社会保障を優先する”など、地方自治体と住民が予算の使い方を選択できるよう一般財源化することこそ必要です。
国道1号線の複線化や伊勢大橋の架け替えも優先順位を間違えなければ早期可能なはずです。 地方自治体から「暫定税率」の維持を求める声が出ている背景には、小泉内閣と自・公両党がすすめた地方交付税の大幅削減があります。全国知事会も「地方財政の危機的状況をもたらし地域間の財政力格差を拡大させた最大の原因は、地方交付税の大幅な削減である」と厳しく指摘しています。自治体の財政基盤を再建するには、地方交付税の財源保障・調整機能を強化することです。

今、暫定税率が廃止されれば、ガソリンの価格が下がります。お金の流れが変わり、消費拡大につながり生活が少しは豊かになり景気の回復も少しは期待できるのではないでしょうか。   

地方の道路投資の4割以上は一般財源が占めており、不要不急の道路建設をやめることは一般財源を住民本位に使うことにもつながります。住民要求の実現のためにも、道路特定財源の一般財源化を求めます。

朝日新聞の世論調査

一昨日の朝日新聞の世論調査(3月1日、2日実施)「最新のガソリン税などの道路特定財源をめぐる問題」によると、

1、道路整備以外の目的にも使える一般財源化する考えに賛成の人が59%にのぼった。反対は30%。昨年の12月調査で46%、2月では54%で今回賛成がさらに増えた。国会での議論が進むにつれて一般財源化への支持が広がっている。

2、ガソリン税などの高い暫定税率を10年間延長し道路整備に充てる政府の租税特別措置法案は衆議院で可決され参議院に送られたが、法案に反対は59%にのぼり賛成の28%を大きく上回った。

3、今後10年間に59兆円をかけて道路整備をする政府の計画に対して計画通り進めるべきだは15%にとどまり、計画より減らすべきだが71%と圧倒的だった。

一般財源にもしないまま高い税率を維持して、今まで通り道路をつくり続けようという政府与党の方針は多くの国民の考えからずれていることがわかりました。

以上、反対討論とします。

勇気をもって多くの人の意見を聞き、一部の人たちだけを利する意見書は桑名市議会として出さないよう決断をお願いします。

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